●18歳選挙権について連続で報道
「20歳以上投票では法律違反」(共同通信4月19日)
NPO法人Rights副代表理事 小林庸平氏
-当面は20歳以上が投票権者となりそうだ。
「国会審議の時からの危惧が現実となってしまった。この法律は付則の中で、施行までに選挙権年齢や成人年齢を18歳に引き下げると書いているのだから、それが進んでいないというのは〝法律違反〟だ。民主、社民両党は衆院選マニフェスト(政権公約)でも選挙権年齢を引き下げるとうたっていた。公約にも違反している」
-どうすべきか。
「法律はそれぞれ立法目的が違うので、選挙権年齢などと民法の成人年齢が違っても構わない。まずは国民投票権と選挙権の年齢を18歳に引き下げ、それから他の成人関連の法律をどうするか考えればいい」
-枝野幸男行政刷新担当相は、鳩山政権発足から3年以内に18歳に引き下げると発言している。
「選挙権を先行できないなら、いつまでにどこまでやるのか、改正に向けた工程表をきちんと示すことが責任だ。『国民投票法公布後3年以内にやる』と言ってやれなかったのだから、それを繰り返してはいけない」
「学校教育における政治教育のプランをきちんとつくっていくということも、セットで出したら良いのではないか」
-そもそも18歳への引き下げはなぜ必要か。
「今は『高齢者民主主義』が進んでいるが、これだと本当の持続可能社会ではない。若い人の政治参加の熱は近年、高まっており、そうした熱を取り込み、民主主義を若返らせないといけない」
「憲法も公約違反の民主党」(日本経済新聞4月4日)
<略>
5月18日には、憲法改正の手続きを定めた国民投票法が施行される。国民投票法は、本則で18歳以上に投票権を与えると定めている。ただ付則で、施行されるまでに、一般の選挙権や民法の成人年齢を18歳に引き下げるなどの法整備をすることを条件にしていた。
施行まで3年間の準備期間があったのに、18歳投票権や成人年齢の引き下げは手つかずのままだ。この状況を放置すれば、国民投票法の投票年齢は20歳以上になってしまう。
18歳選挙権への引き下げは、民主党のかねての主張だ。国民投票法で幅広い合意を得るために、それまで慎重だった自民党が譲歩した経緯もある。
民主党は政権公約に準ずる「党政策集INDEX2009」で「選挙権を18歳から付与する法律を国民投票法に合わせて試行します」と約束していたはずだ。
昨年秋に法制審議会は成人年齢の引き下げを答申したが、民主党出身の千葉景子法相は早々と、今国会への関連法案の提出は「なかなか容易ではない」と語っていた。鳩山内閣には18歳投票権や成人年齢の引き下げを推進しようという熱意が感じられない。
18歳選挙権の実現を求めてきた特定非営利活動法人(NPO法人)「Rights(ライツ)」の菅源太郎代表理事は落胆しながらも、こう指摘している。「この機会を逃すと、法整備に10年かかるかもしれない。18歳投票権の実現に向け、せめて工程表ぐらいは示してほしい」
憲法改正論者の鳩山由紀夫首相は、こうした思いにどうこたえるのだろう。
(編集委員 西田睦美)
●3年以内に成人年齢引き下げを 枝野行政刷新担当相
(共同通信4月1日)
枝野幸男行政刷新担当相は1日夕の記者会見で、憲法改正の手続きを定めた国民投票法に関し、成人年齢の18歳への引き下げを3年以内に実現する必要があるとの認識を示した。「われわれが政権を取り、進められる状況になって3年以内に諸制度の改正をやらねばならない」と述べた。
国民投票法は18歳以上に投票権を認めているため、5月18日の施行までに民法の成人年齢や公選法の選挙権年齢を18歳に引き下げるよう求めている。しかし、自公政権では民主党が消極姿勢を貫いたため実現できなかった。
鳩山政権では護憲を掲げる社民党に配慮、関連法案提出に向けた作業は進んでいない。
●国民投票法 18歳で投票権 見送り
政府法整備間に合わず
(東京新聞2月4日)
政府は三日、五月十八日に施行される、憲法改正のための手続きを定める国民投票法の投票権者について、十八歳以上とすることを断念し、当面は二十歳以上とする方針を固めた。十八歳以上にするための前提となる、選挙権を十八歳以上に広げる公職選挙法改正や、成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正などが間に合わないのが確実となったためだ。
一部で施行そのものを見送るべきだとの意見も出ていたが、一日の民主党役員会などで予定通り施行する方針を確認した。
公選法改正について原口一博総務相は先に「国会で幅広い議論が必要だ。(二〇一〇年夏の参院選には)間に合わないだろう」との見通しを示した。
成人年齢については政府の法制審議会が「引き下げが適当」とする答申を千葉景子法相に提出済み。しかし、千葉氏は成年・未成年などの年齢基準がある約三百の法令の見直し作業が膨大になることから、通常国会への民法改正案提出の見送りを示唆している。
通常国会で、政府・与党は一〇年度予算案の年度内成立を最優先する方針。仮に公選法改正や民法改正案を国会に提出しても、国民投票法の施行日までに成立させるのは困難な情勢だ。
民主党は昨年の衆院選前にまとめた政策集の中で「選挙権を十八歳から付与する法律を国民投票法に合わせて施行する」と明記している。ただ、「十八歳成人」に対する世論の慎重論は根強く、実現には曲折が予想される。
政府は一〇年度予算案に国民投票制度準備関係経費として二十一億円を計上している。
●法制審が18歳成人を答申
-首相は18歳選挙権の先行に意欲-
法制審議会(青山善充会長)は10月28日の総会で千葉景子法相に18歳成人を答申しました。答申(民法の成年年齢の引下げについての意見)は民法成年年齢部会最終報告書を踏まえて「民法が定める成年年齢を18歳に引き下げるのが適当」としましたが、「若年者の自立を促すような施策や消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策が実現されることが必要」との理由から、「具体的時期については、関係施策の効果等の若年者を中心とする国民への浸透の程度やそれについての国民の意識を踏まえた、国会の判断に委ねるのが相当」としています。
鳩山由紀夫首相は答申を受けて28日に「民法における成年年齢というのはやはり大きな広範な意味合いを持つものですから、慎重に検討していくことが必要」とする一方、「選挙権の18歳への引き下げというものに関しては、それだけを取り出しても早く実現をすることが望ましい」と18歳選挙権の先行に意欲を示しました。
私たちは法制審部会最終報告や総務省公開ヒアリングでの見解から公職選挙法の先行改正は可能ととらえ、内閣「年齢条項の見直しに関する検討委員会」のスケジュールや民主党政策集から2010年の通常国会での法改正が必要との立場で、参院選での実現にむけて関係官庁や与野党国会議員への働きかけを強めます。
「18歳成人が適当」法制審が答申 時期は国会に委ねる
(朝日新聞10月29日)
法制審議会(法相の諮問機関)は28日、民法上の成年年齢を現行の20歳から18歳に引き下げるのが適当とする結論をまとめ、千葉景子法相に答申した。引き下げ実施の時期は国会の判断に委ねた。鳩山由紀夫首相は同日、選挙権の年齢を20歳から18歳へとすることを念頭に「法制審が方向をお決めになったということは大きなステップだとは思います」と語った。
「18歳成人」の議論は、憲法改正の手続きを定めた国民投票法(07年5月成立)が18歳以上に投票権を与えるとしたことがきっかけ。同法は付則で、10年5月の施行までに、民法や公職選挙法など年齢制限がある法令についても「必要な措置を講ずる」ことを求めていた。答申により、今後は、政府が民法改正や公選法改正に実際に乗り出すかどうかが焦点になる。
法制審では昨年2月に諮問を受けた後、「民法成年年齢部会」で調査や検討を重ねてきた。部会は今年7月の最終報告で、公選法が定める選挙権年齢が18歳に引き下げられることを前提に、成年年齢も引き下げを認める方針を打ち出した。社会参加の時期を早めれば、若者が「大人」の自覚を高められることなどを意義として挙げた。
一方で、引き下げれば親の同意がなくても契約を結べるようになるため、18~19歳が悪質商法やマルチ商法などの消費者被害に遭うおそれが増すと指摘。消費者保護策や若者の自立支援策の充実を併せて求め、引き下げ時期はそれらの進み具合を踏まえて国会が判断するものとした。
最終報告後の法制審総会では「引き下げ時期を答申に明記すべきだ」という意見も出たが、消費者保護策など他省庁にまたがる課題が多く、最終的には具体的な期限を示すのは難しいという認識で一致。部会の結論を了承した。(延与光貞)
「18歳成人」を答申、民法改正時期は不透明
(読売新聞10月28日)
法制審議会(法相の諮問機関)は28日、民法が20歳と定める成人年齢を18歳に引き下げることが適当だとする意見を千葉法相に答申した。
民法改正の時期は「国会の判断に委ねるのが相当だ」として政治判断に委ねた。千葉法相は27日の記者会見で次期通常国会への民法改正案提出は難しいとの見方を示しており、改正時期は不透明だ。
答申は、養子をとることができる年齢については「民法の成年年齢を引き下げても現状通り20歳とすべきだ」とした。
今回の答申は、法制審の「民法成年年齢部会」が今年7月に取りまとめた最終報告の内容を踏襲したものだ。ただ、最終報告が成人年齢引き下げの前提としていた選挙権年齢の18歳引き下げについては「公職選挙法の改正は法相の所管事項ではない」(法務省幹部)として言及しなかった。
成人年齢が下がれば、18歳で親の同意がないままクレジットやローンの契約をできるようになることから、答申は「現時点で引き下げを行うと、消費者被害の拡大など様々な問題が生じる恐れがある」と指摘。若者の自立を促す施策や消費者保護の施策を実現することを引き下げの条件とした。
成人年齢引き下げの議論は、2007年5月に成立した国民投票法が憲法改正のための国民投票の年齢を「原則18歳以上」と定め、10年の施行までに選挙権年齢と成人年齢を引き下げる法整備を求めたことをきっかけに始まった。08年2月、当時の鳩山邦夫法相が「成人年齢を引き下げるべきか否かについて意見を承りたい」と方向性を示さない「白紙」の形で法制審に諮問。審議には当初予定の1年を超えて約1年半かかった。
成人年齢:18歳が「適当」 法改正は国会判断で--法制審答申
(毎日新聞10月28日)
法相の諮問機関・法制審議会は28日、臨時総会を開き、成人の年齢を20歳から18歳に引き下げるのが適当とする意見を取りまとめ、千葉景子法相に答申した。ただし、民法改正の時期は関連施策の実現が必要として「国会の判断に委ねるのが相当」との立場を維持した。今後、鳩山政権が法案化に向けてどのような手続きを探るかが焦点となる。
7月、法制審民法成年年齢部会は公選法改正による選挙権年齢引き下げを条件に、成人年齢も引き下げるのが適当とする最終報告書をまとめていた。総会では「選挙年齢を条件とすれば消極的ニュアンスを与えかねない」との意見もあり、答申はこの条件を省いた。
答申は親の同意が必要だったクレジットカードやローン契約が18歳で可能になることに触れ「現時点での引き下げには(19、18歳の年齢層に)消費者被害拡大などの問題が生じる恐れがある」として、法整備までに若者層の自立を促す施策などの実現が必要とした。
憲法改正手続きを定めた国民投票法(07年成立)は、選挙権年齢を18歳以上と定め、付則で民法と公選法の年齢条文を10年の施行までに検討するとした。このため法制審は08年2月、是非について諮問を受けた。民主党は今年発表した政策集で、成人年齢と選挙権年齢の18歳への引き下げを明記している。【石川淳一】
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■解説
◇実施にはなお時間
法制審議会が28日、「18歳成人」を千葉景子法相に答申、民法改正への手続きが整った。しかし、法整備の時期は明示を避け、今後は「政治決着」が不可欠となる。世論の8割が引き下げに反対という現状もあり、実現には課題も少なくない。
千葉法相は27日の会見で、民法改正案を来年の通常国会に提案するのは困難との見方を示した。19、18歳がクレジットやローンを契約できるようになり消費者被害拡大も懸念されるが、防止する自立支援策が十分浸透していないことや、少年法などほかの法律との整合性を理由にあげる。
一方、公選法を所管する総務省の原口一博総務相は同日、法改正による選挙権年齢引き下げを検討する考えを示しつつも、来夏の参院選には「間に合わないだろう」と述べた。
成人年齢引き下げをめぐる議論が起きたきっかけは、07年の憲法改正手続きを定めた国民投票法の成立だが、法制審は同法にとらわれず、引き下げの是非を白紙から議論した。しかし、内閣府が08年7月に実施した世論調査では、契約できる年齢引き下げに約8割が反対。18歳では経済的に自立できていないなどの理由が目立った。答申が民法改正時期にまで踏み込めなかった事情はここにもある。
民法が改正されれば、選挙年齢や少年審判、ギャンブル、飲酒・喫煙など308法律・政省令に影響を与える。決着を委ねられた国会だが、法改正の時期をいつ、どのような場で見極めるかは今のところ見えていない。【石川淳一】
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■ことば
◇成人年齢
民法は成人を20歳と定めている。未成年者は、クレジットや高額売買などの契約行為は法定代理人の同意が必要と定めるほか、父母の親権に服する規定もある。政府の年齢条項の見直しに関する検討委員会によると、見直し対象の法律は191。
成人年齢「18歳に引き下げが適当」 法制審が答申
(日本経済新聞10月28日)
法制審議会(法相の諮問機関)は28日、民法が定める成人年齢について現行の20歳から18歳に引き下げるのが適当との答申をまとめ、千葉景子法相に提出した。引き下げにあたっては若者の自立支援や消費者被害の拡大防止に向けた施策の充実が必要と指摘。民法改正の時期に関しては「国会の判断に委ねるのが相当」と記すにとどめた。
憲法改正手続きを定めた国民投票法が投票年齢を原則18歳以上としたことを受け、2008年2月から議論を進めてきた。答申のたたき台となった法制審の部会報告では、国政選挙に投票できる選挙権年齢が18歳に下がることを条件にしていたが、答申自体では触れなかった。法務省は「前提条件を付すことで成人年齢の引き下げに消極的な印象を与えたくない」と説明。成人年齢引き下げに法制審答申が一歩踏み込んだ形となった。
法制審「18歳成人」答申 時期「国会に委ねる」
(産経新聞10月29日)
法相の諮問機関、法制審議会は28日、民法で20歳と規定されている成人年齢について「18歳に引き下げるのが適当」とする答申を千葉景子法相に提出した。今年7月の専門部会最終報告書の趣旨に沿ったもので、今後、実現へのステップは国会に委ねられた。
部会報告書では、引き下げの条件として公選法の選挙権年齢の引き下げを挙げていたが、今回の答申では盛り込まれなかった。
答申では、18歳への引き下げを「適当である」としたうえで、法整備には若年者の自立を促したり、消費者被害拡大を防いだりする施策が必要だと指摘した。法整備の具体的な時期は「国会の判断に委ねる」とした。
政府は今後、少年法や未成年者飲酒禁止法など年齢が関係する約300もの法令の見直しを進め、民法改正案を作ることになるが、作業は膨大になる。
千葉法相は27日の会見で、「拙速に結論は出せない」とし、来年の通常国会への提出見送りを示唆した。
平成19年に成立した憲法改正手続きを定める国民投票法が、投票年齢を原則18歳以上としたことを受け、法制審は20年2月から民法の成人年齢引き下げを検討してきた。
鳩山由紀夫首相は28日、法制審の答申について、「私は選挙権は18歳に引き下げるべきだといってきた。選挙権だけを取り出しても早く実現したい」と述べた。首相官邸で記者団に答えた。
●16歳にも選挙権与えよ 「政治教育の充実」とセットで
インタビュー「若者を棄てない政治」第13回/市川市議会議員・高橋亮平さん
(J-CASTニュース2009年8月30日)
「選挙権は20歳から」。長らく日本では当然のこととして受け入れられてきたが、最近は海外の例にならって18歳に引き下げようという動きが進んでいる。しかし、若い世代の政治参加を後押しするには、もっと下げるべきだと考える若者もいる。「16歳選挙権」を提唱する市川市議会議員・高橋亮平さん(33歳)にその理由を聞いた。
「20歳選挙権」に論理的な根拠はない
――高橋さんは2000年から選挙権年齢の引き下げに取り組んでいます。
高橋 大学時代に3人の仲間と「Rights(ライツ)」というNPO団体を立ち上げて、選挙権年齢を16歳まで引き下げることと、政治教育を充実させることを訴えてきました。若者の政治参加を進めるためにはこの2つが不可欠だと考えたからです。
――現行の選挙権は20歳となっています。
高橋 そもそも、なぜ選挙権が20歳なのかと考えてみると、実はあまり論理的な根拠はないんですね。日本の選挙関係の法律をみると、選挙権は20歳、被選挙権は25歳、参議院などの被選挙権は30歳。これは単純に5・10・15となんとなく切りのいい数字で区切っているにすぎません。
――では、なぜ「16歳」なのでしょうか?
高橋 選挙権というのは権利ですから、本来はできるだけ幅広い人に与えられるべきです。そこで、どこまで年齢を下げられるのかと議論したところ、社会参加のための教育をしっかり受けた年齢にあわせるべきじゃないか、と。
日本では義務教育で社会に出るために必要な能力をつけることになっているので、義務教育が終了したあとの年齢ということで、16歳から選挙権を与えてもよいだろうと考えました。
――海外ではどうなっているのでしょう?
高橋 世界の国の87.8%が選挙権を18歳以下から与えています。20歳から選挙権を得る国は、OECD30カ国で日本だけです。選挙権は18歳からという国が多いですが、イランでは15歳、キューバやブラジルでは16歳にも選挙権があり、ドイツやオーストリアでは16歳に地方選挙権を与えている州があります。
――日本でも選挙権を18歳にしようという動きはありますね。
高橋 2007年に国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)ができて、そのなかで2010年までに18歳成人・選挙権を検討するとされました。日本でも、18歳の選挙権はもうすぐ実現するところまで来ているんですね。ただ、できるだけ幅広い人に選挙権をという観点からは、さらに16歳まで引き下げたほうがいいと思います。
トレーニングを義務教育のなかで実施していく
――理屈の上では「16歳選挙権」というのもわかりますが、現在の日本の高校生の社会的な成熟度からすると早すぎないでしょうか?
高橋 たしかに日本の高校生は諸外国に比べて幼いとよく言われますが、そうなってしまっているのは、自分で政治のことを判断できるようにする教育がしっかりされていないからです。選挙権を引き下げるのと同時に、政治を活用する力、すなわち「政治リテラシー」を高めるトレーニングを義務教育のなかで実施していく必要があります。
たとえばアメリカでは「争点教育」といって、政策のメリットとデメリットについて考えさせるプログラムがあります。Aという政策を選択するとこういうメリットとデメリットがあり、Bという政策だとこうだろうということを議論させるわけです。
――日本の中学で教える「公民」の授業とは違うのですか?
高橋 日本の学校で教えている政治関係の科目は、もう完全な暗記教科です。たとえば、「三権分立」や「弾劾裁判」という言葉は記憶していても、自分たちの生活を変えるために政治をどう活用すればいいのかまでは理解できていないことが多い。そうではなくて、選挙に行ったときにも役立つような、政治を活用する能力をきっちりと身につけていく必要があるんじゃないかと思っています。
――選挙権年齢の引き下げと政治教育はセットで行われるべきだ、と。
高橋 いまの制度だと、まがりなりにも政治教育を中学や高校で受けてから選挙権を得るまでにブランクができてしまうんですね。ところが、選挙権を16歳まで下げると、高校時代の政治教育は「選挙権を得た状態」で受けることになるので、授業も自分のためだと感じることができる。学校で政治教育を受けている間に投票できるというのは、有権者を育てるという意味では非常に大きいと思います。
――日本の政治教育の現状からすると、中学生や高校生をしっかり教えられるのかという不安もありますが?
