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2009年08月30日

●16歳にも選挙権与えよ 「政治教育の充実」とセットで

インタビュー「若者を棄てない政治」第13回/市川市議会議員・高橋亮平さん
J-CASTニュース2009年8月30日

 「選挙権は20歳から」。長らく日本では当然のこととして受け入れられてきたが、最近は海外の例にならって18歳に引き下げようという動きが進んでいる。しかし、若い世代の政治参加を後押しするには、もっと下げるべきだと考える若者もいる。「16歳選挙権」を提唱する市川市議会議員・高橋亮平さん(33歳)にその理由を聞いた。

「20歳選挙権」に論理的な根拠はない
――高橋さんは2000年から選挙権年齢の引き下げに取り組んでいます。
高橋 大学時代に3人の仲間と「Rights(ライツ)」というNPO団体を立ち上げて、選挙権年齢を16歳まで引き下げることと、政治教育を充実させることを訴えてきました。若者の政治参加を進めるためにはこの2つが不可欠だと考えたからです。
――現行の選挙権は20歳となっています。
高橋 そもそも、なぜ選挙権が20歳なのかと考えてみると、実はあまり論理的な根拠はないんですね。日本の選挙関係の法律をみると、選挙権は20歳、被選挙権は25歳、参議院などの被選挙権は30歳。これは単純に5・10・15となんとなく切りのいい数字で区切っているにすぎません。
――では、なぜ「16歳」なのでしょうか?
高橋 選挙権というのは権利ですから、本来はできるだけ幅広い人に与えられるべきです。そこで、どこまで年齢を下げられるのかと議論したところ、社会参加のための教育をしっかり受けた年齢にあわせるべきじゃないか、と。
日本では義務教育で社会に出るために必要な能力をつけることになっているので、義務教育が終了したあとの年齢ということで、16歳から選挙権を与えてもよいだろうと考えました。
――海外ではどうなっているのでしょう?
高橋 世界の国の87.8%が選挙権を18歳以下から与えています。20歳から選挙権を得る国は、OECD30カ国で日本だけです。選挙権は18歳からという国が多いですが、イランでは15歳、キューバやブラジルでは16歳にも選挙権があり、ドイツやオーストリアでは16歳に地方選挙権を与えている州があります。
――日本でも選挙権を18歳にしようという動きはありますね。
高橋 2007年に国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)ができて、そのなかで2010年までに18歳成人・選挙権を検討するとされました。日本でも、18歳の選挙権はもうすぐ実現するところまで来ているんですね。ただ、できるだけ幅広い人に選挙権をという観点からは、さらに16歳まで引き下げたほうがいいと思います。

トレーニングを義務教育のなかで実施していく
――理屈の上では「16歳選挙権」というのもわかりますが、現在の日本の高校生の社会的な成熟度からすると早すぎないでしょうか?
高橋 たしかに日本の高校生は諸外国に比べて幼いとよく言われますが、そうなってしまっているのは、自分で政治のことを判断できるようにする教育がしっかりされていないからです。選挙権を引き下げるのと同時に、政治を活用する力、すなわち「政治リテラシー」を高めるトレーニングを義務教育のなかで実施していく必要があります。
 たとえばアメリカでは「争点教育」といって、政策のメリットとデメリットについて考えさせるプログラムがあります。Aという政策を選択するとこういうメリットとデメリットがあり、Bという政策だとこうだろうということを議論させるわけです。
――日本の中学で教える「公民」の授業とは違うのですか?
高橋 日本の学校で教えている政治関係の科目は、もう完全な暗記教科です。たとえば、「三権分立」や「弾劾裁判」という言葉は記憶していても、自分たちの生活を変えるために政治をどう活用すればいいのかまでは理解できていないことが多い。そうではなくて、選挙に行ったときにも役立つような、政治を活用する能力をきっちりと身につけていく必要があるんじゃないかと思っています。
――選挙権年齢の引き下げと政治教育はセットで行われるべきだ、と。
高橋 いまの制度だと、まがりなりにも政治教育を中学や高校で受けてから選挙権を得るまでにブランクができてしまうんですね。ところが、選挙権を16歳まで下げると、高校時代の政治教育は「選挙権を得た状態」で受けることになるので、授業も自分のためだと感じることができる。学校で政治教育を受けている間に投票できるというのは、有権者を育てるという意味では非常に大きいと思います。
――日本の政治教育の現状からすると、中学生や高校生をしっかり教えられるのかという不安もありますが?
高橋 たしかにそのよう意見もありますが、ヨーロッパなどではすでに当たり前のように政治教育が行われています。政治教育の充実を待つよりも、まず若者に投票を体験させて、実践を積みながら政治リテラシーのトレーニングをしていくことが大事じゃないかと考えています。16歳が選挙権をもつことになれば、それにあわせて日本の政治教育も変えなければいけない、という機運も出てくるはずです。

