●18歳選挙権について連続で報道
「20歳以上投票では法律違反」(共同通信4月19日)
NPO法人Rights副代表理事 小林庸平氏
-当面は20歳以上が投票権者となりそうだ。
「国会審議の時からの危惧が現実となってしまった。この法律は付則の中で、施行までに選挙権年齢や成人年齢を18歳に引き下げると書いているのだから、それが進んでいないというのは〝法律違反〟だ。民主、社民両党は衆院選マニフェスト(政権公約)でも選挙権年齢を引き下げるとうたっていた。公約にも違反している」
-どうすべきか。
「法律はそれぞれ立法目的が違うので、選挙権年齢などと民法の成人年齢が違っても構わない。まずは国民投票権と選挙権の年齢を18歳に引き下げ、それから他の成人関連の法律をどうするか考えればいい」
-枝野幸男行政刷新担当相は、鳩山政権発足から3年以内に18歳に引き下げると発言している。
「選挙権を先行できないなら、いつまでにどこまでやるのか、改正に向けた工程表をきちんと示すことが責任だ。『国民投票法公布後3年以内にやる』と言ってやれなかったのだから、それを繰り返してはいけない」
「学校教育における政治教育のプランをきちんとつくっていくということも、セットで出したら良いのではないか」
-そもそも18歳への引き下げはなぜ必要か。
「今は『高齢者民主主義』が進んでいるが、これだと本当の持続可能社会ではない。若い人の政治参加の熱は近年、高まっており、そうした熱を取り込み、民主主義を若返らせないといけない」
「憲法も公約違反の民主党」(日本経済新聞4月4日)
<略>
5月18日には、憲法改正の手続きを定めた国民投票法が施行される。国民投票法は、本則で18歳以上に投票権を与えると定めている。ただ付則で、施行されるまでに、一般の選挙権や民法の成人年齢を18歳に引き下げるなどの法整備をすることを条件にしていた。
施行まで3年間の準備期間があったのに、18歳投票権や成人年齢の引き下げは手つかずのままだ。この状況を放置すれば、国民投票法の投票年齢は20歳以上になってしまう。
18歳選挙権への引き下げは、民主党のかねての主張だ。国民投票法で幅広い合意を得るために、それまで慎重だった自民党が譲歩した経緯もある。
民主党は政権公約に準ずる「党政策集INDEX2009」で「選挙権を18歳から付与する法律を国民投票法に合わせて試行します」と約束していたはずだ。
昨年秋に法制審議会は成人年齢の引き下げを答申したが、民主党出身の千葉景子法相は早々と、今国会への関連法案の提出は「なかなか容易ではない」と語っていた。鳩山内閣には18歳投票権や成人年齢の引き下げを推進しようという熱意が感じられない。
18歳選挙権の実現を求めてきた特定非営利活動法人(NPO法人)「Rights(ライツ)」の菅源太郎代表理事は落胆しながらも、こう指摘している。「この機会を逃すと、法整備に10年かかるかもしれない。18歳投票権の実現に向け、せめて工程表ぐらいは示してほしい」
憲法改正論者の鳩山由紀夫首相は、こうした思いにどうこたえるのだろう。
(編集委員 西田睦美)