高橋 たしかにそのよう意見もありますが、ヨーロッパなどではすでに当たり前のように政治教育が行われています。政治教育の充実を待つよりも、まず若者に投票を体験させて、実践を積みながら政治リテラシーのトレーニングをしていくことが大事じゃないかと考えています。16歳が選挙権をもつことになれば、それにあわせて日本の政治教育も変えなければいけない、という機運も出てくるはずです。
●18歳成人・選挙権実現にむけた政党申し入れ
衆参両院に議席をもつ自民・民主・公明・共産・社民・国民の6政党に法制審最終報告を受けた申し入れを実施しました。申し入れでは、民法と公職選挙法を同時改正するが、すでに国民投票法で選挙権年齢引き下げが国会の意思として示されているため2010年参院選で18歳選挙権を実施する一方、消費者教育など条件整備を始めて2~3年後に成年年齢を引き下げる段階施行を求めました。
●18歳選挙権の早期実現をめざして-法制審議会民法成年年齢部会最終報告を受けて-
2009年7月29日
特定非営利活動法人Rights
代表理事 菅 源太郎
18歳選挙権の早期実現をめざして
-法制審議会民法成年年齢部会最終報告を受けて-
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。私たちの活動に対する日常からのご理解とご協力に心から感謝申し上げます。
私たちは、選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実をめざして、10代・20代で2000年に結成してから9年にわたって活動してきました。2007年4月の衆議院憲法調査特別委員会公聴会では国民投票法案の投票権年齢について理事が公述人として意見陳述するとともに、国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)成立後は、内閣官房・総務省・法務省や与野党国会議員との意見交換を重ねてきました。
ご案内のように本日の法制審議会民法成年年齢部会が、公職選挙法の選挙権年齢を18歳に引き下げることを前提に民法の成年年齢を「18歳に引き下げるのが適当」とする最終報告書をまとめたことを率直に評価いたします。
そのうえで2010年までに公職選挙法(選挙権)や民法(成人)の年齢引き下げなど「必要な法制上の措置を講ずる」とした国民投票法を踏まえ、私たちは下記の点について国会・政党・官庁に働きかけます。
1.2010年参院選で18歳選挙権施行を
国民投票法附則3条は「年齢満十八年以上満二十年未満の者が国政選挙に参加することができること等となるよう…必要な措置を講ずる」と規定しているため、総務省は選挙権年齢引き下げの方向性がすでに国会の意思として法律に示されているとの立場です。
さらに法制審議会民法成年年齢部会は、国民投票権と選挙権の年齢は同じ参政権なので一致すべきだが、民法上の行為能力が選挙権付与の条件ではないので成年と選挙権の年齢は必ずしも一致する必要がないとの見解です。
このため内閣に設置された「年齢条項の見直しに関する検討委員会」の方針にもとづき、公職選挙法改正案は遅くとも2010年の通常国会で成立させ、2010年参院選での18歳選挙権施行を求めます。
2.民法と公選法の段階施行を
成年年齢引き下げの時期について若者自立施策などの効果や国民意識の動向を踏まえ「国会の判断に委ねるのが相当」とした最終報告書を踏まえ、民法は公職選挙法と同時に改正するものの、消費者教育など条件整備を始めて2~3年後に施行すべきと考えます。総選挙後の国会でこれらの課題を検討する特別委員会または小委員会を設置するよう求めます。
●法制審部会が18歳成人を最終報告
-18歳選挙権を前提に実施時期は国会に委ねる-
法制審議会民法成年年齢部会(鎌田薫部会長)は7月29日に最終報告書(ダウンロード可)をまとめました。中間報告書では年齢引き下げなど主要な論点が両論併記でしたが、最終報告書では「国民投票年齢が18歳と定められたことに伴い、選挙年齢が18歳に引き下げられることになるのであれば(中略)、民法の成年年齢を18歳に引き下げるのが適当である」と、公職選挙法改正による18歳選挙権を前提に民法の18歳成人を求めています。
その一方で引き下げの時期は、施策の効果や浸透に一定の期間を要するため「現時点で直ちに民法の成年年齢の引下げの法整備を行うことは相当ではない」と、国民の意識などを踏まえた国会での判断に委ねています。
成人年齢「18歳が適当」 法制審、時期は国会に委ねる
(朝日新聞7月29日)
法相の諮問機関・法制審議会の民法成年年齢部会(部会長=鎌田薫・早稲田大教授)は29日、明治以来、20歳と定められてきた民法上の成年年齢を18歳に引き下げることが適当とする最終報告書をまとめた。選挙権を持つ年齢も18歳に引き下げられることが前提。引き下げで生じる恐れがある消費者被害への対策の充実などを条件とし、法改正の時期の判断は国会に委ねた。
民法上、成年になれば「親権」の対象から外れ、自動車の購入や消費者金融からの借り入れ、住宅の賃貸、結婚などで親の同意なく有効な契約を結べるようになる。部会は、親の同意があれば男子18歳、女子16歳で認められる婚姻の年齢については、法制審が96年に答申した内容に沿って、男女とも18歳にすべきだと提言した。
最終報告は、社会参加の時期を早めれば若年層の間で大人の自覚が高まるとし、「若者が将来の国づくりの中心」という国の決意を示すことにもなると言及。「急速に少子高齢化が進む日本社会にとって大きな活力をもたらす」と引き下げの意義を説明した。
その一方で、今よりも若い時期から親の同意なしに契約行為ができるようになることで悪徳商法やマルチ商法に狙われて消費者被害が広がることを懸念。親の保護から外れて経済的に苦しい若者が増えたりする恐れもあるといったマイナス面も指摘した。
引き下げの時期については国民の意識も重視。内閣府の世論調査で8割が引き下げに反対しているうえ、各省庁が取り組んでいる消費者保護の施策や消費者教育、自立支援策の効果が国民の間に浸透するには一定の時間がかかるとして「現時点での引き下げは不相当」との考えを示した。
結論として「施策の効果が発揮され、国民に浸透した段階で速やかに引き下げるべきだ」としつつ、具体的な時期の判断は国会に委ねた。
最終報告は9月中旬の法制審の総会で了承されれば、法相に答申される。(延与光貞)
選挙年齢、民法の成人年齢…「18歳が適当」
(読売新聞7月29日)
法制審議会(法相の諮問機関)の「民法成年年齢部会」は29日、国政選挙に投票できる選挙年齢が18歳に下がることを条件に、民法が20歳と定めている成人年齢を18歳に引き下げることが適当だとする最終報告書をまとめた。
民法改正の時期は、国会が判断すべきだとして明示しなかった。民法が改正されれば新たに18~19歳の若者が親の同意がなくてもローンなどの契約行為ができるようになるなど、国民生活に多大な影響を及ぼすことになる。
報告書は、選挙年齢と合わせて成人年齢も下げれば、「責任を伴った選挙権の行使を期待できる」として、選挙年齢と成人年齢を一致させることが望ましいと明記した。成人年齢引き下げの意義については、「18~19歳の社会への参加時期を早めることを意味し、若者が将来の国づくりの中心だという、国の強い決意を示すことにつながる」とした。
一方、成人年齢引き下げの問題点として、18歳で親の同意なく一人で契約できるようになり、若者の消費者被害が拡大する恐れがあると指摘した。このため引き下げの時期については、若者に対する消費者教育などの施策の効果が表れるまで行わず、「若者を中心とする国民への浸透の程度を見極める必要がある」と強調。さらに国民の意識を最も適切に判断できるのは国会であり「法整備の具体的時期については国会の判断にゆだねるべきである」とした。
また、報告書は、成人年齢の18歳引き下げに伴い、民法で定められた結婚ができる年齢(男性18歳、女性16歳)について、男女とも18歳にするよう求めた。
民法の成人年齢が下がることで、「未成年者」の馬券購入の禁止を定めた競馬法のように年齢条項について「成年」「未成年」と表記している法律は、対象年齢が20歳から18歳に下がる。一方で、未成年者喫煙禁止法のように、喫煙を禁じる年齢を具体的に「満20歳未満」と表記している場合は、民法が改正されても同禁止法を改正しなければ、18、19歳は喫煙ができない。
最終報告は9月の法制審総会で法相に答申される予定だ。2007年5月に成立した憲法改正のための国民投票法は、投票年齢を「原則18歳以上」とし、選挙年齢と成人年齢の引き下げを検討するよう求めている。これを受け、法制審が08年3月から検討を重ねてきた。
成人年齢:「18歳に」 実施時期は国会判断…法制審部会
(毎日新聞7月29日)
成人の年齢を20歳から引き下げる民法改正の是非を検討してきた法制審議会の民法成年年齢部会は29日、18歳に引き下げるのが適当とする最終報告書を取りまとめた。公職選挙法改正により選挙年齢も引き下げて成人年齢と一致させるのが望ましいとし、拡大の懸念がある消費者被害の対策充実など一定の環境整備も必要と指摘した。その上で、法改正の時期は「国会の判断に委ねるべきだ」として明示を避けた。
民法が改正されれば、公選法や少年法など条文で年齢要件を定めた191の法律に影響が及び、「大人」の定義を巡り、国民生活が大きく変わる可能性がある。
報告書は、成人年齢の引き下げを「社会への参加時期を早め、若者の大人としての自覚を高めることにつながる」と指摘。自らの判断で金銭を使うことが法律上可能となるなどの点で有意義とした。公選法が改正され、選挙年齢が18歳に引き下げられる場合、政治面だけでなく、経済活動でも大人として処遇することで、若者や社会に大きな活力をもたらすと期待感を示した。
一方、引き下げで、クレジットカードによる高額契約やマルチ商法などの消費者被害の拡大や、自立困難な若者の困窮化などの恐れもあるとして、自立を促す施策の実現が必要と判断した。消費者庁の設置や、消費者教育を盛り込んだ学習指導要領の改定、ニート・引きこもり支援策を柱とする子ども・若者育成支援推進法の今月の成立などを挙げ、こうした施策が国民に浸透した段階で民法改正が行われるべきだと提言。さらに最終的には「国民の意識を適切に判断できるのは国会」とまとめた。
また、男子18歳、女子16歳と定められている婚姻年齢は「男女とも18歳とすべきだ」とした。養子をとれる年齢は20歳の現状維持とした。
07年に成立した国民投票法は、投票年齢を原則18歳以上と定めている。併せて付則で民法と公選法の年齢条文引き下げを10年の施行までに検討すると規定し、法制上の措置が講じられるまでは投票年齢を20歳以上とした。このため、法制審が08年2月に諮問を受けた。最終報告書は9月の法制審総会で議論する。【石川淳一】
◇法制審部会最終報告書の骨子
▽民法の成人年齢を18歳に引き下げるのが適当
▽教育や消費者保護施策の充実など一定の環境整備が必要
▽法整備の具体的時期は国会の判断に委ねるべきだ
成人年齢 民法は成人を20歳と定めている。未成年者は、クレジットや高額売買などの契約行為は法定代理人の同意が必要と定めるほか、父母の親権に服する親権規定もある。
【ことば】成人年齢
民法の規定では20歳。未成年者は父母の親権に服する親権規定がある。また、クレジット契約などで親の同意がなければ無効だが、成人年齢が18歳になると消費者被害の拡大が懸念されている。
成人年齢を20歳→18歳に 法制審部会が最終報告
(産経新聞7月29日)
民法で「20歳」と定める成人年齢の引き下げを検討していた法制審議会の「民法成年年齢部会」が29日、「成年年齢を18歳に引き下げるのが適当」とする最終報告書をまとめた。消費者被害増大に備えた環境整備など条件も多く、時期決定も国会に委ねたが、世界標準にも並ぶ「18歳成人」への第一歩を踏み出した。
報告書では、成人年齢を引き下げた場合の意義として、社会への参加時期を早めることで「大人」の自覚を高める▽(親権者の同意なくできる)契約年齢も下がり、自ら働いて得た金銭などを自分の判断で使える-などと指摘。「若年者を将来の国づくりの中心としていくという、国としての強い決意を示す」ほか、選挙年齢が引き下げられ、成人年齢も一致させることで政治に参加しているという意識を責任感をもって実感できる、ともしている。
また、諮問のきっかけとなった国民投票法の投票年齢(18歳)に合わせ、ともに引き下げの検討が求められた選挙年齢との関係では「一致していることが望ましい」と判断。選挙年齢の18歳引き下げを踏まえ「民法の成年年齢を18歳に引き下げるのが適当」とした。
一方で引き下げにより、悪質な業者からの勧誘、よくわからないまま高額取引を行ってしまう若年者の消費者トラブルの被害拡大、ニートやひきこもりなど経済的自立や社会的適応ができない18、19歳の困窮の増大なども懸念。引き下げには消費者保護・教育、自立のための施策充実といった「一定の環境整備」の必要性を強調した。
そのうえで、今秋の消費者庁発足や、平成23年度以降順次実施され、消費者教育や法教育、金融経済教育を充実させる学習指導要領改訂、若年者の自立を支援する子ども・若者育成支援推進法と、すでにはじまっている関係府省庁の取り組みも考慮。それらの効果が十分に発揮され、「それが国民の意識として現れた段階で、速やかに民法の法整備を行う」、また、具体的時期については、「国民の意識を最も適切に判断できるのは国民の代表者からなる国会で、国会の判断にゆだねるべき」とした。
報告書では、成人年齢の引き下げに伴い、成人に達するのは18歳の誕生日▽養子をとることができる年齢は従来通り20歳▽現行男子18歳、女子16歳の婚姻年齢は男女とも18歳に-なども盛り込まれた。
成人「18歳適当」、法制審部会が最終報告 選挙年齢下げ前提に
(日本経済新聞7月29日)
法制審議会(法相の諮問機関)の民法成年年齢部会は29日、選挙権を得る年齢を18歳に引き下げることを前提に、民法で定める成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げるのが適当とする最終報告をまとめた。ただ、実現には「消費者保護政策の充実など、一定の環境整備が必要」と指摘。具体的な民法改正の時期は「国会の判断に委ねるべきだ」との考えを示した。
最終報告は養子をとることができる年齢については現状のまま20歳とする一方、結婚できる年齢は男女とも18歳(現行は男性18歳、女性16歳)とすべきだとした。
法制審は改憲手続きを定めた国民投票法が原則18歳以上を投票年齢としたことを受けて成人年齢の見直しを議論してきた。同法は付則で、2010年5月の施行までに、成人年齢や選挙権を得る年齢の引き下げなどを検討するよう求めていた。法制審は近く最終報告を正式決定し、森英介法相に答申する予定。
法制審部会、18歳成人容認 選挙権年齢下げ前提、時期ふれず
(共同通信7月29日)
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正を検討している政府の法制審議会(法相の諮問機関)部会は29日、選挙権年齢の18歳引き下げを前提に「民法の成人年齢を18歳に引き下げるのが適当」とする最終報告をまとめた。法制審は9月の総会で承認されれば法相に答申する。国民投票法で2010年の施行までに検討するとされている成人年齢引き下げは、一歩前進となった。
ただ法改正の時期については、親の同意なしに契約できるようになる18、19歳の若者の悪徳商法被害を防ぐため、消費者教育の充実や消費者庁設置などの施策が浸透した段階がふさわしいとの理由で「国会の判断に委ねる」として明記しなかった。
また成人年齢を引き下げた場合、現状では男子18歳、女子16歳となっている婚姻年齢を、男女ともに18歳とすべきだとした。
最終報告は18歳成人について「若者を将来の国づくりの中心としていくという強い決意を示すことにつながる」と指摘。18、19歳が「社会・経済的に独立した主体として位置付けられる」と意義を強調した。
一方で親権の対象となる年齢が引き下げられるため(1)18歳に達した高校3年生への親を介した生活指導が困難になる(2)親の保護を受けにくくなり自立できない若者が困窮化する―などの恐れがあると指摘。生徒指導のルール作りや、ニートや引きこもりの若者への支援策充実を求めた。
最終報告が成人年齢引き下げの前提としている選挙権年齢引き下げは、総務省選挙部が「公選法改正の内部的な準備はしている」と説明しているが、具体的な日程は不透明だ。
成人年齢、18歳に引き下げ=実施時期「国会の判断」-自立促す・法制審部会
(時事通信7月29日)
法制審議会(法相の諮問機関)の民法成年年齢部会は29日、現在20歳と定めている民法の成人年齢について、公職選挙法に基づく選挙権年齢が18歳に変更されることを前提に、「18歳に引き下げるのが適当」とする最終報告書をまとめた。引き下げ時期は、若者に自立を促す施策などの効果や国民意識の動向を踏まえ、「国会の判断に委ねるのが相当」と結論付けた。男は18歳、女は16歳となっている結婚年齢にも言及し、男女とも18歳とするよう求めた。9月の法制審総会に報告される。
成人年齢が引き下げられれば、親の許可がなくても契約行為ができる年齢も下がるなど、国民の社会生活に及ぼす影響は大きい。今後は、法制化の時期に焦点が移るが、引き下げには反対論も根強く、実際にいつ実現するかは不透明だ。
●世代別選挙区を特区提案
-構造改革特区第15次提案-
従来の「地方選挙権・被選挙権年齢を地方で決める特区」に加え、年齢別ではなく世代別の選挙区を設置できる「世代別選挙区を地方で決める特区」を提案しました。
●高橋亮平副代表理事が駒沢大学の学生から取材
高橋亮平副代表理事が6月12日に駒沢大学高ゼミの学生から取材を受けました。内容はゼミの研究で、ニュース番組Young Man TV「日本の成人年齢引き下げについて」として、ウェブに掲載されました。
●法制審部会が18歳成人の方向で最終報告案
「18歳成人」最終報告案、結論見通せず 法制審部会
(朝日新聞5月20日)
民法上の成人年齢(20歳)を18歳に引き下げるべきか検討している法制審議会(法相の諮問機関)の民法成年年齢部会は19日、初めて最終報告書の内容を議論した。しかし、引き下げの是非など結論自体の方向性が定まらず、改めて意見を整理し直すことになった。一本化には、なお曲折がありそうだ。
この日の審議には、事務局の法務省民事局がこれまでの議論をもとにまとめた1次案が示された。引き下げの意義や問題点など結論の前提となる各論点に対する認識は列挙されたが、結論にあたる引き下げの是非や引き下げる場合の時期は「保留」として記載がなかった。
総務省が選挙年齢の引き下げも想定しているため「選挙年齢が18歳に引き下げられるなら、特段の弊害がない限り、民法の成人年齢も18歳に引き下げることが適当」との記述はあったが、「民法の議論なのに唐突感がある」と異論が出て、見直されることになった。
部会の審議は、憲法改正の投票年齢を「18歳以上」と定め、来年5月までに「必要な法制上の措置を講ずる」とする国民投票法の成立を受けて始まった。世論の反対も根強く、昨年12月の中間報告では賛否両論を併記。早ければこの春には最終報告がまとまるという見通しもあったが、部会の日程は7月まで入っており、「そこでまとまるかも分からない」(民事局)という状況だ。(延与光貞)
成人年齢:「18歳成人」案提示 法制審、今夏までに結論
(毎日新聞5月20日)
「成人」の年齢を20歳から引き下げる民法改正の是非を検討してきた法制審議会(法相の諮問機関)部会の会合が19日開かれ、法務省が引き下げのたたき台案を提示した。選挙年齢との関係を巡って「選挙年齢が18歳に引き下げられた場合は民法も引き下げが適当」としたが、委員からの反論もあり、結論は出なかった。
たたき台案は、07年に成立した国民投票法が投票権を原則18歳以上と定め、民法などの年齢条文引き下げも10年の施行までに検討すると規定した背景を指摘。選挙年齢との関係上、引き下げが適当とし、若者の自立にもつながるとした。
一方で、契約上のトラブルや消費者教育の必要性など、引き下げた場合の問題点や克服すべき課題も列挙している。法制審は今夏までに結論をまとめる方向。【石川淳一】
民法の成人年齢引き下げ、最終報告書先送り…法制審部会
(読売新聞5月20日)
法制審議会(法相の諮問機関)の「民法成年年齢部会」は19日、国政選挙に投票できる選挙年齢が18歳に下がることを前提に「民法の成人年齢(20歳)を引き下げることが適当だ」とする最終報告書の原案を議論した。
しかし、委員から慎重論が出たため、6月に予定していた最終報告書の作成を7月に先送りすることを決めた。
最終報告書原案は「選挙年齢と民法の成人年齢は一致していることが望ましい」と明記したが、この点には委員からも肯定的な意見が出た。しかし、「選挙年齢が18歳に下がれば、特段の弊害がない限り、民法の成人年齢も18歳に引き下げることが適当だ」との記述に対し、「唐突感がある」などの慎重論が出た。
法制審部会18歳成人が「適当」 選挙年齢引き下げ条件
(共同通信5月19日)
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正を検討している政府の法制審議会(法相の諮問機関)の部会は19日、「選挙権が18歳に引き下げられた場合は、特段の弊害がない限り、民法の成人年齢も18歳に引き下げるのが適当」とする、最終報告の原案をまとめた。
部会は7月に最終報告を作成し、今秋に法制審が法相に答申する予定。引き下げについて賛否両論を併記した昨年12月の中間報告に比べ、引き下げ容認の方向性が打ち出されたことで、2010年の国民投票法施行までに検討することになっている成人年齢引き下げが実現する可能性が出てきた。
原案は、民法の成人年齢の18歳への引き下げに関し「若年者を国づくりの中心としていく国の強い決意を示し、若年者の自立を援助する施策の推進力となることが期待される」と意義を強調。18、19歳の若者が親の同意がなくても契約ができるようになるなどのメリットを指摘した。
その一方で、引き下げで若者の悪徳商法被害が拡大する恐れがあるなどの問題点も明記され、「消費者教育の充実」の必要性などが強調されている。
引き下げる時期については盛り込まれず、6月の次回に先送りとなった。
ただ、この日の部会では「選挙年齢の観点だけで引き下げを論じるのは問題だ」などと慎重論も出ており、最終報告のとりまとめは曲折も予想される。
「成人年齢18歳」を再検討 選挙年齢と連動の事務局案に異論
(日本経済新聞5月19日)
法制審議会(法相の諮問機関)は19日の民法成年年齢部会で、民法上の成人年齢引き下げに関する報告の事務局案を提示した。事務局案は公選法上の投票年齢の引き下げを条件に、民法上の成人年齢も18歳に引き下げることを求めたが、委員から異論が出て再度検討することになった。
成人年齢を巡っては、「原則18歳以上」を参加資格とした国民投票法が、2010年5月の施行までに「成年年齢を定める民法などの法令について検討し、必要な法制上の措置を講ずる」と付則で求めている。
事務局案は「選挙年齢が18歳に引き下げられるとすれば、特段の弊害がない限り、民法の成年年齢も18歳に引き下げることが適当だ」と明記。委員からは「選挙年齢の引き下げだけを理由に成年年齢を下げるのはおかしい」といった異論が出た。法制審は今秋に法相に答申する予定だ。法務省は10年の通常国会への民法改正案提出を目指す。
「民法の成人も18歳が適当」、法制審部会が最終報告案
(読売新聞5月19日)
法制審議会(法相の諮問機関)の「民法成年年齢部会」は18日、民法の成人年齢(20歳)を18歳に引き下げることが適当だとする最終報告書の原案をまとめた。
国政選挙に投票できる選挙年齢が18歳に引き下げられることを前提とし、引き下げの時期は明記していない。部会は6月に最終報告書を作成し、今秋に法制審が法相に答申する予定だ。法務省は、早ければ来年の通常国会に民法改正案を提出することになる。
同部会は、憲法改正のための国民投票の投票年齢を原則18歳以上と定める国民投票法が2007年5月に成立したのを受けて検討を始めた。10年の同法施行に伴って選挙年齢の引き下げも検討されており、原案ではこれに合わせ、「特段の弊害がない限り、民法の成人年齢も18歳に引き下げることが適当だ」と明記した。
理由としては、成人年齢のデータがある187か国・地域のうち134が成人年齢と選挙年齢を一致させており、それによって法体系が統一されることを挙げた。成人年齢を引き下げる利点については、「若年者を国づくりの中心にする、国としての強い決意を示すことにつながる。若年者の自立を援助する施策を推進する原動力となることが期待できる」とした。