2009年08月17日

●18歳成人・選挙権実現にむけた政党申し入れ

 衆参両院に議席をもつ自民・民主・公明・共産・社民・国民の6政党に法制審最終報告を受けた申し入れを実施しました。申し入れでは、民法と公職選挙法を同時改正するが、すでに国民投票法で選挙権年齢引き下げが国会の意思として示されているため2010年参院選で18歳選挙権を実施する一方、消費者教育など条件整備を始めて2~3年後に成年年齢を引き下げる段階施行を求めました。

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2009年08月11日

●「ワカモノ・マニフェスト2009」「各政党マニフェスト若者度評価」が発表される

 詳しくはこちらをご覧ください。

《地殻変動:17》若者救う政策、若者の手で
朝日新聞2009年8月13日

 「すべての政党が40点以下です」。6党のマニフェスト(政権公約)の「若者度」を採点したら、最も高い公明党でも100点満点の36点だった。
 採点者は「ワカモノ・マニフェスト策定委員会」。若い世代の望む政策を示そうと、20代後半から30代の研究者やNPO関係者、地方議員ら7人が昨年10月に立ち上げた。11日に記者会見し、採点結果を公表した。
 「世代間格差の改善」などを基準に採点したが、会見した小林庸平さん(28)は「格差解消のビジョンを示している政党はない」と指摘する。
 では、どんな政策を望むのか。手作りのワカモノ・マニフェストには、将来につけを回さないアイデアが並ぶ。たとえば年金。現役世代が納める保険料で高齢者を支える仕組みを、それぞれの世代が将来の自分たちに支払う年金をあらかじめ積み立てる形に改める。これなら各世代が負担を分かち合えるという主張だ。
 小林さんは大学時代から若者の政治参加を促すNPOにかかわり、いまは民間シンクタンクの研究者。国民投票法で投票年齢が「18歳以上」と定められたのを契機に、投票による政治参加だけでなく、政策立案を手がけようと委員会を発足させた。
 ワカモノ・マニフェストは今秋の出版予定で、政党への働きかけはこれからだが、「来年の参院選のマニフェストには反映させたい」と意気込む。
 こうした動きは若者の間に広がる。策定委員会など22団体の加わったネットワークが07年秋に発足し、互いの政策を提案する集会を重ねてきた。
 背景にあるのは少子高齢化が招く事態への危機感だ。1955年、15歳~64歳の現役世代は11.5人で高齢者1人の暮らしを支えれば良かった。だが、支える現役世代は07年で3人、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2055年には1.3人に。若者世代は負担に押しつぶされかねない。
 衆院選にあわせ、やはり公約評価を進めているNPO「政策過程研究機構」の事務局長、福田隆之さん(30)は「高齢者を含む世代間で痛みを分かち合う制度設計が必要だ」と言う。
 約100人のメンバーは福田さんら会社員のほか、若手官僚も名を連ねる。公約評価だけでなく、東国原英夫宮崎県知事が立候補する際、実際にマニフェストづくりを手がけた経験を持つ。東国原氏と議論を重ね、不必要な事業を見直して将来の生活を向上させるための施策を打ち出した。
 自民党政権下では、官僚に政策立案を委ね、業界団体の意向を吸い上げてきた。だが、非正規雇用の若者ら組織されない人たちの声は抜け落ちてしまう。そうした「官僚任せ」を変えるため、福田さんたちがめざすのは「政策市場」の構築だ。大学やシンクタンクの研究者、NGO、会社員、主婦ら市民自らがアイデアを競い合う。政府が採り入れれば「市民が政治の主体になる」。そう話す福田さんは、宮崎で吹いた風がいつか届くと期待している。
     ◇
■「ワカモノ・マニフェスト」の主な施策
【労働・雇用】
・労働条件を変えやすくして正規、非正規の流動化
・正規、非正規にかかわらず同一労働・同一賃金
【財政・社会保障】
・消費税などの増税
・自らの世代に給付する社会保障費を事前積み立て
【若者参画】
・参院の選挙区を地域ではなく世代ごとに決める
【家族・教育・子育て】
・子育て世帯の負担を減税などで軽減