●<潮流>「18歳は大人か」を考える
共同通信-下野新聞(2009年1月4日)・岩手日報(2009年1月6日夕刊)
十八歳は大人か子どもか-。政府が決めた二兆円の「定額給付金」であらためて考えさせられた。支給額を加算する対象が、当初の「十五歳以下」から「十八歳以下」に引き下げられたからだ。
政府は今、十八歳を成人と認めるかどうかを検討している。二〇〇七年に成立した国民投票法は投票権を「十八歳以上」に与えると同時に、一〇年の施行までに、今は二十歳以上の投票権や民法の成人年齢を見直すよう求めているためだ。
だが給付金は大した議論もなく十八歳を対象とすることが決まり、麻生太郎首相の説明は「子どもに加算する」だった。
政府の見直し論議は難航しているようだ。民法を検討している法相の諮問機関・法制審議会が中間報告を公表したが、意見が割れて賛否両論を併記した。「若者の自立を促す」という賛成意見に対し、「契約の年齢が下がると悪徳商法ターゲットになる」などの反対意見が紹介されている。
だが世界の九割近い国・地域が十八歳投票権を認めている。米大統領選でオバマ氏圧勝を支えたのも十八歳からの若者だった。
少子高齢化が進み、社会保障費の負担や財政赤字のつけを若い世代に回すのかが大きな政治課題になっている。
投票年齢引き下げに取り組んできた特定非営利活動法人(NPO法人)の「Rights(ライツ)」は、最近出版した「18歳が政治を変える!」(現代人文社)で「若者を意思決定の場に入れて、世代が連携できる社会をつくることが大きな課題だ」と訴えている。その通りだろう。
ライツは二〇〇〇年に大学生らが中心に結成したNPO法人だ。若者たちのこんな活動が大人の政治家の念頭にあれば、定額給付金でも少しは議論になったかもしれない。