昨年12月の中間報告は、成人年齢を引き下げれば、18歳で親の同意なく1人で契約できるようになることで、若者の消費者被害が拡大する恐れが指摘されたため、引き下げの是非は賛否両論を併記した。今回の原案にも、若者が悪質業者に高額な契約をさせられたり、マルチ商法被害が高校で広まったりする例を挙げる形でこうした懸念を盛り込んだが、全体としては、引き下げの必要性を中間報告より強調する内容とした。同部会は19日から原案を基に議論を始める予定だ。
●法制審中間報告書にパブリック・コメント
法制審議会民法成年年齢部会がまとめた中間報告書に対するパブリック・コメントを1月30日(金)に送付しました。部会はさらに議論をつづける予定です。
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●<潮流>「18歳は大人か」を考える
共同通信-下野新聞(2009年1月4日)・岩手日報(2009年1月6日夕刊)
十八歳は大人か子どもか-。政府が決めた二兆円の「定額給付金」であらためて考えさせられた。支給額を加算する対象が、当初の「十五歳以下」から「十八歳以下」に引き下げられたからだ。
政府は今、十八歳を成人と認めるかどうかを検討している。二〇〇七年に成立した国民投票法は投票権を「十八歳以上」に与えると同時に、一〇年の施行までに、今は二十歳以上の投票権や民法の成人年齢を見直すよう求めているためだ。
だが給付金は大した議論もなく十八歳を対象とすることが決まり、麻生太郎首相の説明は「子どもに加算する」だった。
政府の見直し論議は難航しているようだ。民法を検討している法相の諮問機関・法制審議会が中間報告を公表したが、意見が割れて賛否両論を併記した。「若者の自立を促す」という賛成意見に対し、「契約の年齢が下がると悪徳商法ターゲットになる」などの反対意見が紹介されている。
だが世界の九割近い国・地域が十八歳投票権を認めている。米大統領選でオバマ氏圧勝を支えたのも十八歳からの若者だった。
少子高齢化が進み、社会保障費の負担や財政赤字のつけを若い世代に回すのかが大きな政治課題になっている。
投票年齢引き下げに取り組んできた特定非営利活動法人(NPO法人)の「Rights(ライツ)」は、最近出版した「18歳が政治を変える!」(現代人文社)で「若者を意思決定の場に入れて、世代が連携できる社会をつくることが大きな課題だ」と訴えている。その通りだろう。
ライツは二〇〇〇年に大学生らが中心に結成したNPO法人だ。若者たちのこんな活動が大人の政治家の念頭にあれば、定額給付金でも少しは議論になったかもしれない。
●18歳成人について両論併記
-法制審議会民法成年年齢部会中間報告-
法制審議会民法成年年齢部会(鎌田薫部会長)は12月16日(火)に中間報告をまとめました。12月17日(水)~1月30日(金)でパブリック・コメント(中間報告ダウンロード可)を受け付け、2月25日(水)に次回会合を予定しています。
部会は専門家からのヒアリング、高校生、大学生との意見交換、内閣府の世論調査から、中間報告では利点とともに契約年齢は消費者被害が拡大する、親権に服する年齢はニートやフリーターなど自立が困難な若者がさらに困窮するなどの懸念を挙げています。そして成年年齢引き下げの如何を問わず、こうした懸念を解消するための施策・教育の充実を政府に強く要望しています。
注目の国民投票年齢・選挙年齢との関係では、憲法15条3項が未成年者の選挙権を禁じておらず、国民投票法制定における民法と参政権の判断能力は一致すべきとの国会答弁についても、成年後見の被保佐人・被補助人への選挙権付与を挙げて、民法の行為能力制限者への選挙権付与を禁じてはいないとの立場から「民法の成年年齢とは必ずしも一致する必要がない」との意見で一致しました。
成人は18歳?20歳?法制審部会、結論出ず
(朝日新聞2008年12月16日)
民法上の成人年齢(20歳)を18歳に引き下げるべきかどうかを検討している法制審議会(法相の諮問機関)の民法成年年齢部会(部会長=鎌田薫・早稲田大教授)は16日、中間報告をまとめた。憲法改正の投票年齢を「18歳以上」とする国民投票法の成立を受けて始まった審議だが、引き下げの是非についての意見は割れたままで、賛否両論を併記する異例の報告となった。
国民投票法は施行される10年5月までに「必要な措置を講ずる」として引き下げへの対応を促している。部会は、来年1月末まで消費者団体や教育関係団体のほか、一般からも意見を聞いた上で審議を再開し、早ければ来年春ごろには最終報告がまとまる見通し。ただ、反対の世論も根強いことから、引き下げへの明確な結論を出せるのかが不透明になってきた。
引き下げられると、18歳で親の同意なく契約を結んだり結婚したりできるようになる。
中間報告によると、若者の社会参加が進んで自立が促進されるという賛成意見の一方、慎重論も多く出された。消極的な意見の理由として、マルチ商法など悪質業者による消費者被害が10代の若者にも広がる▽親の保護もなくなるため、ニートやフリーター、ひきこもりなど自立できない若者がさらに困窮しかねない――といった懸念が示された。
引き下げる年齢については(1)満18歳(2)高校進学者が多いことを考慮して満18歳に達して卒業する3月(3)19歳、との三つの意見が出ている。部会内では「選挙年齢と成人年齢は必ずしも一致する必要はない」という考え方は共有されており、二つを区別する可能性も議論されている。
この問題は今年2月、当時の鳩山法相が方向性を決めない形で、法制審に「引き下げの是非」を検討するよう諮問していた。(延与光貞)
成人「20歳→18歳」結論見送り…法制審中間報告
(読売新聞2008年12月17日)
民法の成人年齢を引き下げることの是非について検討している「法制審議会」(法相の諮問機関)の「民法成年年齢部会」は16日、中間報告書を取りまとめた。現行の20歳から18歳への引き下げに関し、方向性は示さず賛否両論を併記した。
同部会は来年1月まで一般から意見を募り、来年中に最終報告書を作成する方針だ。
引き下げ推進論の中心は、若者の社会参加と自立を促すべきだとするもの。一方、慎重論では、若者の消費者被害が拡大する恐れがあるとの意見が多かった。
引き下げの時期については、〈1〉まず民法を改正し、施行まで2~10年程度の猶予期間を設定して、その間に消費者保護などの施策を行う〈2〉施策が充実するまでは法改正を行わない――の二つの案に分かれた。
民法は未成年について、〈1〉契約などの法律行為をするには親などの法定代理人の同意を得なければならない〈2〉父母の親権に服する――などと規定している。中間報告書はそれぞれについて、成人年齢を引き下げた場合のメリットとデメリットを並べた。
〈1〉では、自分の判断でローンなどの契約を結べる一方、若者の消費者被害が拡大する恐れがあると指摘。消費者教育を受けるための環境も整っていないとした。〈2〉では、親から虐待を受けている若者が解放される利点がある反面、親の保護を受けにくくなり、ニートやフリーターなど自立が困難な若者がさらに困窮する恐れがあるとした。
引き下げる場合の年齢も、〈1〉18歳〈2〉18歳に達した直後の3月の一定日〈3〉19歳――とする案に三分された。
同部会が、現時点で成人年齢引き下げに踏み込まなかったのは、委員の間で「機が熟していない」との空気が支配的だったためとみられる。政府や民間の世論調査でも、成人年齢引き下げに反対が賛成を上回っている。5~6月に部会の委員たちが高校に赴いて開いた意見交換会でも、引き下げについて、高校生側から「18歳で急に大人だと言われても困る」などと、反対意見が多く出たという。
同部会は、投票年齢を「原則18歳以上」とする国民投票法が成立したことを受けて3月に審議を始めた。同法の付則は2010年の施行までに「公職選挙法、民法その他の法令について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と規定。関連法が改正されるまでは国民投票年齢を20歳以上にすると定めている。
法務省は最終報告書までに議論を集約したい意向だが、意見がまとまらない可能性は高い。
成年年齢 「18歳」へ議論を深めよう
(読売新聞社説2008年12月17日)
世界の多くの国が、民事上の成年年齢を、選挙権年齢に合わせて、18歳としている。他国の同じ世代と比べて、日本の若者だけが、とりわけ未熟というわけではあるまい。
成年年齢、選挙権年齢の20歳から18歳への引き下げに向け、政府は、関係法令の取り扱いや必要となる施策について、前向きに議論を進めてもらいたい。
民法が定める成年年齢を20歳から引き下げることの是非を検討している法制審議会の部会が、中間報告をまとめた。引き下げの是非などで委員の意見は分かれ、賛否両論を併記した。国民から意見を求めたうえで、さらに検討し、来春をめどに結論を出すという。
昨年成立した憲法改正のための国民投票法は、投票権を18歳以上に与えた。さらに付則で、2010年5月の法施行までに、選挙権年齢の引き下げのほか、民法など関係法令も検討し、「必要な法制上の措置を講じる」とした。
これに伴い、政府は、年齢条項のある191の法律、117の政省令の見直しを検討する。民法の成年年齢は、その主要な柱だ。
中間報告によると、成年年齢引き下げについては、「若者の社会参加や自立が促される」との賛成意見がある一方、「そうしたことが促されるとは限らない」「社会参加は選挙権年齢の引き下げで対処すればよい」などの反対論も出て、議論が収れんしなかった。
少子高齢化が進む中、若い世代に、人口減社会の担い手として参加意識を高めてもらうことは極めて大切だ。18、19歳でも親の同意なしに民法上の契約や結婚ができるようになれば、責任の厳しさを痛感し、「大人」としての自覚を持つようになるのではないか。
参政権としての判断能力を測る年齢と、民事上の責任能力を測る年齢とは、一致させるのが自然だ。米国の多くの州や欧州諸国、中国、ロシアなども、成年年齢、選挙権年齢は18歳だ。それが世界の大勢であり、国際標準である。
世論調査では、成年年齢の引き下げに反対が多い。慣れ親しんだ法制度を変えることへの不安があるのだろう。
これを解消するためにも、中間報告が求めた消費者被害の防止や若者の自立支援のための施策の充実に取り組む必要がある。
民法の成年年齢が下がったからといって、他法令の年齢条項がすべて自動的に下がるわけではない。飲酒・喫煙などは社会への影響を踏まえ、20歳に据え置くかどうかを個々に判断すればよい。
成人年齢:「成人18歳」は両論併記 自立促す/保護必要--法制審部会中間報告書
(毎日新聞 2008年12月17日)
「成人」の年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正の是非を検討してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会は16日、委員の賛否が分かれたとして是非を明示しない中間報告書を公表した。引き下げにより若者の自立や社会参加が進むとする肯定論と、政府の取り組みが不十分とする反対論が拮抗(きっこう)し「両論併記」となった。
賛成意見は、欧米諸国の多くが成人を18歳と定めている現状を踏まえ「若者の社会参加や自立を早期に促すべきだ」としている。一方の反対意見は「1人で契約できる年齢も下がり、若者の消費者被害が拡大する」「早くに親権から離れ、フリーターや引きこもりなど、経済的に自立していない若者が保護されなくなる」などだ。原則18歳以上を投票年齢と定めた国民投票法は、付則で民法などの年齢条文引き下げを10年の施行までに検討すると規定。部会はパブリックコメントを募集したうえで、来年1月以降に議論を再開する。【石川淳一】
法制審、18歳成人是非判断せず 部会が中間報告
(共同通信2008年12月16日)
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正を検討する法制審議会(法相の諮問機関)の部会は16日、意見が割れてまとまらなかったことから是非の判断を見送り、賛否両論を併記するにとどめた中間報告を公表した。
憲法改正手続きを定めた国民投票法は2010年の施行までに成人年齢を見直すことを明記。民主党は、両論併記の中間報告によりその検討作業が遅れるとして反発しており、その影響で、憲法改正について審議する国会の憲法審査会の始動がさらに遅れかねない。
中間報告は、成人年齢の引き下げについて、若者の自立を促すなどとして賛成する意見と、契約年齢が引き下げられ若者が悪徳業者のターゲットになる恐れがあるなどとして反対する考えがそれぞれ盛り込まれた。
民法の成人年齢見直しについては、国民投票法が原則18歳以上に投票権を与え、付則で10年5月の施行までに、民法の成人年齢や公選法の投票権などについて「必要な法制上の措置を講ずる」とした。これを受け、今年2月に当時の鳩山邦夫法相が法制審に検討を諮問していた。
18歳成人 判断見送り 法制審議会 両論併記の中間報告
(東京新聞2008年12月17日)
成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正を検討してきた法相諮問機関の法制審議会民法成年年齢部会は十六日、引き下げの是非について賛否両論を併記した中間報告を公表した。
憲法改正手続きを定めた国民投票法は二〇一〇年の施行までに成人年齢を見直すことを明記しており、民主党は、中間報告が両論併記となったことで検討作業が遅れるとして反発している。
中間報告は、成人年齢を引き下げた場合に契約や結婚、親権など、国民生活にどのような影響が出るかを賛否の立場から長所や短所を列挙。「若者の自立を促す」として賛成する意見や消費契約年齢が引き下げられると、若者が悪徳業者に狙われる恐れがあるとして反対する意見などが盛り込まれた。
民法の成人年齢見直しについては、国民投票法が原則十八歳以上に投票権を与えたことから、付則で一〇年五月の施行までに民法の成人年齢や公選法の投票権についても「必要な措置を講ずる」ことを求めた。これを受けて今年二月、当時の鳩山邦夫法相が法制審に検討を諮問。十一回の会合では高校、大学生らとも意見交換しながら論議してきた。
●日弁連が意見書を発表
日本弁護士連合会が10月21日(火)に「民法の成年年齢引下げの是非についての意見書」を発表しました。意見書では消費者被害の拡大などを理由に未成年への選挙権保障を許容したうえで成人年齢引き下げに慎重な対応を求めています。
●成年年齢引き下げ 民主が論点整理
(産経新聞2008年7月22日)
民主党政策調査会は22日、「成年年齢引き下げに関する論点整理」をまとめた。論点整理は、民法の成年年齢▽公職選挙法の選挙権年齢▽少年法の成人年齢について、現在の満20歳以上から満18歳以上へ引き下げる方針を改めて明記。「必ずしも18歳に引き下げるべきとは言えない」年齢条項として、たばこや飲酒、競馬、競輪、競艇、オートレースなどを挙げた。「18歳に引き下げることが相当」な年齢条項には、訴訟ができる年齢(民事訴訟法)▽免許の資格(医師法)などを挙げた。
●地方選挙権は地方で決める
-構造改革特区第13次提案-
昨春の国民投票法の成立によって2010年の18歳選挙権実現が正念場を迎えていますが、一方で2000年に成立した地方分権一括法で機関委任事務が廃止され、その後の三位一体改革などで地方分権に注目が集まっています。ところが従来の議論は国の執行権の移譲であり、その中でも財源移譲については十分ではなく、市町村合併などの自治体再編も国の求める移譲の受け皿づくりでしかありません。今後は地方のことは地方で決める地方主権の観点から、ルールや制度をつくる立法権限の移譲が分権改革の中心課題になると考えられます。
すでに私たちは2001年に、選挙権年齢の引き下げ等に関する法律案骨子で「都道府県・市区町村の選挙権・被選挙権年齢は、公職選挙法の年齢を下回る年齢を各自治体の条例で規定できる。(公職選挙法)」との主張をまとめました。ドイツでは5州で地方選挙権を16歳に規定するとともに、日本では市町村合併を背景に制定された未成年住民投票条例が144市町村に上っています。「民主主義の学校」である地方自治を若者が体験をつうじて学ぶ仕組みをつくることが期待されます。そこで民主主義の基盤である選挙(権)を焦点に、構造改革特区第13次提案に「地方選挙権・被選挙権年齢を地方で決める特区」を選挙権年齢と被選挙権年齢の2項目に分けて提案しました。
今後は超党派の地方議員連盟を設立して、(1)特区の一斉提案、(2)各自治体議会で特区提案や未成年から参加できる常設の住民投票条例制定などを求めて一斉質問、(3)公職選挙法改正を求める申し入れやイベントなどを呼びかけ、そのための(1)特区提案の方法・内容の情報提供、(2)未成年住民投票条例の制定状況・内容に関する情報提供、(3)各自治体議会の議事録や資料の情報提供を実施していく予定です。
●【報告】18歳選挙権は国会の意思との認識を示す
-総務省公開ヒアリング報告-
6月6日(金)に国会で総務省公開ヒアリングを行いました。これは18歳成人・選挙権に関する国会学習会の第1回として大河原雅子参院議員の協力のもとにRights(ライツ)が主催したもので、大河原議員のほか山内康一衆院議員(自民)、小宮山洋子衆院議員(民主)など国会議員4名や秘書、総務省から嶋一哉自治行政局選挙部選挙課課長補佐など、日本青年団協議会などNPO関係者のあわせて20名が出席しました。
総務省からは、国民投票法附則3条の規定によって、すでに少なくとも選挙権年齢引き下げの方向性が国権の最高機関たる国会の意思として法律に示されているため、その是非については議論する余地がないとの見解が表明されました。現時点では(選挙制度)審議会への諮問、研究会の設置および世論調査などは考えていません。そのうえで対応方針は来年春から夏を目途に、内閣官房の日程に間に合うよう検討されます。
その後の意見交換では、国民投票法を制定した国会の責任を果たすために、超党派議員による枠組みづくりや国会での議論の充実について積極的な意見がつづきました。あわせてNPO関係者からは政治教育の充実が急務との指摘を受けました。最後にRightsから国会で議論する環境を整備するために、第2回学習会は今秋の臨時国会会期中に社会学者を迎えて実施したいとの考えが示されて会を閉じました。
●【風見鶏】シルバー民主主義の重み
(日本経済新聞2008年6月1日)
七十五歳以上の後期高齢者医療制度(長寿医療制度)が政治問題になっている折でもあり、先ごろ閣議決定された「高齢社会白書」を読んでみた。
政府の各種白書は基礎的なデータを知るのに便利で、意外に面白いものもある。白書は世界のどの国も経験したことのない日本の高齢社会の姿を、こんな具合に説明している。
一、二〇〇五年に五人に一人だった六十五歳以上の高齢者は、五五年になると二・五人に一人となる
一、〇五年は現役世代三・三人で高齢者一人を支えたが、五五年には一・三人で高齢者一人を支える
一、〇五年に日本の高齢化率は二〇・一%に達し、イタリア(一九・七%)を抜いて世界最高となった
こうした現実を踏まえれば、政治家が高齢者の声に敏感に反応するのは当然だ。日本の政治は、高齢者の意見が反映されやすい「シルバー民主主義」の様相を一段と強めていくことになるだろう。
とりわけ大きいのが一九四七年から四九年に生まれた「団塊の世代」の存在だ。この世代が六十五歳に到達する二〇一二年から一四年にかけて、毎年約百万人ずつ高齢者が増える。
白書は団塊の世代が社会に与えた影響として高学歴化を挙げる。高校や大学への進学率は、この世代から目立って上昇した。それまでは五〇%程度だった高校進学率は、団塊の世代が高校生になった一九六二年には六四%に上昇した。
就業者に占める雇用者の比率は約七割で、日本社会にサラリーマンの姿を定着させた。団塊の世代が定年退職の年齢に差しかかり、これからは地域に拠点を移す人が増えていく。
シルバー民主主義に拍車をかける別の深刻な要因もある。それは若い世代の政治への無関心だ。
〇五年の郵政選挙の全体の投票率は六七・五一%で、前回比七・六五ポイントアップした。依然として低い水準だったが、二十―三十四歳の若い世代の投票率は軒並み一〇ポイント以上上昇した。
残念ながらこの傾向は一過性で終わってしまった。総務省がサンプル調査した〇七年参院選の年齢別投票率を見ると、若い世代の上昇率は他の世代とあまり差がない。
この参院選の全体の投票率は五八・六四%だった。二十―二十四歳の投票率は三二・八二%で、二十五―二十九歳でも三八・九三%にすぎない。投票率が高いのは前期高齢者の世代だ。六十五―六十九歳は七七・七二%、七十―七十四歳は七五・六一%である。五十五歳から七十九歳までの年代層ではいずれも七〇%を超えている。
総務省の人口推計(〇七年七月)を用いて、年齢別の投票者数を計算してみる。二十―二十四歳は約二百三十二万人だが、六十五―六十九歳は約六百二万人になる。最も投票者数が多いのは団塊の世代を含む五十五―五十九歳の約七百四十一万人で、二十―二十四歳の三・二倍に相当する。
こうした偏りを少しでも是正するために、一〇年の国民投票法の施行までに、選挙権年齢の十八歳への引き下げを必ず実現することが重要だ。国民投票法は本則で投票権を十八歳以上と定めたが、十八歳参政権の実現が前提条件となっている。若い世代の政治参加を拡大させるこの好機を逃してはならない。
若い世代にはぜひ投票に行ってもらいたいが、手をこまぬいているわけにはいかないだろう。選挙への関心を高める政治教育を充実させることは待ったなしだ。若い世代の声が政治に反映されないことは、社会全体の不利益である。
(編集委員 西田睦美)
●【時間変更】総務省公開ヒアリング(18歳成人・選挙権に関する国会学習会)ご案内
【日時】2008年6月6日(金)15:00~16:00
【場所】参議院議員会館第4会議室
【内容】
1.総務省の説明 嶋一哉さん(総務省自治行政局選挙部選挙課課長補佐)
2.質疑応答・意見交換
3.今後のすすめ方
国民投票法で具体的に例示された民法と公職選挙法のうち、民法は法制審議会民法成年年齢部会で3月から議論を重ねていますが、国民投票法と公職選挙法を所管する総務省の検討状況は十分明らかになっていません。
超党派の議員立法による選挙権年齢引き下げを求めてきた私たちは、与野党の合意が必要となる法改正には国会や政党での議論が不可欠と考えています。そこで国会議員をはじめNPO関係者による学習会を企画して、第1回として総務省を迎えたヒアリングを下記のように行います。お忙しいとは思いますが、趣旨をご理解のうえご出席くださるようお願い申し上げます。
<主催>特定非営利活動法人Rights(ライツ)
<協力>参議院議員大河原雅子事務所
※議員会館の入館に通行券が必要です。氏名(ふりがな)・所属・TEL・E-Mailをご記入のうえ、こちらからお申し込みください。6月5日(木)〆切です。
●18歳成人 社説も続々
【社説】実現させたい「18歳参政権」
(日本経済新聞2008年5月12日)
「年齢20歳をもって、成年とする」。1896年に制定したこの民法4条を改正しもっと年少で成人とするのが良いのか、それとも今のままが妥当か――について法制審議会が検討を進めている。
2010年5月に施行する国民投票法は、憲法改正の可否を決める投票に18歳以上の国民が参加できる旨、定めた。ただし条件があり「公職選挙法、民法などの法令改正を検討し、18歳以上の国民が国政選挙に参加することなどができるようになった後」としている。
09年をめどにまとめる法制審の結論が「成人年齢は20歳のまま」であれば、18、19歳の投票権は当面お預けになるのだ。
憲法改正の国民投票は、「新しい憲法の下に、年長者よりも長く置かれる若い人たちにこそ賛否表明の1票を与えるべきだ」との観点から、年齢を引き下げるのが理にかなう。
公選法の有権者年齢も、引き下げる意味が増している。政治的な価値観や政策選択を巡る利害が世代間で対立するのは避けられないものであり、少子高齢化が進むなかでは、有権者年齢を引き下げ若年層を“補強”するのが、世代間の公平を確保する一つの手立てになるからだ。
世界では、18歳から参政権を与える国が欧米を含め圧倒的に多い。有権者に求められる、物事を判断する能力を身につけるのに日本だけ年数がかかるわけはないので、世界の大勢にならって不都合はない。
民法、公選法以外の、未成年者の権利を制限したり特別に保護したりする法令は300本を超える。それらのほとんどは民法に合わせた成人規定になっており、民法4条が変われば、見直しを迫られる。
従って民法改正にあたっては、18、19歳の未成年者が各法令によって受けている権利制限や保護を取り払うべきかをも視野に入れて議論しなければならない。その際、基本的な考え方になるのは「選挙や憲法改正案に投票する参政権を与えるなら、成人としての義務・責任を負わせる」ということであろう。
とにかく110年余り続く「日本の常識」を変えるか否かの議論である。国民各層から幅広く意見を聞く必要があるのは言うまでもない。
【社説】18歳成人―前向きに論議しよう
(朝日新聞2008年3月23日)
【社説】成人年齢18歳 対象ごとに幅広い論議が要る
(毎日新聞2008年2月17日)
民法を改正して成年を18歳に引き下げるべきか、現行の20歳に据え置くべきか。鳩山邦夫法相が、社会通念を根底から問い直す一大テーマを法制審議会に諮問した。
昨年5月に成立した国民投票法が、18歳以上に投票権を与えたのがきっかけだ。いわば与野党の駆け引きから浮上した問題ではあるが、社会情勢が大きく変化する中で「おとな」の法的基準を考え直すことは、市民生活にとっても有意義だ。
満20歳を成年とする考え方は1876(明治9)年の太政官布告に由来し、1896(同29)年制定の民法に規定された。教育の普及、体位の向上などを背景に前々から「引き下げ論」が取りざたされていたが、一方で若者の精神的成熟度への懸念や就業率の低下傾向などを理由とする慎重論も幅を利かせている。平均寿命が延びたのに、保護すべき期間を短縮するのは不自然とする意見もある。
しかし、義務教育化している高校を多くの人が卒業する18歳は、画期と言っていい。成年を引き下げれば、若者に自覚を促し、行動に責任を持たせる教育的効果も期待できる。高齢化が進む折、若年層の社会への一層の貢献が望まれることも考慮すべきだ。世界各国を見回しても、「成年18歳」は潮流となっており、日本が20歳にとどめる合理的な理由も見いだしにくい。
とするならば、少なくとも投票権などの民主主義社会に参画する権利と義務に関しては、成年を18歳に引き下げることを妥当としても支障はあるまい。
だからといって、成年を一律にとらえて何もかも18歳に引き下げればよい、というものではない。飲酒、喫煙の解禁年齢の引き下げには、慎重で科学的な分析、検討が欠かせない。
結婚年齢についても、世論の合意が容易に形成されるとは考えにくい。18歳を成年にすると、男は成人するまで結婚できず、女は未成年でも結婚できる代わりに親の許可が必要な時期が残る。その男女差を平等原理の中でどのように位置づけるべきなのか。難問と言わざるを得ない。
成年を引き下げれば、308もの法令が見直しを迫られるという。各方面に及ぶ影響は計り知れない。民法が改正された場合は、各省庁が所管する法律を検討する手はずというが、百有余年の常識を変更しようとする試みだけに、国民的な議論が必要不可欠だ。
民法の見直し論議を法制審議会だけに任せることにも疑問がある。法務省などは世論調査や各方面の専門家らの意見聴取を通じ、社会の実勢と世論の動向の把握に努めなければならない。国家百年の大計となるだけに、幅広い議論が醸成されるのを待つべきは言うまでもなく、間違っても国民投票法の施行が迫ることを理由に結論を急いではならない。
【主張】18歳成人 もっと論点を洗い出そう
(産経新聞2008年2月15日)
法相の諮問機関である法制審議会に民法で定める成人年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる是非が諮問された。憲法改正手続きのための国民投票法が投票権は18歳以上と定めたことに伴う諮問である。
成人年齢の引き下げは社会通念を大きく変える。関係する法律、政令なども308本になる。それだけにこの問題には国民的な議論が欠かせない。
民法関係などは法制審で論議するが、それ以外は関係法を所管する各省庁がそれぞれ検討する方針という。これでは省庁ごとにばらばらの結論が出かねない。こうした方式で果たしてよいのかどうか。
成人年齢に関する省庁の横断組織を首相官邸につくり、引き下げでどんな得るものと失うものがあるのかを洗い出し、論議を深めることが肝要だ。
昨年5月に成立した国民投票法の18歳以上の規定は民主党が主張していたもので、20歳以上としていた自民党が成立のために歩み寄った経緯がある。政治的な妥協の産物であることは否めず、十分に議論を尽くしたとはとても言えない。
ただ、国民投票法も実際に「18歳成人」に改正されるまでは、投票年齢を20歳以上に据え置くとの経過措置を明記している。成人年齢の問題は国民投票法と切り離すことも可能である。
国民投票法の施行は平成22年5月だ。それまでに公職選挙法、民法などの規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずると付則で規定している。時間はそう残されていない。
大きな論点は成年とはいつからかだ。現行民法は「20歳をもって成年とする」としている。明治29年に制定されてから、112年もそのままだ。
海外では韓国、タイなどは成人年齢を20歳にしているが、英、仏、独、米の多くの州は18歳を成人年齢にしている。選挙権でも国会図書館によると、189カ国・地域のうち、166カ国・地域が18歳から認めている。
一方で20歳未満に喫煙・飲酒を禁じている未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法の取り扱いもある。少年法も少年を20歳未満としている。これらを民法の成人年齢と直接連動させるべきなのかどうか。権利には義務も伴う。成人論議をもっと広げたい。
【社説】成人年齢 民法も「18歳以上」が国際標準だ
(読売新聞2008年2月14日)
成年年齢を何歳とするかは、社会の変化と、あるべき姿を見据えて検討すべき課題だ。
鳩山法相が、「民法の定める成年年齢を引き下げるべきか否か」を法制審議会に諮問した。法制審は1年後をめどに答申する。
昨年5月に成立した国民投票法は、選挙権年齢を「満18年以上」とした。付則では、選挙権年齢、成年年齢をいずれも20歳以上と定めている公職選挙法や民法などの法令について、2010年5月の施行までの間に、「必要な法制上の措置を講ずる」としている。
これに伴い、政府は、年齢規定のある200近い法律を見直す。民法の年齢条項は、その主要な柱だ。
世界を見渡すと、米英独仏などの欧米諸国はじめ、ロシア、中国などの主要国も、成年年齢は、18歳以上だ。これが世界の大勢であり、国際標準でもある。投票年齢も成年年齢とほぼ連動し、18歳以上とする国が約160か国にも及ぶ。
国民投票法が投票年齢「満18年以上」に沿った関連法の整備を求めていることや、世界の大勢を見れば、成年年齢も投票年齢に合わせるのが、基本だろう。
選挙権年齢や成年年齢の18歳への引き下げには、社会的に「未熟な世代」だとして、疑問視する声もある。
諮問が、引き下げの方向を明示せず、「引き下げるべきか否か」と中立的な表現とし、論点に「若年者の精神的成熟度」を挙げたのも、こうした意見への配慮からだろう。だが、他国の同じ世代と比べ、日本の若者だけが、とりわけ未成熟というわけではあるまい。
18歳以上、20歳未満の世代は約260万人に上る。人口減社会の重要な構成メンバーだ。その世代に、「成年」として社会的責任を負ってもらうことが、「成熟」を促す面もあるのではないか。
現状では、未成年者の法律行為は、原則として法定代理人の同意が必要だ。だが、例えば、18、19歳でも、民法上の契約が可能になれば、若年世代の経済活動が広がる。責任も負うことになる。
民法の年齢条項の見直しは、少年法や刑法などの規定にもかかわる。国民の権利・義務、保護など、社会の基本ルールに大きな影響を及ぼすだろう。
こうした問題は、国会でも議論すべきだ。国民投票法が憲法改正の手続きを定める法律である以上、衆参両院の憲法審査会は、その重要な場の一つだ。
だが、衆参ねじれと与野党対立の下で、構成、運用を定める審査会規程すら作れず、いまだに始動していない。
日本社会のあり方にかかわる問題に、国会が無為であってはならない。
●【資料】未成年住民投票条例一覧表
未成年に投票権を保障した住民投票条例を制定した自治体は2006年2月現在で把握できただけで自治基本条例や住民参加条例を含めて144に上っています。投票権の基準が年齢から学年へと徐々に変化したことが特徴です。
ファイルをダウンロード ※使用する場合は引用を明記してください。
●自民・民主両党が18歳成人・選挙権の議論開始
「18歳成人」自民憲法審も議論開始
(朝日新聞2008年2月14日)
自民党の憲法審議会(中山太郎会長)は14日、公職選挙法の選挙権の年齢や民法の成人年齢を「18歳以上」まで引き下げることの是非について、検討を始めた。昨年5月に成立した国民投票法の投票年齢が「原則18歳以上」と定められたことに伴い、与党として環境整備を進める狙いがある。今後は週1回程度の会合を重ね、必要に応じて提言の取りまとめも検討している。
会合では衆院法制局から、世界で選挙制度がある189カ国のうち、約9割にあたる166カ国の選挙権年齢が「18歳以上」であることが報告され、出席議員から「日本も世界標準に合わせるべきだ」との声が出た。また、「早く国会に憲法審査会を立ち上げ、憲法改正の内容についても議論すべきだ」との意見も出された。
国民投票法は、同法が施行される2010年5月までに、年齢問題について「必要な法制上の措置を講ずる」と定めており、法相の諮問機関である法制審議会も検討を始めた。中山会長は記者団に「法制審の意見も参考にして我々も話を進めていく」と語った。
「18歳成人」議論に着手=国民投票法、2年後施行へ準備-自民憲法審
(時事通信2008年2月14日)
自民党の憲法審議会(中山太郎会長)は14日、党本部で総会を開き、民法の成人年齢や公職選挙法の選挙権年齢などの引き下げの議論に着手した。昨年5月に成立した国民投票法が投票年齢を原則18歳以上としたのを受けた対応。衆参両院に設置された憲法審査会が野党の反対で開催できない状況が続いているため、党内の議論を先行させることにした。
谷垣禎一政調会長はあいさつで「検討しなければならない法令は308本ある。審査会が一日も早く始動して再来年5月の(国民投票法の)施行までに準備が整うよう、多くの課題をこなさないといけない」と述べ、精力的な議論を求めた。これに対し、出席者からは「166カ国が成人も選挙権も18歳以上としており、世界の趨勢(すうせい)だ」と引き下げを支持する意見の一方、「相当な権利と義務が発生するから、18歳以下世代の教育が必要だ」と慎重な検討を求める声も出た。
民主党、選挙権年齢引き下げを検討
(産経新聞2008年2月15日)
民主党の政治改革推進本部は15日の役員会で、選挙権年齢の引き下げや選挙時のインターネット活用、戸別訪問の緩和などを検討する小委員会を設置することを決めた。小委員長には野田佳彦元国対委員長を充てる。
●「成年18歳」是非諮問 国民的議論欠かせず
(産経新聞2008年2月14日)
法制審議会に諮問された成人年齢引き下げの是非。民法で定められた「20歳」という成人年齢が引き下げられた場合、その影響は民法だけでなく、ほかの法律にも及ぶ可能性がある。このため、引き下げについては賛否が分かれており、議論が白熱しそうだ。(森本昌彦)
■発端
民法の成人年齢引き下げは、昨年5月の国民投票法の成立に基づいて、議論が始まった。国民投票法は投票権者を「日本国民で満18歳以上のもの」と規程した。
だが、今回の諮問には「若年者の精神的成熟度及び若年者の保護のあり方の観点から、民法の定める成人年齢を引き下げるべきか否か等についてご意見を承りたい」との内容で、国民投票法との言葉は登場しない。
背景には、民法で定めた成人年齢を引き下げることは各方面に大きな影響を与えるため、国民的な議論が必要との考えがある。
法務省幹部は「通常なら方向性を示して意見を聞くが、今回は色々な方面に影響が及ぶので、十分に審議してもらうため白紙の状態で諮問した」としており、法制審の結論はまったく予想できない状況だ。
■海外は
英、仏、独、米の多くの州などが18歳を成人年齢としており、欧米では18歳が主流だ。選挙権についても、国会図書館で調査した189カ国・地域のうち166カ国・地域が18歳から選挙権を認めている。
一方、明治29年に民法が制定されてから成人年齢は20歳のままの日本。実際に成人年齢が引き下げられた場合、どんな変化が出てくるのか。
民法が成人年齢引き下げの方向で改正されると、結婚などに影響が出る。現在は男性が18歳、女性は16歳から結婚ができるが、未成年のため親の同意が必要。成人年齢が18歳以上に引き下げられると、女性は親の同意さえあれば未成年でも結婚できるが、男性は成人になるまで結婚できなくなり、男女平等の観点から論争が起こる可能性もある。
養子縁組も現行は20歳からだが、これが引き下げられる。民法第5条で定められたローンなどの商取引ができる年齢も引き下がることになる。現行法では詐欺まがいの商法の被害に未成年が遭ったとしても、契約を取り消すことができる。年齢引き下げは、未熟な若年層の保護が薄くなる恐れもある。
■賛否両論
今回の諮問は、未成年の飲酒や喫煙、馬券購入などを禁止する法律にも影響する可能性があるため、賛否が分かれている。
早大大学院法務研究科の棚村政行教授(民法)は「成人年齢を18歳とするのは世界全体の流れ。日本だけが20歳にしておかなければいけない合理的な理由はない。法的に大人として扱うことで自覚を持たせる効果もあるのではないか」と指摘する。
一方で、精神科医の斎藤環さんは「成人式での騒動が毎年問題になるなど、本人も世間も20歳を成人として扱わない現実がある。法的な成人年齢という建前部分を下げることにどれだけの意味があるのか」と引き下げに反対の立場だ。
社会的にさまざまな意見があることを踏まえ、法制審で審議するメンバーも従来よりも幅広い層から選ぶ見込みで、議論は紆余(うよ)曲折が予想される。
●18歳成人を法制審議会に諮問
成人は18歳?20歳?民法改正議論スタート
(朝日新聞2008年2月13日)
成人年齢を18歳に引き下げるのか、それとも20歳のままにするのか――。鳩山法相は13日、法相の諮問機関・法制審議会に成人年齢の引き下げの是非について諮問した。憲法改正の手続きを定める国民投票法(昨年5月成立)で投票年齢が18歳以上とされたのに伴うもの。社会での「一人前」の基準を決める根本的な問題だけに賛否は分かれており、どのような結果が導かれるかは不透明だ。法務省は諮問と並行して、世論調査などで広く国民の意見を聴くことも検討している。
法制審はこれから賛成・反対の均衡に配慮しながら、学者に限らず、高校教師や企業経営者など20人前後を部会の委員に選ぶ予定。
法制審は3月にも議論を始め、1年がかりで答申をまとめる予定だという。引き下げの方向になっても、法務省が民法の改正案を国会に提出するのは09年秋以降になる見通しだ。
今回の諮問は一定の方向性を示さず、異例の「白紙」で行われたのが特徴。18歳以上を投票年齢に定めた国民投票法の付則は、2010年の施行時までに民法の成人年齢について「検討し、必要な法制上の措置を講ずる」と定める。成人年齢を18歳に引き下げるか、20歳のままにするか、それぞれの立場で解釈できる余地も残されている。
国民投票法は、与党が民主党など野党の反対を押し切って採決。この過程で「玉虫色」の付則が付けられた経緯がある。付則については、同じ与党の中でも「民法の成人年齢も一緒に引き下げるのが前提」という主張があるのに対し、「過度な自由が与えられ、伝統的な家族観が壊れかねない」などと引き下げに慎重な声も少なくない。一方の民主党は、成人年齢の18歳引き下げが国民投票をめぐる与党との再協議の前提だとの立場で、曲折が予想される。
成人年齢の引き下げが実現すれば、日常生活に幅広く影響を及ぼす。
例えば、未成年には親の許可のない契約なら取り消せるという「保護」がある。国民生活センターに寄せられた、未成年が行った取引の解約に関する相談は06年で3万7858件。成人年齢が引き下げられれば、18歳と19歳はこれまでの保護を受けられなくなる。
現在の民法では、親の許可があれば結婚できる最低年齢は「男性18歳、女性16歳」。成人年齢が引き下げられれば、女性だけに「結婚に親の許可が必要な時期」が残る。
また、政府の検討会によると少年の保護処分を定めた少年法、飲酒・喫煙を禁じる法律など年齢条項がある法令は308もある。民法改正に伴って他の法律も自動的に改正されるとは限らないが、連動する可能性がある法律も少なくない。
「成人18歳」の是非を諮問、結論は1年後の見通し
(読売新聞2008年2月13日)
民法が20歳と定めている成人年齢について、鳩山法相は13日午後、法制審議会(法相の諮問機関)に引き下げの是非について諮問した。
明治時代の民法制定以来、110年以上変わらなかった成人年齢の引き下げについて、本格的な議論を始めるものだ。結論は1年後に出る見通し。
諮問のきっかけとなったのは昨年5月に成立した憲法改正の手続きを定めた国民投票法だ。同法の付則が「2010年の施行までに公職選挙法、民法その他の法令について検討を加える」と規定したことを受け、政府は「年齢条項の見直しに関する検討委員会」を設置。昨年11月に計191本の関連法を関係省庁が検討する方針を決めた。
法制審は民法学者だけでなく、社会学者、大企業・中小企業経営者、消費者団体、家庭裁判所、高校教師などの代表から幅広く委員を選任。委員は他の法律への影響などは考慮せず、「若年者の精神的成熟度と若年者の保護のあり方」の観点から成人年齢を18歳に引き下げることの是非を主に議論する。総務省は「民法の成人年齢が引き下がらない場合、公職選挙法だけが引き下がると、整合性に問題が生じる」としており、各省庁は法制審の議論を見ながら、引き下げの是非を検討する。
成人年齢:18歳成人の是非を法制審に諮問…法相
(毎日新聞2008年2月13日)
鳩山邦夫法相は13日、「成人」の年齢20歳を引き下げる民法改正の是非について、法制審議会に諮問した。原則18歳以上を投票年齢と定めた国民投票法の付則で、民法などの年齢条文引き下げを2010年の施行までに検討すると規定しているため。しかし、法相は引き下げるべきかどうか方向性を示しておらず、異例の「白紙諮問」となった。
満20歳の成人年齢は1898年の民法施行以降、変わっていないが、仮に18歳に引き下げると民法上、ローンなどの契約や親の同意なく結婚できる年齢などに影響し、「成年」の文言が含まれる他の法律条文(約700)も自動的に18歳に下がることになる。一方、飲酒喫煙や少年法、公選法など「20歳」と表記している条文は自動的に下がらないが、法律見直しの論議に発展する可能性はあり、審議会での論議はさまざまな分野に影響しそうだ。【坂本高志】
「18歳成人」難題抱え諮問・法相、民法改正で法制審に
(日本経済新聞2008年2月13日)
鳩山邦夫法相は13日、法制審議会(法相の諮問機関)に、民法の成人年齢を20歳から18歳に引き下げる法改正の是非について諮問した。選挙権、商取引、結婚、飲酒・喫煙……。政治・経済から日常生活にまで影響を与える明治以来の社会通念の変更だけに、世論が割れる可能性もある。法制審は慎重に議論し、2009年をメドに結論を出す方針だ。
成人年齢引き下げの検討は、昨年成立した国民投票法(憲法改正手続き法)が原則18歳以上に投票権を付与したことに伴う措置。20歳以上を成人とした民法の規定は法制定から110年以上も変わっていない。公職選挙法や少年法、未成年者喫煙禁止法など、民法の影響を受ける法律も多く、法体系の抜本見直しにつながる案件だ。
民法では20歳以上の成人にローンなどの契約や養子縁組で親になる行為を認めている。未成年者は財産処分の際、親権者など「法定代理人」の同意がいるほか、男性18歳、女性16歳から可能となる結婚でも親の同意が必要。検討対象はかなり広い。
「18歳成年」を諮問へ民法改正是非で鳩山法相
(産経新聞2008年2月13日)
民法で定める成人年齢を20歳から引き下げる是非について、鳩山邦夫法相は13日午後、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する。約1年をかけて議論し、一定の方向性を打ち出す方針。成人年齢は民法で定めた結婚や取引行為のほか、飲酒や喫煙にも影響する可能性があるだけに、賛否をめぐり白熱した議論が展開されそうだ。
昨年5月に成立した憲法改正手続きのための国民投票法が、投票できる年齢を18歳からと定めたことに伴う諮問。同法の付則には、平成22年5月の施行日までに公職選挙法や民法などの規定について検討を加え、必要な措置を講ずるよう記載されている。
現行の民法では、「年齢20歳をもって、成年とする」と規定。成人年齢の引き下げの是非について法制審で検討が始まるのは、民法で定めた成人年齢が変わった場合、ほかの法律などに与える影響が大きいためだ。
国民投票法の成立を受けて、政府が設置した「年齢条項の見直しに関する検討委員会」が年齢条項がある法律、政令、府省例をリストアップしたところ、計308本が該当。その中には未成年の飲酒や喫煙を禁じた法律など、社会的な論議が巻き起こりそうなものも含まれ、各省庁は民法改正の行方を見守ったうえで、所管する法律などを検討するとみられる。
海外では、韓国、ニュージーランド、タイは成人年齢を20歳としているが、英国、仏、独、米の多くの州は18歳を成人年齢としている。
「18歳で成人」法制審に諮問=是非問う異例の形に
(時事通信2008年2月13日)
鳩山邦夫法相は13日、法制審議会(法相の諮問機関)総会で、民法の成人年齢を20歳から欧米並みの18歳に引き下げることの是非について諮問した。昨年5月に成立した国民投票法で、投票年齢が原則18歳以上と規定されたのを受けた措置。ただ、世論が二分される可能性があるため、方向性を示さない形の異例の諮問となった。法制審は約1年かけて結論を出す。
法務省は審議の参考として、内閣府を通じて世論調査を行うことを検討している。法制審の審議によっては、成人年齢が20歳のままとなる可能性もある。
国民投票法は付則で、2010年の施行までに、公職選挙法や民法など関連法の整備を行うよう求める一方、それまでは投票年齢は20歳以上としている。政府は関連法案の提出時期について、09年秋の臨時国会か10年の通常国会を念頭に検討する。
●18歳成人をめぐる動向
成人年齢引き下げ具体的議論へ
(NHKニュース2008年2月4日)
自民党の憲法審議会は、憲法改正の手続きを定める国民投票法の付則で、成人年齢などを18歳に引き下げるよう法整備を図るとしているのを受けて、こうした引き下げをした場合に、関連する法令をどれだけ見直すのかなどについて、具体的な議論を始めることになりました。
憲法改正の手続きを定める国民投票法では、投票できる年齢を原則として18歳以上としており、これにあわせて法律の付則で、民法や公職選挙法を改正して、成人年齢や選挙権を与える年齢なども18歳に引き下げるよう法整備を図ることが盛り込まれています。これについて自民党の憲法審議会は、衆参両院への設置が国民投票法で定められている憲法審査会が野党側の反対で発足できないなか、党独自に検討する必要があるとして、今週にも会合を開いて具体的な議論を始めることになりました。この中では、成人年齢などを20歳から18歳に引き下げた場合に、関連する300余りの法令のうち実際にどれだけを見直すのかや、見直し作業の進め方などを検討することにしています。
「18歳で成人」の是非検討、鳩山法相が法制審に諮問へ
(日本経済新聞2008年2月5日)
鳩山邦夫法相は、民法で「20歳以上」となっている成人年齢を「18歳以上」に引き下げるべきかどうかの検討を13日の法制審議会に諮問する方針だ。2009年をめどに結論を出す。結婚、飲酒・喫煙など社会生活のみならず、さまざまな商取引のあり方にも影響する問題だけに賛否が分かれている。
昨年5月に成立した国民投票法(憲法改正手続き法)が投票年齢を「原則18歳以上」と規定。付則で公職選挙法や民法などについて「(2010年5月の法施行までに)検討を加え、必要な措置を講じる」と明記していた。
「18歳は、まだ未熟」?揺れる「成人」引き下げ
(朝日新聞2008年2月7日)
18歳以上に国民投票法の投票権が与えられるのに連動して、成人の年齢も18歳に引き下げる当初の想定が揺れている。鳩山法相は13日の法制審議会に、民法改正の是非を諮問する予定だが、法務省は一定の方向性を示さず「白紙」で臨む。「18歳は、まだ未熟だ」として成人年齢の引き下げを疑問視する声が背景にあり、法制審に中立的に諮問するのは異例だ。大人は「18歳」になるのか、それとも「20歳」のままか。議論が本格化する。
成人年齢を18歳に引き下げる議論のきっかけは、議員立法で昨年成立した国民投票法だ。付則で、投票年齢にあわせて3年をめどに公職選挙法、民法などの関連法について「検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と明記された。
07年4月の衆院特別委員会でも、与党提案者の保岡興治・元法相は「民法上の判断能力と参政権の判断能力とは一であるべきだという前提。成人年齢と選挙年齢を合わせることでこそ、国民にしっかりと受け止められる」と述べた。
「契約や結婚などで責任を持たせれば、若者の独立心を高められる」「経済活動も活発になる」。引き下げを求める意見は以前からあり、欧米など世界の成人年齢の潮流も18歳だ。
一方で引き下げに対し、与党内でも異論が少なくない。「親の同意なく財産を取得する権利」「親の同意なく結婚する権利」など民法の規定について、引き下げによって問題が生じるという意見もある。
こうした事情を背景に、法制審は政府の方向性を示した上での諮問が通例だが、「引き下げの可否を問う」とする中立的な立場で審議することになり、成人年齢が20歳から変わらない可能性も出てきた。
ある法務省幹部は「国民投票の時点では一種のブームで引き下げが叫ばれたが、『若者の成熟度が昔より増したわけでもない』との疑問が出てきたのだろう」とみる。
一方で、議論が多岐にわたるため、法務省は、通常は学識者が中心になる法制審の委員に高校教師や企業経営者など幅広い人材を選び、消費者団体からも話を聞く方針だ。審議の行方は、飲酒・喫煙を禁じる法律など多くの法律に影響するだけに、様々な議論が予想される。
●成人年齢18歳が38%、20歳が30%-Yahoo!意識調査-
1月23日~2月1日に実施した成人年齢についてのYahoo!意識調査で、18歳成人が38%と最多を占めました。
18歳の理由は国際的な基準や高校卒業などです。低年齢の理由には犯罪の低年齢化や義務教育を基準とするなど、高年齢の理由には精神年齢の低さが挙げられています。
●関西学院大学AO入試に小林理事インタビュー新聞記事が出題
2008年度の関西学院大学商学部AO入試の素材として、小林庸平理事の毎日新聞インタビュー記事が使用されました。選挙権・成人年齢引き下げについて賛否を要約して自らの意見を述べる問題だったようです。受験生は未成年が多いので、どんな答案が集まったか興味深いです。
●成人年齢:18歳から?民法改正、法制審に来月諮問--1年かけて議論
(毎日新聞2008年1月23日)
◇契約、結婚、飲酒…影響大きく
「成人」の年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正の是非について、法務省は2月に法制審議会へ諮問する方針を固めた。07年の通常国会で成立した、憲法改正手続きのための国民投票法が投票権者を原則18歳としたことに伴うもので、約1年かけて議論し、結論を出す予定。改正されれば契約や結婚のほか、飲酒、喫煙など他官庁が所管するさまざまな分野に影響しそうだ。【坂本高志】
現在の民法は成人を満20歳と規定。そのうえで▽未成年者の契約(ローンなど)には親権者の同意が必要▽結婚の最低年齢は男18歳、女16歳で、未成年者の結婚には父母の同意が必要▽養子縁組で親になれるのは成人--などと定める。
仮に成人を18歳とした場合「取引できる年齢層が広がり、経済活動が促進する」との見方がある一方、若年者の保護に逆行する可能性を懸念する指摘もある。
また、「結婚に対する父母の同意が男だけが不要になる」ことも想定され、結婚最低年齢に男女差があること自体も議論になりそうだ。
このほか、20歳未満の飲酒や喫煙が法律で禁止されているのは民法を前提としている。20歳未満を少年とする少年法の見直し議論に発展する可能性もある。
関係者によると、今回の諮問は方向性を示さず、引き下げの是非は全く白紙という。同省幹部は「現代の18歳が大人と呼べるほど成熟しているか疑問もある。民法も少年法も、それぞれの法の役割を踏まえ、慎重に議論していく」と話している。
政府の「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副長官)が確認したところ、法律191本、政令40本、省令77本の計308本の法令が検討対象。この中でも影響が大きい民法と公選法を巡る議論の行方が注目される。
◇世界でも多数--棚村政行・早稲田大大学院法務研究科教授(民法)の話
成人を18歳とする国は世界の多数で、日本も合わせていいと思う。成熟度と言うが、30歳でも幼い人はいる。むしろ法的に大人と扱うことで責任を自覚させる効果もあるのではないか。
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◆各国の成人年齢◆(06年の国会図書館調査などから)
▽成人年齢を18歳とする主な国 フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ(多くの州)
▽同15歳 イラン
▽同20歳 タイ
▽同21歳 マレーシア
◇結婚最低年齢
イギリス=男女とも16歳▽ドイツ、フランス、アメリカ(大半の州)=男女とも18歳
●成人年齢引き下げ 2010年までに法案
<成人年齢>引き下げ、09年秋にも法案 国民投票法で政府
(毎日新聞2007年11月2日)
政府の「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副長官)は1日、首相官邸で第2回会合を開き、憲法改正手続きを定めた国民投票法が投票権者を18歳以上と規定したのに伴い、成人年齢を引き下げる民法改正案などの関連法案を09年秋の臨時国会か10年の通常国会に提出する方針を決めた。
会合では、法律191本、政令40本、府省令77本の計308本の法令が検討対象になることを確認。二橋副長官は「法制上の措置について各省で対応方針を決定できるよう、検討態勢を整えてほしい」と指示した。
10年5月に施行される国民投票法には、選挙権や成人などの年齢を18歳に引き下げるよう検討することが盛り込まれており、各府省の事務次官らを委員とする検討委が作業を進めている。【中田卓二】
成人年齢引き下げ、民法改正案など09年秋にも提案へ
(読売新聞2007年11月1日)
政府は1日、「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副長官)の第2回会合を首相官邸で開き、成人年齢を引き下げる民法改正案など関連法案を、2009年秋の臨時国会か、10年の通常国会に提出する方針を決めた。
憲法改正手続きを定めた国民投票法で投票権者が18歳以上とされたことに伴い、同検討委員会は、成人年齢引き下げに向けた法令改正を検討している。
会合では、関連法令として、法律191件、政令40件、省令77件の計308件で見直しが必要であることが報告された。今後は各省庁ごとに、有識者を交えた審議会や研究会などの検討態勢を整備する。
国民投票法は今年5月に成立し、10年に施行される。
●英与党が女子高生を総選挙に擁立
英・労働党、女子高生を擁立 次期総選挙で
(朝日新聞2007年9月27日)
英与党の労働党は、17歳の女子高校生を次の総選挙の候補者に決めた。英国は昨年、若者に政治への関心を持ってもらうため、立候補できる年齢を21歳から18歳に下げたばかり。英史上最年少の国会議員が誕生するのでは、と話題を呼んでいる。
候補となるのはエミリー・ベンさん。10月4日、18歳になる。今月24日の党大会で、党首のブラウン首相に「誕生日が来るまで選挙は待って」と話し、拍手喝采を浴びた。
ただし、彼女は大物政治家の家系で、祖父は約50年間、同党の国会議員だったトニー・ベン氏。叔父はヒラリー・ベン環境相。トニー氏の祖父、父ともに国会議員で、エミリーさんが当選すれば、これも英史上初の5世代にわたる国会議員になるという。エミリーさんは「家柄だけで選ばれたわけではない。家族と政治の話をしてきたし、官邸で政策がどう決まるか見てきた」と話す。
17歳女子高生、候補者に 英労働党が次期総選挙に抜てき
(共同通信2007年9月27日)
【ロンドン27日共同】英与党、労働党は27日までに、17歳の女子高生エミリー・ベンさんを次期総選挙の立候補者に抜てきした。英BBC放送などが報じた。10月4日にようやく下院議員の立候補資格を得る18歳に達するとあって、大きな話題となっている。
英下院の任期は2010年までだが、労働党の支持率が好調であることから、年内解散の憶測が飛び交っている。
エミリーさんは、同党左派の重鎮で、閣僚も務めたトニー・ベン氏の孫。叔父はヒラリー・ベン環境・食糧・農村相で、4代にわたり国会議員を輩出する政治家の家系に生まれた。
ただし日本と違い、地盤の継承はない。エミリーさんも選挙区で候補者が未定の党地方支部に履歴書を送り、選考を受けて候補者の座を勝ち取った。
出馬するウエストサセックス州の選挙区は野党、保守党の強固な地盤。労働党は過去3回の総選挙で、いずれも大差で敗れている。
●21世紀臨調と国会議員が18歳選挙権でシンポジウムと提言
21世紀臨調と超党派の国会議員有志でつくる国民主役の新しい公職選挙法を考える会は、6月4日(月)に国民主役の新しい公職選挙法を考える第1回シンポジウムを行い、第2回討論で「18歳選挙権の実現に向けて」として国会議員などが議論しました。あわせてシンポジウムで「18歳選挙権の早期実現を求める緊急提言」が公表されました。シンポジウムの模様は「映像で見る21世紀臨調」で動画をご覧になれます。
●【試される憲法】国民投票法成立<下> 『内向きの保守』へ一石
国民投票法に関する若者向けの調査をしたことがある、特定非営利活動法人(NPO法人)「ドットジェイピー」(東京)。大学生に議員秘書の仕事体験を紹介する団体だ。実際に体験してみたメンバーに「憲法九条の平和主義をどう評価するか」と聞いてみた。
学習院大の鈴木真里奈さん(19)は「唯一の被爆国として九条改正に反対です」ときっぱり。世論調査で改憲が過半数でも「多数派が正しいと思わない」。
一方、自衛隊イラク派遣をめぐる四年前の国会審議のゴタゴタが歯がゆかったという慶応大の野村祐輔さん(21)は「平和維持なら人を送って当然なのに。九条が日本の国際貢献を阻んでいると思う」と言った。
「護憲派の『平和を守る』は甘くてカッコ悪い。北朝鮮が攻めてきたらどうする、と現実的な方が受ける。改憲派の『国を守る』はクールなイメージ」と、立教大の大橋直人さん(22)は言う。「自衛隊にマイナスイメージはない。でも『命かけても』というとちょっと熱すぎる」。自分自身はまだ結論を出せない。
二十代の改憲志向は世論調査にくっきりと表れている。三-四月の全国紙の調査では、憲法改正賛成は五-八割だ。中高年より高い。
そんな傾向を「内向きの保守」と名付けたのは、若者世代の心理に詳しい精神科医斎藤環さん。「消極的改憲であって積極的改憲ではない。自分の生活がこぢんまりまとまればそれでよし。右翼的なものに熱はなく、巻き込まれるのは嫌だから『国を守る』とまでいかない」
◇
「イデオロギーって何ですか?」
国際関係論が専門で全共闘世代の和田純・神田外語大教授(57)は、学生のそんな質問に驚いたことがある。だが、彼らと話してみて無理もないと気付いた。一九九一年のソ連の崩壊は、幼くて記憶にもない。まだ二十年前後の人生なのだ。
和田教授は「護憲か改憲かの二者択一しかない論争は、五五年体制のよう。若者はもっと現実的な別次元にいる。彼らは関心があっても、どう考えればいいのか分からないだけ。結論を押し付けず、頭の中に考える回路をつくらせるようにしている」と話す。
選挙権年齢の引き下げを求めてきたNPO法人「ライツ」の理事小林庸平さん(25)は、投票権者を原則として十八歳以上と定めた国民投票法の成立を歓迎する。「若い世代の憲法への関心も高まるのでは。民主主義や国民主権など抽象的なことを皆が考えるきっかけになってほしい。いろいろな意味で原点に立ち返る好機だ」と意気込む。
憲法改正の影響を最も受けるのは日本の将来を担う若者たちだ。今後、憲法とどう向き合っていくのか。国民全体の覚悟が問われている。
(この企画は、築山英司、今村実、森川清志が担当しました)
●公明党青年局が総務相に要請
18歳選挙権 早期実現を
国民投票法の成立受け関連法整備へ尽力を要請
(公明新聞2007年5月17日)
公明党の遠山清彦青年局長(参院議員、参院選予定候補=比例区)は16日、総務省に菅義偉総務相を訪ね、「18歳選挙権」の早期実現を求める要望書を手渡した。これには、青年局次長の山本かなえ(同)、西田実仁、鰐淵洋子の各参院議員が同席した。
投票年齢を「満18歳以上」とする国民投票法が14日に成立。今回の要望は、同法の付則に3年後の施行までに、選挙権も「満18歳以上」とするため、公職選挙法や民法の改正など必要な措置を取るとされていることから実施した。
席上、遠山局長は、「選挙権の18歳への引き下げは、1970年に公明党の参院議員が国会で取り上げたのが議論の皮切りだ」と指摘し、公明党がマニフェスト(政策綱領)や青年政策などで18歳選挙権実現を掲げ、一貫して推進してきたことを紹介した上で、総務相の積極的な尽力を求めた。
これに対し菅総務相は、「(18歳選挙権実現への)流れができつつあると思っている。対応できるよう、しっかりやりたい」と応じた。
●国民投票法成立、「18歳成人」検討委を設置へ
(読売新聞2007年5月15日)
憲法改正の手続きを定める国民投票法の成立を受け、政府は14日、選挙権年齢や、成年(成人)になる年齢を、現行の20歳から18歳に引き下げる関連法整備を検討するため、「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(仮称)を内閣官房に設置することを決めた。
的場順三官房副長官を委員長に、各府省の次官らで構成し、2010年の国民投票法施行までに必要な法整備を終えることを目指す。
14日の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した国民投票法は、投票権者を原則18歳以上としている。ただ、「国は施行までに、公職選挙法、民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と規定し、公選法などの関連法が改正されるまでは投票年齢を20歳以上にすると定めている。
法改正の議論は、選挙権年齢を定める公職選挙法や、成年年齢を定める民法の改正が軸となる見通し。このほか、少年法や道路交通法などを含めて、100本以上の関連法が検討対象に挙がっている。
法改正が実現すれば、「18歳が法律上の大人」となり、日本の社会のあり方を変える改革になる。
公選法が改正されれば、国政、地方選挙の有権者が増える。最新の国勢調査(2005年10月1日現在)によると、18~19歳の日本国民は、約271万人に上る。民法の成年年齢が18歳に引き下げられれば、18~19歳の若者が親の同意がなくても、財産などの取引行為や結婚が可能になる。
ただ、成年(成人)に関係する法律を、どこまで改正するのかは、今後の議論に委ねられており、政府・与党内には慎重な意見もある。
20歳未満に喫煙・飲酒を禁じている未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法については、自民党内では「国民投票の投票権とは別次元の話だ」(幹部)として、改正は必要ないとの意見が多い。20歳未満を「少年」と定めた少年法の見直しについても、政府内には「適用年齢を引き下げる理由付けが難しい」との見方が強い。
下村博文官房副長官も14日の記者会見で、「検討委員会では、改正の必要性など総合的に検討する」と述べるにとどめた。
●海外で引き下げすすむ選挙権・被選挙権年齢
18歳が議員当選 大学目指す高校生
(スポニチ2007年5月5日)
英イングランド南東部エセックス州ブレントウッドの地区議会選で4日、18歳の高校生が当選を決めた。英国の地方議員では史上最年少。
当選したのは保守党から立候補したウィリアム・ロイドさんで現在、大学進学などに必要な国家試験を受験中。昨年、地方議員の最低年齢が21歳から18歳に下げられたことから、立候補が可能になった。ロイドさんは、地方議会に新風を吹き込みたいと話しているという。
選挙権を16歳に引き下げへ=EUで初-オーストリア
(時事通信2007年3月15日)
【ベルリン15日時事】オーストリア政府は15日までに、国民議会(下院)の選挙権を現行の18歳から16歳に引き下げる法案を閣議決定した。現地からの報道によれば、国政レベルで16歳から選挙権を認めるのは、欧州連合(EU)加盟国で初めてという。今後、議会で審議されるが、野党も賛同しており、可決・成立は確実。
●国民投票法案:五つの論点を聞く/1 投票権、18歳へ引き下げ
(毎日新聞2007年5月1日)
憲法の改正手続きを定める国民投票法が、憲法施行60年で初めて制定されようとしている。国の最高法規の変更に道を開く特別な法律で、公布後3年間は国民的論議を深めることも決められている。主権者として賛否を投じる私たちは、この新しい制度の何をどう考えればいいのだろうか。5月中旬とされる参院採決を控え、とりわけ大事な五つのポイントについて、それぞれの論点に詳しい人たちに、評価と考え方のヒントを聞いた。
◇成人年齢と切り離しを--NPO「ライツ」理事・小林庸平氏
--法案で、国民投票の投票者年齢は18歳以上になりました。
「評価したいと思います。憲法は国を規定し、自分たちがこれから生きるすべを決める大切なものです。だからこそ若い人たちが投票できる意味は大きい。最短で3年後に投票が行われるとすると、今の高校生も参加できます。今は学校で憲法を勉強する機会があまりないので、関心も高くないかもしれませんが、いざ自分たちも投票できるとなれば、学校で政治の議論も行われるだろうし、そうしていかなければならないと思います」
--NPOで選挙権年齢の引き下げを訴えてきましたね。
「私は創立間もない単位制の都立高校に通ったが、周りはほとんど年上で、働きながら通学する人もいた。その影響で社会のつながりや政治に興味を持ち、我々の世代は財政赤字や年金、環境といった大変な時代を迎えると知った。なぜこうなったのか考えると、若い世代が声を上げてこなかったからではないか、若者の政治参加を進めていかないとだめだと感じた。大学1年の時、学生や若者が選挙権年齢の引き下げを訴える『ライツ』を知り、入会しました。
我々が調べたデータでは、186の国と地域のうち162で、18歳以下の年齢から選挙権が保障されています。日本は世界の流れに取り残されているんです」
--法案には引き下げが明記される一方、成人年齢や選挙権年齢が引き下げられるまでは20歳以上とする経過措置が入りました。法が施行される3年後をめどに、公職選挙法や民法など関連法を見直すという規定も盛り込まれています。
「字面だけ読むと、他の関連法が整わなければ投票者年齢も『20歳のままなんですよ』と読める。先日、自民党の法案立案者の一人、保岡興治元法相と話したら『20歳にとどめたいからではなく、成人年齢とセットにした方がいいからこうした』という説明でした。その言葉は信じたいけど、やはりちゃんと監視していかないといけない、これからも選挙権年齢の引き下げを働き掛けていく必要はあると感じます」
--実際に投票年齢引き下げが実現するには関連法の整備が壁になるかもしれませんね。
「法律にはそれぞれ立法目的があり、例えば民法や少年法では、それぞれの目的に必要な年齢を設定しています。『諸法令』というと未成年者飲酒禁止法、喫煙禁止法まで二十数本にもなると言われるけど、それぞれ立法目的は異なり、必ずしも一致させる必要はないはずです。欧州では諸法令の年齢引き下げも一様ではない。ドイツでは先に選挙権年齢を引き下げ、後で成人年齢を引き下げた。選挙権年齢は成人年齢と切り離して議論すべきだと思いますが、実現せず、残念です」
--18歳で区切るのが最良でしょうか。
「我々は16歳以上を主張しています。憲法は特に重いからこそ、国が最小限の教育を保障している義務教育を終えた若者が、しっかり判断する機会を作ることは必要だと思います。よく『若い人たちはどうせ選挙に行かないだろう』『判断もできないんだから下げても仕方ないだろう』と言われますが、選挙権はなるべく多くの人に保障するのが民主主義の価値でしょう」【聞き手・高山祐】
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■ことば
◇投票権者の年齢
18歳以上。法が施行される3年後までに、選挙権年齢を定めた公選法や成人年齢を定めた民法など関連法の整備を検討するが、それらが変わるまでは3年が過ぎても20歳以上のままとなる。自民党には成人年齢引き下げへの異論も強い。
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■人物略歴
こばやし・ようへい
選挙権年齢引き下げと政治教育の充実を目指す特定非営利活動法人(NPO法人)「Rights」(ライツ)に18歳から参加。職業は民間シンクタンク研究員。25歳。
●18歳投票権・成人とも賛成多数-日テレ世論調査-
日本テレビ世論調査(4月13~15日実施)によると18歳投票権・成人とも賛成が反対を上回りました。
「国民投票法案では、投票権を20歳以上から、原則18歳以上の日本国民に引き下げることが盛り込まれています。あなたは、国民投票権を18歳以上とすることに賛成ですか、反対ですか??」
賛成 47.5%
反対 40.5%
わからない、答えない 12.0%
「国民投票権を18歳に引き下げることにともない、20歳以上を大人として扱う法律の規定も18歳に引き下げることが検討されています。あなたは、大人として扱う成人年齢を、18歳に引き下げることに賛成ですか、反対ですか?」
賛成 49.1%
反対 43.5%
わからない、答えない 7.5%
●【報告】楽集会「18歳成人を考える」

4月14日(土)の楽集会では、衆議院憲法調査特別委員会公聴会での小林庸平理事の意見陳述のビデオ上映と小林理事の報告の後、田中治彦さんに講演いただき質疑応答・意見交換しました。
田中さんは、2001年の荒れる成人式を契機に18歳成人を訴えていること、権利と責任は裏腹なので民法・少年法だけでなく喫煙・飲酒も揃えること、18歳は成人の入口と考えて子どもを大人にする通過期間を置くこと、市民教育が重要になること、などを述べました。
取材の高校生を交えた意見交換では、今の学校現場では民主主義を教えながら学校生活で生徒の意見が無視されるなど生徒に無力感を抱かせる「裏カリキュラム」があるなど今後の政治教育の課題などが示されました。
●楽集会のご案内
18歳成人を考える
国民投票法案の投票権年齢をめぐる議論を契機に、国会で選挙権年齢をはじめ民法や少年法の成人年齢の18歳への引き下げについて議論が始まろうとしています。
今回は、自らの体験から青少年の社会教育活動をライフ・テーマとして研究し、朝日新聞「論壇」やテレビで18歳成人について発言している田中治彦さんを迎えて、みんなで18歳成人について考えたいと思います。ぜひご参加ください。
ゲスト:田中治彦さん(立教大学文学部教授)
1953年東京生まれ。中学生で郵便友の会、大学生でYMCAに参加するなど自ら社会教育活動を体験。大学院に進み、(財)日本国際交流センターや岡山大学などをへて、1997年から立教大学文学部教授。2002年から開発教育協会代表理事。著書には『子ども・若者の居場所の構想』編著(2001年・学陽書房)、訳書にはロジャー・ハート著、木下勇・田中治彦・南博文監修、IPA日本支部訳『子どもの参画-コミュニティづくりと身近な環境ケアへの参画のための理論と実際』(2000年・萌文社)などがある。
日時:4月14日(土)15:00~17:00(受付開始14:30)
※衆議院憲法調査特別委員会公聴会について簡単に報告します。
※終了後に懇親会を予定しています。
場所:Rights事務所(みなとNPOハウス4F)
地下鉄日比谷・大江戸線六本木駅徒歩2分
参加費:500円(会員無料)
<次回のお知らせ> 5月26日(土)に統一地方選を受けたテーマで予定しています。
※氏名(ふりがな)・TEL・E-Mailをご記入のうえ、こちらからお申し込みください。
●【報告】Rights理事が国会で発言しました!
小林庸平理事が衆院憲法特委公聴会で意見陳述

衆議院憲法調査特別委員会の国民投票法案に関する公聴会が4月5日(木)に行われ、小林庸平理事が公述人として意見陳述しました。公聴会には応募した124名(うち10代1名・20代10名)から選ばれた7名が出席しました。小林理事は3番手として登場。若者の政治参加の重要性、選挙権年齢引き下げの必要性、民法など他の法令との関係などについて意見を述べ(レジュメ参照)、自民・民主・公明・共産・社民・国民新各党議員からの質疑に答えました(会議録参照)。
質問した自民党議員が「もっともっとこれからの時代を長く担う若い人に意見を言ってもらう機会を持たなきゃいけない」と発言したのをはじめ、公明・共産・社民各党議員からも主張や活動を評価されるなど非常に有意義でした。あわせてNHK全国ニュースや毎日新聞でも紹介(下記参照)され、世論喚起のよい機会ともなりました。
公聴会の模様は衆議院TVで、4月5日の「日本国憲法調査特別委員会公聴会」を選択すると放映しているのでぜひご覧ください。
国民投票法案で公述人が意見
(NHKニュース2007年4月5日)
衆議院の憲法調査特別委員会は、より幅広い国民の意見を聞くため、公募に応じた124人から公述人を選ぶ形で2回目の中央公聴会を開き、午前中は4人が意見を述べました。このうち、日本大学教授の百地章氏は「公務員が憲法改正について意見を表明することは確保されるべきだが、全体の奉仕者という立場を考えると運動に一定の制約を設けることはやむをえない」と述べました。弁護士の庭山正一郎氏は「憲法を改正する以上は、簡単に再び改正されないよう政治的な重みを与えるために、有効投票の過半数を改正の条件にするのではなく、有権者全体の一定以上の賛成を条件にすべきだ」と述べました。NPO法人理事の小林庸平氏は「より多くの国民の意思を反映させるためにも、義務教育を終えた16歳以上が投票できるようにすべきだ」と述べました。主婦の田辺初枝氏は与党案、民主党案ともに、投票は、内容が関連する事項ごとに区分してそれぞれ行うとしているが、何をもって関連する事項とするのか基準がよくわからない」と述べました。委員会は午後も公聴会を開き、
3人が意見を述べることになっています。
国民投票法案:中央公聴会を開催
(毎日新聞2007年4月5日)
衆院憲法調査特別委員会は5日午前、与党と民主党がそれぞれ提出している憲法改正手続きを定める国民投票法案に関する中央公聴会を開き、公募に応じた公述人から意見を聞いた。
百地章日本大法学部教授は、対象を国政の重要問題に広げる民主案の規定を「憲法の基本原理に抵触し、国会の権限を事実上侵害する」と批判。自由人権協会の庭山正一郎代表理事は、一定の投票率を下回ると無効になる最低投票率の導入を求めた。
若者の政治参加を進めるNPO「Rights」の小林庸平理事は「投票権者は16歳以上にすべきだ」と訴えた。主婦の田辺初枝氏は「有効投票の過半数では多数意見が反映されない。有権者の過半数とすべきだ」と主張した。【須藤孝】
●【緊急告知】Rights理事が国会で発言します!
小林庸平理事が衆院憲法特委で公述人に選ばれる~傍聴の呼びかけ~
衆議院憲法調査特別委員会の国民投票法案に関する公聴会に応募していた小林庸平理事が公述人に選ばれました。公聴会は下記のように行われるので傍聴を呼びかけます。急ですが貴重な機会なので奮ってご参加ください。
日時:4月5日(木)9:00~12:00
※公述人の意見陳述(各15分×4名)と各党議員の質疑(各20分×6名)の計3時間で、小林理事は9:30~9:45に意見陳述します。
※終了後に議員会館で小林理事とともに若干の意見交換会を予定しています。
場所:衆議院第18委員室
※8:45に衆議院議員面会所(地図の衆議院第一別館)に集合してください。
地下鉄丸ノ内・千代田線国会議事堂前駅徒歩5分
地下鉄有楽町・半蔵門・南北線永田町駅徒歩10分
4月4日(水)午後5時までに氏名(ふりがな)・職業・TEL・E-Mailをご記入のうえ、こちらからお申し込みください。あらためて4日(水)中に詳しいご案内をいたします。
●国民投票法案、自・公が修正案提出…民主は反対へ
(読売新聞2007年3月28日)
自民、公明両党は27日、憲法改正の手続きを定める国民投票法案について、投票権年齢を原則18歳以上とするなど、民主党の主張を一部反映した修正案を衆院憲法調査特別委員会に提出した。
与党は4月13日に衆院を通過させ、今国会で成立させる方針だ。民主党は修正案に反対する方向で調整を始めた。
与党は昨年5月、国民投票法案を国会に提出している。今回の修正案では、20歳以上としていた投票権者の年齢を、「原則18歳以上」に改めた。ただ、付則で、国が3年後の法施行までに選挙権年齢の18歳以上への引き下げなど関連法の年齢規定を整備すると定め、それまでは20歳以上とすることにした。憲法改正に限定していた国民投票の対象についても、付則で、拡大を検討課題にするとした。
修正案作成に当たった自民党の保岡興治・元法相は27日の党総務会で、「投票権年齢を18歳以上とするためには、少なくとも公職選挙法と民法の関連規定の改正が前提となる」とする見解を示した。
衆院憲法調査特別委員会は、29日に与党修正案の提案理由説明と質疑を行う。与党は民主党の賛成が得られなくても、4月12日に委員会、13日に本会議で採決し、参院に送る方針だ。
民主党の小沢代表は27日、佐賀市で記者会見し、「何が何でもこの国会中に通さなければならない理由はない。自民党が自分たちの主張を数で通そうとすれば、我々は(昨年提出した)民主党案に賛成、与党案に反対となる」と述べた。
●<報告>日青協が国会請願・意見交換
日本青年団協議会の岡下進一会長ら全国各地の青年団員22名が3月2日(金)に、「18歳選挙権制度の早期実現」を求める約4,500名の国会請願および議員との意見交換を行いました。
●18歳から選挙権…自・公・民有志が公選法改正検討へ
(読売新聞2007年2月8日)
自民、民主、公明の3党の国会議員でつくる「国民主役の新しい公職選挙法を考える会」は7日、都内で会合を開き、公選法の選挙権年齢を現行の20歳以上から18歳以上に引き下げる方向で、同法改正を検討する方針を決めた。
憲法改正の手続きを定める国民投票法案について、3党が投票権年齢を原則18歳以上とし、「18歳選挙権」実現を検討することで合意したことを踏まえたものだ。
自民党の保岡興治・元法相は「18歳選挙権は国際標準だ。この会で成果を得てもらいたい」と提案した。同研究会を共同運営する「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)共同代表の佐々木毅・前東大学長も「18歳選挙権は重大な問題であり、この会で議論していきたい」と語った。
自民党の逢沢一郎衆院議院運営委員長や民主党の玄葉光一郎衆院議員ら3党の国会議員16人が出席した。
●18歳って大人?社会変える年齢引き下げ論議
(朝日新聞2007年1月22日)
「選挙権や成人の年齢を18歳に引き下げる」。それが現実味を帯びてきた。憲法改正の手続きを定める国民投票法案で、投票年齢を18歳以上とする方向で与党と民主党が一致。法成立に併せて公職選挙法や民法など関連する法律も3年をめどに見直すことを確認しようと検討しているためだ。「多くの人が参加できるのが民主主義」という意見の一方、「成人の年齢は法律ごとに違ってもいい」との意見もある。投票から酒やたばこ、運転免許まで、議論の行方は様々な分野に影響する。さて、「18歳は大人か」。(坂尻顕吾)
■狙いはなに? 「当事者」の声を反映
若い世代の声を政治に反映させる、というのが直接の狙いだ。また、年金や財政赤字など世代間の不公平や将来の負担増について、当事者となる世代の声を広く採り入れることにもつながる。
18~19歳は約270万人(05年10月現在)。この分新たな有権者が生まれて社会的な関心が高まれば、若年層の政治離れを食い止めるきっかけになる。若者の成長や自己決定能力の向上を促す側面もある。成人年齢でみると、親の同意なしに財産の取得や処分ができる年齢が引き下げられることになり、経済活動も広がる。引き下げ論にはこうした意味がある。
引き下げ論は以前からあった。欧米諸国が相次いで選挙権や成人年齢を18歳まで引き下げた60年代末から70年代にかけて、日本でも政治家らが「18歳選挙権」を唱えた。
この流れを受ける形で旧自治省が71年に世論調査したところ、成人では賛成22%に対し、反対は60%。反対理由では「18歳ではまだ政治問題を判断する能力がない」が最も多く、その後、議論は尻すぼみになった。
00年1月にも、小渕首相の私的諮問機関「21世紀日本の構想」懇談会が「18歳は社会的成人と見なして十分と考える」と指摘し、選挙権や成人年齢の見直しを促した。同年6月の総選挙でも、自民党を除く各党が選挙権年齢の見直しを訴えたが、やはり論議が広がることはなかった。
今回の議論は、国民投票で投票年齢引き下げを先行させ、より影響の大きな選挙権年齢や成人年齢もそれに合わせようという流れで、これまでにはなかった展開だ。
■酒・たばこも18歳で? 法律ごとの検討も
国民投票法の投票年齢が18歳以上になったからといって、公選法や民法まで一致させる必要は必ずしもない。憲法は選挙権や成人などの具体的な年齢は記しておらず、目的や性質を踏まえ、各法律で定めている。
その中で、一つの基準になっているのが20歳を成年と定めた民法だ。刑法や商法、医師法、公認会計士法などは年齢を明示せず、「成年」「未成年」という表現で区切っていて、民法の成人年齢が変更されれば、それに合わせて適用年齢も変わることになる。
一方、年齢を明記している法律も多い。少年法や国籍法、相続税法などのほか、酒やたばこの年齢制限は20歳だ。この場合、引き下げは個別に検討することになる。例えば、少年法の適用年齢を20歳から18歳に引き下げる議論はこれまで何度もあった。刑事罰の対象年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げる改正は先行実施されている。
■ほかの国はどう? 20歳選挙権は少数
世界の先例をみると、パターンは二つある。
英国は69年、学生運動の高揚を背景に、21歳だった選挙権年齢と成人年齢をそろって18歳に引き下げることを決めた。
一方、旧西ドイツは70年に成人年齢(21歳)を据え置いたまま選挙権だけ18歳に引き下げ、その4年後に成人年齢を18歳にした。
国立国会図書館に資料がある185の国や地域の選挙権年齢をみると、18歳を基準にしているのが154(83%)だ。20歳を基準にしているのは、日本や台湾、モロッコ、カメルーンなど7(4%)しかない。世界的な潮流は「18歳選挙権」だ。
日本では、地方自治体で条例などで投票年齢引き下げを先取りしている例がある。
旧秋田県岩城町が02年9月に実施した住民投票では、18歳以上が参加した。ほかにも03年の住民投票で、長野県平谷村が中学生以上に、北海道奈井江町が小学5年生以上に投票権を認めている。
◆「自分なら何歳」考えて
選挙権年齢や成人年齢について調べてみると、法解釈上の論点を指摘する論文や文献は多いのに、「何歳から大人とみるべきか」を正面から論じているものは意外に少ない。
それだけに、この問題は国会議員や法曹関係者だけに議論を委ねないほうがいい。「18歳は大人」か。一人でも多くの人が考え、国会での意見集約につなげていく道筋が求められる。そのために、「自分なら何歳だろう」と考えるところから始めてみてはどうだろう。(坂尻)
○政治参加の門戸広げよ 近藤孝弘・名古屋大助教授(比較教育学)
投票年齢の引き下げには基本的に賛成だ。「できるだけ多くの人が政治的な意思決定に参加する」。ここに価値を置くのが民主主義の理念だ。それを否定すれば「政治は優秀で道徳的な一握りの政治家に任せておけばいい」となりかねない。
投票年齢の設定は、民主主義の理念と社会が負うかもしれない政治的なリスクとのバランスの問題だ。引き下げていくと、政治的な判断能力に欠けた人が意思決定に加わる可能性が高まる。しかし、それが社会にとって非常に危険だということでもない限り、参加への門戸は広げるべきだ。
ただ、リスクを下げる努力も求められる。ドイツは州ごとに、中等教育段階から「政治教育」の教科を設けている。(1)政治問題への関心を高める(2)政治の世界で語られる言葉の理解能力(3)それに基づく合理的な判断能力(4)政治に参加する能力、を身につけることが目標だ。連邦と州には政府直轄の「政治教育センター」があり、民間団体を支援して、中高生を「有権者」とした選挙を模したジュニア選挙を実施している。
日本では、そもそも政治的に見解が分かれる問題を授業で扱わず、生徒が政治的な行動をすることにも社会の理解は低い。授業内容も制度の理解にとどまりがちで、政治的な判断能力や参加能力がほとんど養えていないと思う。こうした点から改めないと、実際の選挙でも何が争点かを一人ひとりが考えて投票することに結びつかない。
○成人の定義、統一は不要 辻村みよ子・東北大大学院教授(憲法学)
国民投票の資格年齢が問題となっているが、憲法には何も定められていない。15条3項で「成年者」の普通選挙が保障されているだけで、公職選挙法で20歳以上としているにすぎない。
国民投票も普通選挙も、ともに主権者の主権行使の機会と考えれば、担い手が違うのは望ましいことではない。ただ、国民投票や住民投票と、普通選挙は性質が異なると考えれば一致させる必要はないともいえる。住民投票条例で18歳以上などに投票を認めている例もあるが、違憲かどうかを問う声はほとんどない。
一方、憲法の「成年」と民法の「成年」が、必ずしも同じである必要はない。社会にはいろいろな年齢制限があり、たばこやお酒、運転免許など議論すべき法律は多い。まず国民投票法を定め、3年をめどに全体の整合性を考えるのは一見リーズナブルにみえる。
ただ、国民投票法の論点は他にもある。改憲原案の発議の仕方やメディア規制に問題はないのか。投票年齢に焦点を当てるのは、主権者の関心をそらす世論誘導的な面がある。
成人年齢の引き下げを一緒に議論することで国民投票法が世論の後押しを受けたら、次に来るのは憲法改正だ。平和志向の強い中高年層より、若者なら改憲に賛同を得やすい。そんな背景もあり、今回は保守派も投票年齢の引き下げに同意したのだろうが、重要な点を隠してしまう形で投票年齢が争点化されることには危惧(きぐ)を持っている。
●「18歳で成人」改正検討へ 選挙は?飲酒は?対象広く
(朝日新聞2006年12月30日)
「成人」の年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が年明けから検討されることになった。来年の通常国会で国民投票法案が成立した場合、そこから3年以内をめどに改正をめざすという。改正されれば、18歳が法律上の大人となり、結婚や財産権、飲酒・喫煙など幅広い分野で社会を変えることになる。しかし、同法を所管する法務省内部でさえ改正に慎重な意見があるうえ、他の官庁が扱う法律にも影響が及ぶため、政府部内で方向が決まるまでには時間がかかりそうだ。
「年齢20歳をもって、成年とする」――。民法は1896(明治29)年以来、社会の一人前のメンバーを決める基本になっている。
成人年齢引き下げの検討はそもそも、国民投票法案を巡る与野党の議論の中で、投票年齢とあわせて「3年を目途に公職選挙法、民法などの関連法について措置を講ずる」と付則で示す修正案が持ち上がったことから始まった。
法務省内には「日本の基礎にかかわる問題を、ほかの法案の議論に引きずられるかたちで考えるべき話なのか」といった疑問の声は根強い。一方で「こういう外的要因でもなければ、変えられなかった。いい機会だ」と歓迎する声もある。
いまの民法では、結婚できる最低年齢は「男性18歳、女性16歳」だ。ただ、未成年の場合は親の同意が必要だ。結婚すれば未成年でも「成人に達したと見なす」とされ、財産の処分などの法律行為が成人並みにできる。
成人年齢が18歳になれば、結婚の際、女性だけに父母の同意が必要な場合が残るという、いびつな構図になる。このため、男女の婚姻最低年齢を統一すべきだという議論につながることは間違いなさそうだ。
親の同意なく財産を取得・処分する権利を得るのも、成年になってからだ。未成年が親の同意なく結んだ契約は取り消すことができる。18歳でも自由に財産を処分できるようになれば、「若者の経済活動が促進される」という意見の一方で、「若者の保護の観点からは不十分だ」との議論も出てきそうだ。
養子縁組で養親となれる年齢も18歳に引き下げられることになる。
また、民法だけではなく、ほかの法律に関する分野にも議論は広がりそうだ。
満20歳未満に飲酒・喫煙を禁じているのも、民法上の「成年」の考え方を前提にしたものだ。年齢にあわせて引き下げるなら大きな問題になりそうだが、引き下げないのであれば、どういう理屈がありうるのか、改めて議論を呼ぶことになる。
また、選挙権を20歳以上と定めている公職選挙法の改正も議論されそうだ。あわせて裁判員の対象年齢も引き下げられる可能性が出てくる。裁判員は、選挙人名簿から無作為に選ばれるからだ。
さらには、20歳未満を「少年」と定めた少年法にも影響しそうだが、政府部内では「立法当時と比べて18歳、19歳の少年の精神的成熟度が変化したとは言いがたい。適用年齢引き下げの必要性を説明するのは難しい」との見方も強い。
●サロン報告「なぜいま選挙権年齢の引き下げか」
~ブックレット『16歳選挙権の実現を!』を読みながら~

2002年に刊行したブックレット『16歳選挙権の実現を!』(現代人文社)を読みながら選挙権・被選挙権年齢引き下げの論点を再び整理するためのサロンを12月23日(土・祝)に行いました。ブックレット執筆メンバーを講師に、選挙権・被選挙権の法的性格、引き下げが必要な理由、海外の動向、Rightsの考え方、最新の情勢について学習と意見交換をしました。今回のサロンでロビー活動に役立つ理論構築ができたと思います。
●サロン案内「なぜいま選挙権年齢の引き下げか」
~ブックレット『16歳選挙権の実現を!』を読みながら~
NPO法人Rights(ライツ)は、選挙権年齢引き下げと政治教育充実をつうじた子ども・若者の政治参加をすすめるため2000年に結成しました。
そして2002年の超党派国会議員と市民200名による国会集会にあわせ、選挙権・被選挙権年齢引き下げに関する論点と資料をブックレット『16歳選挙権の実現を!』(現代人文社)として刊行しました。それから5年近く、選挙権年齢についてコンパクトにまとめた唯一の出版物として活用されています。
いま憲法改正国民投票法案の投票権年齢をめぐる議論を契機に、ようやく選挙権年齢についても民法や少年法の成人年齢とともに引き下げを検討する状況になってきました。
そこで、ブックレットを読みながら選挙権年齢引き下げの論点を学習したいと思います。年末の慌しいときですが、ぜひご参加ください。
スピーカー:ブックレット『16歳選挙権の実現を!』執筆メンバー
日時:12月23日(土・祝)15:00~17:00(受付開始14:45)
場所:NPO法人Rights六本木事務所(みなとNPOハウス4階)=地図参照
地下鉄日比谷・大江戸線「六本木」駅徒歩2分
参加費:無料(ブックレットを持参してください)
※ブックレットのない方は受付で購入できます。1冊798円(2割引)です。
※お問い合わせは事務所までお願いいたします。
●「18歳」で成人? 選挙権・飲酒・喫煙まで自民検討
(朝日新聞2006年12月6日)
日本の法律が定める成人年齢が20歳から18歳になるかもしれない。国民投票法案を巡って、自民党が投票年齢を民主党案の18歳以上に修正するのに合わせ、選挙権年齢を同様に引き下げる検討作業に6日着手する。20歳を成年とする民法や、20歳で少年と成人とを区切る少年法、飲酒や喫煙を規制する法律まで検討対象は広がる。決着がどうなるかは別にして、社会のありようを問い直す論議に発展しそうだ。
自民党は6日の特命委員会で、衆院憲法調査特別委員会の理事を中心に進めた民主党との修正協議の内容を報告、党内手続きを始める。
憲法改正の手続きを定める国民投票法案の修正案は、投票年齢について与党案の本則を「年齢満二十年以上」から「年齢満十八年以上」に変更。付則で「3年を目途に公職選挙法、民法等の関連法令について所要の措置を講ずる」とする。仮に法案が成立しても、公布後3年程度は国民投票の投票年齢を「20歳以上」に据え置き、それまでに公選法などの改正を促す考えとなっている。
与党案をまとめるにあたり、自民党は公明党と国民投票の投票年齢を選挙権年齢に合わせることを確認していた。このため、国民投票の年齢引き下げに合わせ、選挙権年齢そのものの引き下げが必要となった。自民党内には異論もあるが、この論議で同法案への関心を高めてもらおうとの狙いもある。
同時に同法案の関係議員は、修正案で年齢引き下げ実施までに3年とした期限内に選挙権年齢などについても論議をまとめ、公選法や民法などの関連法を改正することをめざす。
だが、自民党内では「野党に有利だ」とみる声や、多くの法律の改正作業が煩雑になることなどから反対論もある。衆院特別委でも、保岡興治元法相が「現在、成人年齢に関する法令は24~25あると言われており、引き下げは日本の基礎を大きく左右するテーマだ」と指摘している。
修正案取りまとめの中心となった同特別委の船田元自民党理事でさえ「成人年齢を定めた民法などその他の法律にどのような影響をもたらすかを真摯(しんし)に検討する必要がある」と指摘。参院自民党の片山虎之助幹事長も「他の法制とのバランスの議論がある」とクギを刺す。
「18歳選挙権」をめぐっては、民主、共産、社民など野党各党のほか、公明党もマニフェストなどに掲げて実現を訴えている。世界各国でも、国立国会図書館にデータのある186カ国・地域のうち、米国やイギリス、フランス、インドなど162カ国で選挙権は「18歳以上」となっている。
●国民投票法案をめぐる新聞報道
「18歳以上」「改憲に限定」 国民投票法案で歩み寄り
(朝日新聞2006年12月1日)
憲法改正の具体的な手続きを定める国民投票法案をめぐり、与党は30日、民主党との最大の対立点だった投票年齢について、「20歳以上」としている与党案を「18歳以上」まで引き下げることを正式に表明した。一方、民主党は国民投票の対象を憲法改正に限定する与党案に歩み寄る姿勢を見せており、お互いが譲り合った形だ。
これで双方の対立点はほぼ解消され、与党、民主党は共同修正案の作成に向けて動き出す。ただ、今国会の残り会期は少なく、それぞれ党内論議も必要なことから、共同修正案の提出まで進んでも、成立は困難な情勢に変わりはない。
30日の衆院憲法調査特別委員会小委員会で、自民党理事の船田元氏は「本則を18歳以上とし、付則に経過措置3年程度を置いて民法や公選法など関連法制の改正措置を明記する」と述べた。法案が成立しても3年間は実施を凍結し、民主党案の「原則18歳以上」とするために成人年齢や選挙権年齢などの見直し作業を進める考えだ。
一方、投票テーマについて、与党は憲法改正に限る姿勢を崩していない。民主党案は「国政の重要課題でも実施する」としているが、同党理事の枝野幸男氏は16日の小委員会で「憲法にかかわることに限定して諮問的国民投票制度を入れるという風にした方がいいのか、党内的にも議論しなければならない」と修正を示唆。30日も、枝野氏は法案成立後に改憲以外のことを問う国民投票についても国会で議論することを条件に、与党案に歩み寄る姿勢を示した。
三つ目の対立点である過半数の定義について、船田氏は与党案の「有効投票総数の過半数」は維持するものの、投票用紙への記載方法で「(投票用紙に)賛成、反対という欄を設けて、そこに何らかの印をつける」と提案した。
当初は投票用紙に賛成は「○」、反対は「×」と記入し、白票や他事記載をすべて無効としていた。だが、船田氏の提案は、より無効が少なくなるとして、民主党も受け入れる構えだ。
ただ、衆院の憲法担当者間で進む修正協議に、自民党内では「民主党案に引っ張られている」(政調幹部)との異論もある。このため、党内手続きが難航する可能性もある。
国民投票法案:「18歳以上」で自民・民主が合意
(毎日新聞2006年12月1日)
憲法改正の手続きを定める国民投票法案をめぐり自民、民主両党は30日の衆院憲法調査特別委員会の小委員会で、投票権者の年齢を民主党の主張する「18歳以上」として法案に記すことで合意した。ただ、公職選挙法改正により選挙権も同様に改めることが前提で、それまでは経過措置として「20歳以上」と付則で定める。今国会での成立は依然として困難だが、与党と民主党の最大の対立点が解消し、今後の協議が進展する可能性が出てきた。
投票権者の年齢は、与党案が20歳以上なのに対し、民主党案は18歳以上(国会議決で16歳まで引き下げ可能)としている。修正協議を担当する自民党の船田元氏は30日の同小委で投票年齢は原則として18歳以上との考えを示したうえで「(成人年齢は)18歳が世界の流れ」と述べ、公選法改正までの経過措置期間を3年程度設ける考えを表明。民主党側もこれを評価した。現実には選挙権を「18歳以上」とすることには自民党内の反発が強いため、仮に投票法案が成立しても当面は投票権は「20歳以上」となる公算が大きい。【須藤孝】
国民投票法案、投票権「18歳以上」与党と民主が合意
(読売新聞2006年12月1日)
与党と民主党は30日の衆院憲法調査特別委員会小委員会で、憲法改正の手続きを定める国民投票法案では、投票権を持つ年齢を「原則18歳以上」とすることで基本的に合意した。
与党はこれまで「20歳以上」を主張してきたが、この日の会合では、「本則は18歳以上とするが、付則に3年程度の経過措置を置き、民法や公職選挙法など関連法案が改正されるまでは20歳でいくのが順当なやり方だ」と、「18歳以上」を主張する民主党に歩み寄り、民主党も評価した。
ただ、会期末まで時間がないため、同法案の今国会での成立は難しいという見方が強い。
●中学生がRightsを訪問
葛飾区立中学校の1年生5名が、総合的な学習の時間の一環で9月19日(火)午後にRights事務所を訪問されました。
学年全体で12グループに分かれ、今回訪問されたグループのテーマは「政治」。午前は永田町ツアーでお馴染みの「参議院法案体験プログラム」に参加し、 午後はRights事務所で意見交換という流れだったようです。
選挙権年齢を引き下げるべき理由や背景、政治がいかに身近なものか説明をしました。模擬選挙の結果や感想も使って説明した際に「模擬選挙をやってみたいか」と聞いてみると興味はあったようで、来年の参院選における模擬選挙の際は学校に対して呼びかけたいと思います。
ちなみに中学生からは事前に下記の質問が寄せられました。
1:なぜ18歳に引き下げをしなくてはならないのか。
2:引き下げをするとどういうことが起きるのか。
3:なぜ引き下げをしようと思ったのか。
4:もし、僕たち(中学生)が18歳になったときに心構えはどうしたらいいのか。
5:まだ政治を知らない若者が選挙に参加して平気なのか。
6:今の中学生に望むことはなにか。
Rightsでは今回のような訪問を歓迎しています。興味のある方はぜひともご連絡ください。

●【報告】国民投票法案について政党に申し入れ
憲法改正国民投票法案の投票権年齢について衆参両院に議席をもつ政党に申し入れを行いました。(1)本則の投票権を「18歳」と規定すること、(2)即時施行が困難な場合は附則で「5年以内」と規定すること、(3)公職選挙法などの関係法令を整備する旨の付帯決議を行うことの3点で、5月30日に枝野幸男議員(民主)、笠井亮議員(共産)、辻元清美議員(社民)、田村秀昭議員(国民)、滝実議員(日本)、6月19日に船田元議員(自民)、斉藤鉄夫議員(公明)の事務所で、堀雄介代表理事が議員または秘書に手渡しました。
枝野議員は本則に18歳と規定する可能性に言及しましたが、斉藤議員は附則に3年以内の議論を規定するのが現実的との考えで、与党の議論では成人年齢の変更が全体の法体系に影響するとの慎重論が強いことを紹介されました。18歳選挙権の世論喚起も要望されており、今後ともロビー活動と世論喚起をつづけていく必要を感じました。

●「選挙権・被選挙権年齢引き下げ特区」提案
構造改革特区第7次提案で「選挙権・被選挙権年齢引き下げ特区」を6月に提案しましたが、総務省から回答を受け取りました(ウェブおよび下記参照)。Rights以外にも三次市(広島県)と「若者のための公開討論会を実現する市民の会 市民シンクタンク・ミッションボンド」が同様の提案をしましたが回答は同一でした。
選挙権年齢の問題は、民法上の成人年齢や刑事法での取扱いなど法律体系全般との関連も十分に考慮しながら検討すべき事柄であり、被選挙権年齢の問題は、その公職の内容や選挙権年齢とのバランスを考慮しながら検討されるべき問題である。
いずれにせよ、選挙権及び被選挙権年齢のあり方については、選挙の基本に関わる問題であるので、まずは国会の各党各会派で十分に議論がなされる必要がある(なお、国会において議員立法による法案が提出されたこともあるところ)。
●青少年、国会議員に聞く!
(OhmyNews2004年9月21日)
18日午後3時、青少年と国会議員が集まって青少年問題を論議するフォーラムが高麗大学校で開かれた。「18歳選挙権共同連帯」と「文化連帯青少年文化委員会」が主催した今回のフォーラムには高校生を含む多くの青少年と、ウリ党のキム・ヒョンズ議員、民主労働党のチェ・スンヨン議員が参加した。
フォーラムは青少年の政治参加について論議する第1部と青少年が直接国会議員に質問・論議する第2部で構成された。第1部にはチェ・ユンジン中央大青少年学科教授とキム・ヨンジ韓国青少年開発院副研究員も参加した。
チェ・ユンジン教授は「青少年も主権を持つ市民であり、自分の利益と権利の保護のため他の社会構成員たちと平等に影響力を行使することで、独立した人格体として尊重されながら生きていく権利がある」「特別な理由なしに18歳の青少年に選挙権を与えないことは正しくない」と主張した。
高校時代から様々な青少年活動をしたとういうキム・カンテさん(20歳、大学生)は「青少年は4・19革命の時、独裁と不正腐敗に反旗をあげ最初に街に飛び出たし、80年代半ばの民主化運動にも参加した。また最近ではキャンドルデモなどを通じて政治に参加したこともある。青少年を保護の対象であるとばかり思うのは問題」と指摘した。
第2部のフォーラムにはキム・ヒョンズ、チェ・スンヨン議員とイ・ユンソク(大統領青少年特別会議推進団)、イ・ゲトク(進歩的青少年連合)、チョ・ユンソル(大邱青少年文化アーケード宇宙人)君らが参加し、▲18歳からの選挙権、▲私立学校法の改正案、▲高校等級制に関する論議が行われた。
最初にイ・ゲトク君は「ウリ党は18歳選挙権を党論として決めたが、最近は19歳選挙権に変えようとする様子を見せている」「このことに対してキム・ヒョンズ議員はどのように考えていますか」と質問した。
この質問に対してキム・ヒョンズ議員は「一部のマスコミはウリ党が19歳選挙権を主張しているように報道したが、ウリ党は18歳選挙権を党論として決めており、マスコミの間違った報道に対しても記者会見を通じて18歳選挙権に対する党論を再び述べた」と答えた。
続いてイ・ユンソク君は「現在大多数の高校は在学生が政治関連団体に加入するまたは政治行為(学校長の許可なしに署名運動または選挙運動をすることなど)をする場合、罰点を受け、ひどい場合は退学になることもある」「民主労働党のチェ・スンヨン議員はこの問題に対してどのように考えていますか」と質問した。
チェ・スンヨン議員は「この問題を解決するため民主労働党は18歳選挙権、学生会の法制化、私立学校法の改正案などを準備している。この法案が実施されるとこのような問題は自然に解決されると思う」と答えた。
またイ君は「最近、高校等級制などに対する論議が行われています。ハンナラ党は高校等級制問題を解決するため高校標準化制度を廃止すべきであると主張し、教育部は高校等級制などありえないことであるという言葉だけ繰り返しています。議員さんたちはこの問題をどのように考えていますか」と聞いた。
チェ・スンヨン議員はこれに対して「現実的に高校等級制は存在している。しかし、この問題を高校平準化と関連させることに問題がある」「今は高校平準化の廃止を論議する場合ではなく、高校等級制問題をどのように解決するかを論議すべきである」と話した。
イ君は「韓国は高校平準化制度を施行しているが、誰でも知っているように高校間には序列が存在しているのも事実。つまり、平準化政策を実施しているが、実質的な平準化には達していない。フランスの場合、毎年学校別のバカロレア(大学進学前の中等教育過程)の合格率を発表して、学歴が劣る地域を優先教育地区に指定して政府の追加財政支援、優秀な教師の配置などを通じて実質的な平準化のため努力している」「韓国も高校平準化問題を静かに乗り越えようと思わないで公開するものは公開し、これから解決すべきことは解決しようとする姿を見せて欲しい」と提案した。
イ・ユンソク 9月19日
●朝日新聞の社説でも紹介されました!
9月26日付の朝日新聞朝刊の社説に、「■18歳選挙権―若者を参加させよう―」というタイトルの社説が掲載されました。
「高校生を含む18歳以上の未成年者が29日、全国で初めて1票を投じる。」として、今回1面で取り上げた秋田県岩城町や愛知県高浜市の動きとともに、「若者の非営利組織『Rights(ライツ)』は選挙権年齢の学習会や全国キャラバンなどの活動を重ね、今年2月には国会議員が参加する集会を開いた。これがきっかけになり、自民、民主などの超党派議員が『選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会』を結成。議員連盟への衣替えも検討中だ。」と、Rightsや国会議員懇談会の活動が取り上げられました。
1999年8月2日、朝日新聞朝刊に「高齢化のゆがみを正す-18歳投票制-」というタイトルの社説が載り、18歳選挙権について論じられました。この頃は、選挙権年齢の引き下げを求める者はいなかったといいます。約3年のときを経て、Rightsや選挙権年齢の引き下げを取り巻く状況は、徐々にですが変わりつつあります。
●【報告】第4回国会議員懇談会
6月14日に松田隆夫さん(東京都立武蔵高校教諭)を迎え、学校での模擬投票の取り組みについてヒアリングしました。松田さんからは、日本では低投票率など若者の選挙離れが深刻であり、高校の授業で政治経済を担当しているため、民主主義の土台である選挙制度をどうしたらリアルに生徒に伝えられるかを長い間悩んだすえ、1989年から模擬選挙を始めた。特定の政治党派を応援しないなど最低限の注意点をおさえれば、実際の公職選挙は政治を学ぶ最大のチャンス。教科書だけでは抽象的な選挙制度が、模擬選挙への参加で具体的に実感できたり、親が『子どもから選挙のことを聞かれ棄権するわけにはいかず投票した』など家族の話題になる身近なテーマだと実感した。選管が当初心配した保護者からの苦情はこれまでない。結果は本物と同じ傾向で、高校生はマスコミに惑わされず冷静に判断し、時代の空気の流れを見事に感じている。18歳は充分政治的な判断力を持っている。
参加議員との意見交換で、公選法の「人気投票」禁止規定や「教育でリアルな政治を扱ってはいけない」という思い込みが強く、“公正中立な政治教育”という視点が、今までの教育から抜けているとの課題も示されました。
●【報告】第3回国会議員懇談会
5月8日に総務省選挙課長らを迎え、公職選挙法や海外の状況をヒアリングしました。総務省からは憲法と公職選挙法の関係について、憲法15条でさだめた「成年者」の年齢を法律に委ねているので、18歳への引き下げは公職選挙法改正で実現する。G7(米・英・独・仏・伊・加)はいずれも選挙権・成人とも18歳で1970年前後に学生運動や兵役年齢の理由に引き下げられた。成人年齢と選挙権年齢はほぼ同時期に引き下げられたがドイツでは選挙権の4年後に成人が下がった。国政選挙での20代の投票率が低いことに対して、①政治参加が必要で政治意識を高めるために選挙権年齢を引き下げるべき、②選挙権年齢引き下げがさらに投票率を下げる、と両方の見解がある。選挙権年齢だけでなく法律関係全般を考えるべきであるとの説明がありました。
参加議員との意見交換では、少年法で20歳未満に刑罰が科せられないため選挙違反の取り扱いを検討する必要があること、韓国では19歳への引き下げ法案が国会に提出されたが審議未了となったこと、世論調査は現状では考えていないことが分かりました。
●【報告】第2回国会議員懇談会
4月10日に法務省民事局と刑事局を迎え、民法や少年法の成人年齢と選挙権年齢の関係についてヒアリングしました。法務省からは少年法の規定、適用年齢引き下げの影響などが説明され、参加議員からは未成年者の判断力、未成年者と成人の犯罪率、戦前の民法の成人年齢(20歳)と選挙権年齢(25歳)の違いから民法の成人年齢が選挙権年齢を規定していないことの確認、主要政党の入党要件(18歳)との関係、成人年齢と年齢規定が異なる法律の有無、などが質問・意見として示されました。
●【報告】国会質疑
3月20日の参議院総務委員会で宮本岳志議員(共産)が質問を行いました。
宮本議員は超党派の国会集会や国会議員懇談会にも触れながら、民法の成人年齢が一貫して20歳なのに対し、選挙権年齢は戦前は25歳で戦後は20歳と、必ずしも一致していないと指摘。各国の状況や主要政党の入党資格を紹介して、18歳への引き下げを求めました。
これに対して片山虎之助総務相は、各党会派の議論を求めるとともに、個人的には今の18歳に思慮分別があるかいろいろな意見があるので、総合的に検討すべき課題だと答えました。
●【報告】選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会結成
国会集会の呼びかけ人となった超党派の議員が世話人となって、「選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会」が3月13日に結成されました。第1回懇談会は、朝日新聞論説委員の伊中義明さんを講師に迎え、「選挙権年齢の引き下げと若者の政治参加」というテーマで講演と意見交換を行いました。
伊中さんは、「なぜ今20歳なのか」と問いかけ、成人年齢を規定する民法は1896年に制定されていることを紹介。世代間の対立による社会の活力の減少を考えれば、早期に若者の意見を反映させる必要があると訴えました。若者の政治的判断能力への疑問に対しては不十分な教育を指摘。高校卒業から成人までの2年間のブランクによる関心の低下もあるとして、模擬投票など現実政治に触れる政治教育が重要だと述べました。そして、国会は20年後の社会を見据えることができなければならず、若者の意見を反映できる政党でなければ時代遅れとなり衰えていくと、国会議員の奮起を求めました。
参加議員も超党派から50名(代理を含む)を超え、質疑応答・意見交換で時間が超過するなど活発な議論で、順調に活動を始めました。今後は月1回のペースで会を重ね、選挙権年齢引き下げの立法を模索します。
●【報告】選挙権年齢の引き下げを考える国会集会200人参加で大成功!
2月13日(水)11:00~12:00の、たった1時間。限られた時間の中での集会したが、国会議員71名(代理を含む)など200名の参加者をえました。多数の国会議員を前に、「選挙権年齢の引き下げ」が確実に盛り上がっていることを見せることができたと思います。
はじめに、総務省、法務省から、それぞれの立場で選挙権年齢の引き下げについての見解を述べてもらいました。
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野田聖子議員(自民) 私としては、意識や関心がある人には広く認めてしかるべきであり、特に18歳である必要も無いように思う。その理由のひとつに、児童買春・ポルノ禁止法案が国会で承認されたということがある。そこで問題になったのは、この「児童」というものが何歳までの事をさすのかということについてであり、世界的には18歳以下が「児童」として認定されている。これは、「18歳以下=子ども⇔おとな」ということになり、この際年齢はわかりやすく18歳以上に統一的にすべきではないのかということである。もうひとつの理由は、将来にリアリティを感じられる世代にはその未来を決定する意思決定段階にどんどん参加すべきであると考えるからである。
小宮山洋子議員(民主) 最近では若者の投票率の低さが著しいが、若者の投票率の低さの影には「他人事のような政治」というものがある。教育の一環としても、何も選挙や政治のことについて実態をもって教えてはくれないし、民主主義についても教えてくれない。選挙権を引き下げることによって、若い人たちが関心を持ってもらえるようにすべきである。国会での審議の優先順位が上がっていくように頑張っていきたい。
石井啓一議員(公明) 若者が意見を言う場を提供するということは、重要である。わが国はこのまま変化も無いまま未来に進んでいくと、少子高齢化が激しくなってゆき、若者の意見はますます反映されにくくなる。少子高齢化の問題は、若者の負担が多くなっていくということであるため、若者にとっての問題なのであり、彼らの意見を汲み取っていかなければいけないのである。また、若い人の投票率に関しては、選挙権年齢の引き下げと同時に政治や社会が若者に対して積極性を促すような働きかけをすることが必要である。
石井郁子議員(共産) 選挙権年齢ひきさげに関しては相当気運が盛り上がってきている。このような各党から集まっている集会は大変うれしく思うし、我々としても、この問題には全力を挙げて取り組んでいきたいと思う。高卒で職について納税まですれば社会的義務も果たすもので、世間からは「成人」とみなされているような人に選挙権がないのはおかしいことである。最近では就職難などをよく聞くが、それらは政治の問題である。政治の扉を閉め義務は課されていても、権利もあたえられず「近頃の若者は…」と言うのはおかしいことで、早期に解決されるように全力を挙げたい。
西岡武夫議員(自由) 若者が選挙に参画する、具体的に参加することが必要である。具体的にはどのような方法論があるかということだが、まずは速やかに具体性をもつために法整備をしなければならない。別々の法律同士ではそれぞれの解釈が違うためうまくいかないが、選挙権年齢を引き下げることという議論に成人年齢の引き下げも盛り込むことによって、成人年齢をも一気に改正することができる。幸いなことに、成人年齢は憲法には規定されておらず、それぞれの法に委任されているため改正することは簡単とは言わないまでも可能である。
原陽子議員(社民) 最近ではよく「若者は政治に無関心だ」といわれているが、今の政治も、若者に対して無関心なのではないかと、このごろよく思うのである。若者に対して「政治に興味を持て」と訴えるのと同時に、政治は、なぜ若者が政治に興味を持たないのかを考えなければならない。その点でひとついえることは、投票する1票の意味がわからないということが挙げられる。これは、教育にも問題がある証拠である。もっと若者に対して開かれたものになり、若者が日本を作るようになっていけるようにしたい。
鶴保庸介議員(保守) 子どもの意見を親が聞いて、候補者を選ぶということが多くなってきている。親たちは、子どもたちの頑張る姿を見て、「子どもたちの未来」を預けられる候補者を選ぶのである。したがって、子どもたちに着眼して政策を提案する候補者は自然と人気が高くなるのである。選挙や政治活動についても、考えていかなければならない問題である。最近では若い世代だからといって特におとなと比べ劣っているというわけでもなく、インターネットなども普及しているのであって、もっと若者が参加できるようにしてもいいだろう。
アピール採択
今年1月に発表された厚生労働省の予測によると、2050年には65歳以上の高齢者が全人口の35.7%を占めるとされています。このことは、20歳から64歳までの現役世代にとって、3人で2人の高齢者を支えることを意味します。
子ども・若者は、こうした少子高齢化をはじめ、地球環境の悪化や経済の低成長、財政逼迫による税や社会保障の重い負担、そしてテロ事件を契機とした安全保障のあり方など、未来の責任から逃れることができません。子ども・若者の意見を政治に反映させ、世代間の均衡を保ち、各世代が連帯できる社会をつくる必要があります。
また、阪神淡路大震災や薬害エイズ事件などを契機に、多くの子ども・若者が、環境保全や国際協力に関わるNPO・市民活動やベンチャービジネスに携わるなど、主体的で積極的な社会参加が増えています。
いまこそ、子ども・若者の社会的意思決定過程への参加としての政治参加をすすめるため、選挙権年齢の引き下げを求めます。すでに、18歳以上に選挙権を保障している国は世界173ヶ国中149ヶ国にのぼっており、18歳選挙権は世界の潮流になっています。
今日、国会議員と子ども・若者が、これまでの距離を越えて一堂に会し、意見を交わすことができました。この成果をふまえ、賛同する議員と子ども・若者が協力して、世代を超えた多くの人々に理解の輪を広げ、選挙権年齢の引き下げを実現します。
2002年2月13日
選挙権年齢の引き下げを考える国会集会参加者一同
下村博文議員のおわりの言葉 今回の会合はとても画期的なものになるだろう。選挙権の引き下げは世界的潮流でもあるし、すぐにでも必要である。
しかし、超党派で皆が賛成ならすぐに法律を作って引き下げを実現すればいいと思うかもしれないが、実際はプロセスが大事であり、わが国の場合は自立した個人、自分が政治に参加してゆくことをきちんと理解できる個人の確立が大事である。また、選挙権年齢の引き下げだけでなく、成人年齢の議論もやはりしなければならないため、賛成だからといってすぐにとは行かない。
この国のあり方を考え、世論を形成することが必要である。みなさんも、政治家たちだけに頼る「他力本願」ではなく、自らも主張してゆく「自力本願」になるようになって欲しい。市民団体からも法改正の原動力となる動きをして欲しいし、若者の意識を高める働きかけも積極的に行なって欲しい。今日の日が、わが国のターニングポイントとなるように、我々も努力していきたいので、皆さんも是非協力してもらいたい。
●【報告】国会で選挙権年齢の引き下げ論議!!
6月6日水曜日、ちょうどこの日は小雨が続いていた。私は期待に胸を膨らませながら国会へ向かった。阿久津幸彦衆議院議員(民主党)から彼の所属する委員会で選挙権年齢の引き下げに関して質問をするということであった。これまで党派を超え、国会議員に選挙権年齢引き下げの重要性を訴えるため、日々国会に足を運びつづけることで少しずつ理解を得てきた実感が一気に心に湧いてきた。
彼の所属する委員会は「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(略称:倫選特)」で、主に選挙制度について議論するところである。16時6分、「本日は、現在の選挙権制度が抱えるさまざまな問題点について質問をさせていただきます。」厳粛とした中で阿久津議員の質問が始まった。阿久津議員の質問に答弁するのは片山虎之助総務大臣と遠藤和良副大臣であった。
質問の要旨は①20歳とする選挙権年齢の根拠はなにか、選挙権年齢と成人年齢を一致する必要があるか、②総務省として世論調査をする意思があるか、③被選挙権年齢を25歳と30歳と定める根拠はなにかである。
①について遠藤副大臣は「それ(20歳)は公職選挙法で定められていて、民法上の年齢と必ずしも一致しなければならないということではない。ただ司法上、判断能力を前提とする民法上の成年と政治に参加して選挙権を行使できるだけの判断力を前提とする選挙権年齢とを異にするだけの理由がない。また成人年齢や選挙犯罪の観点からの刑事上など法律体系全般との整合性も考慮しなければならない。」と答弁した。それに対して阿久津議員は「刑法、少年法とかいろいろ関係法令はあるが、それとともに成人年齢は非常に重きを置いているのではないか、それを前提にした上で選挙権年齢を決めていると考えていいのか」と問いつめた。それに対して片山大臣は「…一人前は20歳以上とする昔ながらの、観念的にもそういう社会通念があり、そこに合わせたのだろうと思うし、それはそれでいいんではないか」と答弁した。続いて阿久津議員は「民法、少年法、関係法令等が18歳を成人とするなら、選挙権も引き下げる事は可能か」と迫ったが、片山大臣は「別に民法、刑法等と連動させようというわけではなく、また結果として両方の考えが一致して20歳になった。また政治に参加するには思慮分別があり、社会的な責任を果たせる人でなければいけない。一種のポピュリズムになる可能性もあるから慎重に検討すべきである」と述べ、引き下げに関して消極的な意見に留まった。それに対して阿久津議員は「50年前の内務事務官が述べたことと一緒だ」と指摘した。
②については18歳の若者たちは一種のポピュリズムに陥りやすいという大臣の見解に納得のいかない阿久津議員が「今、本当に10代、20代に熱心な若者がたくさんいる。ですから1971年から1978年にかけて行なわれた青年の政治意識調査をもう一度、総務省として行なってほしい」と要望した。それに対して遠藤副大臣は「調査の結果は16歳から19歳までの層も、20歳以上の層も選挙権年齢の引き下げには反対の人が多く、またそのころの意識とあまり変わってないので、それ以来、調査はしていない。」と答えたが、阿久津議員は「しかしその後、大きな国民意識の変化があったと考えている。政治参加を目指して出来たRightsが昨年の衆議院議員選挙の直前に全候補者1,124名を対象にアンケートを行なった。回答率は41.3%、464名だったと聞いているがこの中で18歳への引き下げに賛成だったのは93%です。こういったことも踏まえて、是非調査をやって頂きたい。」と食い下がった。これに対して片山大臣は「検討だけはしてみたい。またこの問題は各党会派で党として御議論いただくことが前提だ。」とようやく調査を行なう意思を見せた。
③については現在の被選挙権は25歳、30歳であるが、その根拠はなにか、成人に被選挙権を保障しなくてもよいのかという質問に対し遠藤副大臣は「選挙権と被選挙権の年齢に区別を設けているのは、社会的経験に基づく思慮と分別を期待しているもので、この年齢がそれぞれ適当であるとされている」と答弁した。
今回、総務大臣、副大臣の答弁でよく分かったが、今の時代の若者は、選挙権を与えるのにふさわしい判断力や社会で責任のとれる判断力を備えていないという見方が相当強く感じられた。このことは重く受け止めなければならないが、そういった状況だからこそ、世代を超えて理解を求め合う場が必要なのではないか。Rightsとしては9月から始まる臨時国会で、選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会を設けて、そういった認識の違いを理解し合いながら選挙権年齢の引き下げの是非を真摯に訴えて行きたい。
今こそ立ち上がる時がきた。意気揚揚と歩きながら小雨がやんで晴々とした夕暮れ時の空の下で後ろから背中をぽんと押してくれる風を感じた。
●【資料】選挙権年齢の引き下げ等に関する法律案骨子
私たちの選挙権・被選挙権および民法(成年)・少年法(少年)の引き下げについての考え方をまとめたものです。
ファイルをダウンロード ※使用する場合は引用を明記してください。
●【報告】第5回フォーラム「若者の政治参加が未来を変える!!」
5月9日(水)に代々木の国立青少年センターで第5回Rightsフォーラムが行なわれました。今回は第1回Rightsフォーラムにお越しいただいた、朝日新聞論説委員の伊中義明さんをお呼びして「若者の政治参加が未来を変える!!」というテーマの下、Rightsの原点である選挙権年齢引き下げと若者の政治参加についての講演とディスカッションを行ないました。
現在の選挙権年齢は18歳というのが世界の潮流で、その数、実に140ヶ国以上です。選挙権年齢が20歳という国は日本や韓国等といった少数派です。ただ世界各国が昔から18歳選挙権なのかというとそうではなく、1960年代以降に引き下げられていきました。その理由は主に2点あります。ひとつは学生運動です。欧州などでは活発な学生運動を展開していた世代を政治に取り込んでしまおうという意図で、選挙権年齢が引き下げられました。もうひとつは、徴兵制です。徴兵年齢は18歳ですがその世代には選挙権がありませんでした。その為、選挙権のない世代、つまり政治に対して何の意思表明も出来ない世代を戦争にかり出して良いのかという議論が巻き起こりました。その結果、選挙権年齢が引き下げられたのです。
では何故、日本で選挙権年齢の引き下げが必要なのでしょうか。まず、平均寿命が延びている事が挙げられます。寿命が延びるという事は選挙権年齢の上昇を意味します。政治家は自分に票を入れてくれる人の為に政策をつくる傾向にありますので、高齢者世代の有権者が増加すると、高齢者の政治的影響力が増大する事になります。今の日本は高齢者世代になるほど投票率が上昇するという状況も、それに拍車をかけています。高齢者世代の政治的影響力が増えすぎると様々なところで世代間の不均衡が出てきます。例えば今の日本経済は政府による多額の財政出動により支えられているため、将来的に生活水準が低下するという懸念があります。また年金も今の賦課方式では、若者が減り、高齢者が増加するにつれて1人当たりの負担が増えていきます。
このように今の日本には、世代間の負担を調和するシステム作りを急ぐ必要があります。しかし、若年世代の政治的影響力が少ない現状では、若者の意 見が反映されない制度が作られてしまう恐れがあります。
そこで考えられるのが18歳選挙権なのです。選挙権年齢を18歳に下げると有権者が約300万人ふえます。300万人というのは絶対数としては少ないかもしれませんが、若者が意見を言えない事は不公平ではないでしょうか。また、20歳で選挙権を与えると高校卒業から2年間のブランクがあるため、その間に政治に対する関心が低くなってしまいますが、18歳選挙権では、高校3年生でも選挙に行けるようになり、学校教育にも影響を与えます。同時に被選挙権も18歳に下げるべきです。18歳で被選挙権を得るということは、大学生でも選挙に立てるので、政治を身近に感じられるようになり、若い世代への影響は大きいものになるでしょう。
それと共に政治教育を充実させる必要もあります。日本の政治教育は政治システムには触れるが、実際の政党や政策に触れる事はタブー視されています。それは政治に関心を持ち自分なりの判断を下せるような教育にしていく必要があります。
今回のフォーラムは、多くの初参加者を含め約40人の方に参加していただけました。結成して1年というこの時期に、Rightsの根本理念である「選挙権年齢の引き下げと若者の政治参加」がテーマのフォーラムにこれだけの方が参加していただけた事は、Rightsの活動が確実に浸透してきている証左ではないでしょうか。このフォーラムをRightsがより一層エンパワメントするきっかけにしなければなりません。
●【報告】クレッツァー来日記念イベントを開催!!
クレッツァー来日
さる3月28日、渋谷の東京ウィメンズプラザにて、RightsとNPO法人子ども劇場全国センターの主催により「ここがおかしい選挙権年齢!!」が開かれた。これは、ドイツの若者による団体、クレッツァーの16歳女性ふたり――メタ・ステファン、ポーラ・セルの来日を記念した、若者の政治参加のあり方を考えようというイベントだ。
92年、子どもはどのような差別を受けているのか、それを考えようとした数人が動き始めた。クレッツァーの誕生である。ドイツ内外の様々なイベントに顔を出し、彼らのテーマ「子どもの権利を勝ち取ろう」を広めようと訴えている。
肌の色などによる差別は改善されてきても、子ども、人口の2割を占める子どもの権利は依然として少ないままだ。子どもは教育などの「対象」としてしか見られていない。ポーラは憤る。「みんな、かつては子どもでした。自由やデモクラシーを子ども時代に味わえなければ大人になっても子どもに与えられないでしょう」。
子どもにも、大人と対等の権利を――それが、クレッツァーの主張である。
クレッツァーと選挙権年齢
「選挙権は基本的人権のひとつ。基本的人権はすべての人に保障されなければなりません。選挙をしたければ子どもも大人も参加できなければいけないでしょう」、ポーラは言う。
民主主義はすべての人の権利を保障する。子どもも民主主義の対象である。それなのに、なぜ、子どもには基本的人権なる選挙権が与えられないのか?ドイツでは子どもに関心がもたれないという。子どももまた、選挙権のないがゆえに政治家に対して意見を言えない。
改善されぬ現実に対し、クレッツァーは95年、行動を起こした。選挙権の保有に年齢制限があるのは違憲であると、裁判所に訴えたのである。この裁判を通じてクレッツァーが訴えたかったのは何か。「子どもが選挙に行きたいのだと訴えている、それが明らかになるというのも目的のひとつではありました。しかしやはり、本当にしたいことは、“生まれたときから権利を保有している”という状態なんです」。
だが結局、決定は芳しくなかった。「訴えは発布後1年間のみ認められる」――ドイツの憲法は、1950年に発布されていた。
ドイツの中には選挙権の年齢制限を16歳に引き下げる動きもある。実際、いくつかの州ではすでに選挙権年齢は16歳である。
しかし、これはまったく根本的解決ではあり得ない。「制限を下げたって、“投票可能な人”のみ選挙を認められるということに変わりはなく、結局青少年は疎外されています」、メタの発言だ。ポーラはさらに、「私たちはあくまでも、制限をなくすことを訴えたい。“投票可能な人”と言うけれど、大人だってテストされているわけじゃないでしょう。16歳から選挙できます、なんて引き下げられたって、ナンセンスよ」と、実に堂々と宣言した。
選挙権年齢を引き下げることに留まらず、制限そのものに疑問を抱き、クレッツァーは選挙権の年齢制限撤廃を訴え続けているのだ。
政治に無関心な若者
政治には関心がもたれないと言われる。20代の投票率は20%台を低迷したままだ。
ドイツにも、政治に無関心な若者は多くいる。しかし、日本との違いは、学校の授業などで政治が語られ、また授業外においても社会の動きがよく話されるというところだ。
「ただひとつ、言えることがあります。子どもが社会についてあまり関心をもつことができないのは、選挙権をもっていないためであり、そのために、自分自身は政治に、社会にあまり関わることができないのだろうと考えてしまうということです」。メタは断言する。
ともにパネリストを務めるRights幹事林孝一はこう言う。「まず日本の若い人たちはあまり政治一般に対する関心がない。政治は生活と密着しているものなのに」。「関心をもたないことのひとつの理由は、自分が参加できないから、ということ。政治に無関心―年齢制限がある、政治参加できない―より無関心となる―こうした悪循環があるのではないでしょうか」、これはメタの発言だ。
また、政治教育についてのディスカッションでは、日独の違いが明らかに示された。
コーディネーターを務めるRights幹事小林庸平の発言はこうだ。「日本では政治システムは教えるが、現実政治は教えません。何も触れないことが“政治的中立だ”とされています。ドイツではどうか。現実政治を語ることに悪影響は果たしてあるんでしょうか」。これに答えてメタは言う。「きちんと話し合われることが必要ですよね。ドイツでは、先生が考える素材として最低限の事実を教え、生徒は自由に意見交換を行います」。
しかしもちろん、ドイツにおいても、政治について話すこと自体に違和感をもつ者は多い。これまで選挙権年齢の制限撤廃など考えたこともなかったという者、クレッツァーの主張を聞いて驚く者も多い。少しでも共感を得たい、少しでも政治参加に興味をもってもらいたい、そうした気持ちでクレッツァーは様々な場で訴えることを続けている。
「権利とは弱者を守るためにあるものである」
クレッツァーは、被選挙権年齢についても制限を撤廃すべきだと主張している。これは過激な主張のようにも思えるが、少し考えてみればそれが妥当であることがわかるだろう。たとえば、弱冠5歳の少年が選挙に立候補したとしよう。彼は他の候補者と同様、有権者による投票によって厳密に審査される。民主主義において、多数の有権者が認めたことは正当なことである。したがって、彼が当選したとするならば、彼は正当に有権者に認められた――議員としての能力、また資格のある者であるということになる。たとえ彼の雇う年長者が彼に指示されることに不満を抱いたとしても、責務は全うしなければならない。
何歳であっても正当に選ばれることがなければ、立候補しただけで議員になることはできない。そうであってみれば、被選挙権の年齢制限を撤廃することに何の問題もない。
これに対し小林は率直な疑問を述べた。すなわち、「クレッツァーというのはすべての面において差をなくそうと考えているのか」。ポーラは言う。「大人と子どもがまったく同じというわけではない。けれど、権利は同等に与えられるべきです。権利というものは、強者から身を守るために使うことができます。子どもは大人よりも弱い立場にあり、子どもは大人と同等に、もしくはそれ以上に権利をもつべきなんです」。
Rightsは被選挙権年齢について、難しい問題ではあるがせめて成人年齢までは引き下げよう、という意見が大勢を占めている。
「いきなりゼロにするのは難しい。小さいところから始めるのが賢明でしょう。小さな一歩も改善ではあるのだから」、ポーラの力強い発言に一同は力づけられたのではなかろうか。
質疑応答
会場からの発言も盛んであった。
「今はNPO・NGOの活動も盛ん。政治は何も“永田町”に任せる必要はないはず。“年齢制限撤廃”よりも、若い者がいかに社会に働きかけ、異議申し立てしていけるか、を考えることが大切では?」という発言に対しては、「権利はあくまでも可能性としてあることが大切。子どもが意見を言えることが保障されることが必要なんです。生じ得る様々なデメリットとメリット、どちらが重いか考えてみてください」とポーラが必死に訴えた。
参加者のひとりは、権利と義務について疑義を表した。権利を与えるならば義務をも同等に与えるのか?と。それに対しては、「権利は“ある”ものであって、行動するものではない。しかし義務は遂行されるものであり、それなりの能力を必要とされるはずです。子どもは大人と比べて弱い。経験も少ない。子どもに大人と同等の義務を遂行されることは不可能でしょう」と答え、権利と義務との違いを明らかにした。
日独交流を通して
クレッツァーの主張は一見過激なようにもとれるが、しかし来日したメタとポーラの整然とした理論的な説明を聞けばその妥当性を納得させられてしまう。
「許可された者のみ投票する」現状から「したい者が投票できる」制度へ。クレッツァーの主張はこの一点に終始するといってもよいだろう。
風土の違いを超えここに一つの交流が生まれたことを、決して単なる「イベント」に留まらせてはならない。
●【報告】国会議員シンポジウムに150人の参加!
11月15日(水)に代々木の国立青少年センターで、Rights主催による、国会議員シンポジウム「若者の政治参加をめざして-選挙権年齢引き下げを考える-」というイベントが開催されました。主要6政党から下村博文さん(自民)、枝野幸男さん(民主)、高木陽介さん(公明)、春名直章さん(共産)、保坂展人さん(社民)、武山百合子さん(自由)の6人の国会議員が集い、Rightsが目的として掲げる若者の政治参加や選挙権年齢の引き下げについて、活発な議論が交わされました。
このシンポジウムは、企画から当日の運営まで、すべてRightsのスタッフが手掛けました。私たち1人1人の願いが今を変える大きな動きになっていくことを信じて。シンポジウムには多数の聴衆のご参加もいただき、私たちの願いが少しずつ何かを呼び寄せつつあると感じました。そのシンポジウムの様子を皆さんに報告したいと思います。
「皆さん、楽しんでください」
「皆さん、楽しんでください」。11月15日午後4時半、Rights代表の大友新君は、最終打ち合わせでスタッフが集まった部屋で、みんなにそう言葉をかけました。スタッフは総勢30名以上。それぞれが大学も学年も専門もバラバラですが、若者の政治参加へ向けての情熱だけは誰にも負けないという人々がそろっています。大友君の挨拶が終わると、スタッフは5つの役割(受付、記録、パネリスト接待、設営・場内整理、場外誘導)に分かれて、それぞれに担当の仕事を開始しました。その光景はバンドや演劇の設営準備にも近いですが、スタッフには、今までにない新しい主旨のイベントを開催するという創造の喜びもあります。パネリストの国会議員が次々と会場に到着しているとの連絡も入り、スタッフの志気もあがりました。
会場はほぼ満席
午後6時から、会場で受付が開始されました。天気はあいにくの雨でしたが、受付開始から開会までとまることなくお客さんが入り、150人を超えるお客さんが入りました。Rightsのイベントへの2回目の参加になる大学生は、「民主主義の向上のためには、ハード面とソフト面が必要だと思います。ハード面は選挙制度の改正で、ソフト面は学校教育の改革。今回の企画を通じて少しずつその考えが世の中に広まっていくことに期待しています」と語っていました。
また今回が初めてという大学生は「個人的には、選挙権年齢の引き下げは、政治的無関心を改善する政策ではないように思います。きちんと判断できずに変な議員が当選する可能性もあるし。でも、その若者の政治的無関心を何とかしていけるものがあるのかどうか、聞いてみたいと思っています」と話してくれました。
多様な意見を持つ人々が、共通の関心のもとに集ってくる。その関心の高さと、そういう「場」が創造されたことの意味がひしひしと伝わってくる。会場には、その雰囲気がありました。
シンポジウム開始
午後6時30分、シンポジウムが始まりました。パネリストの議員が次々に入場し、大友君がRightsの活動内容を紹介。その後、Rights副代表の高橋亮平君のコーディネートのもと、討論が開始されました。以下に討論の一部を掲載しましたので、ぜひ白熱した討論に触れてみてください。
高橋 選挙権、被選挙権年齢の引き下げについての賛否と、その理由をお聞かせください。また、民法や少年法の改正もふまえた考えについても、お願いします。
春名(共産) 私は、選挙権年齢の引き下げは実現すべきであると思います。世界の趨勢でもありますし、日本はこれほど遅れていていいのだろうか、と思っています。日本社会には青年をどう位置づけるかという問題がありますが、私は18歳を社会を構成する成人として位置づけていいと思います。被選挙権については、国によって様々であり、現在研究中です。
保坂(社民) 賛成です。あえて言いたいこととして、戦いとるのが権利です。もぎとってやろうという熱い声が必要です。少年法を引き下げるから選挙権というのは、おかしな議論です。被選挙権は、20歳以上でやってみたらどうかと思っています。
下村(自民) 選挙権も被選挙権も18歳以上にするべきだと思います。数字にはそれほど根拠がないわけですから、若い人たちが広範な議論をして、その中で決めていくべきことだと思います。
枝野(民主) 15歳で選挙権、が理論的にはあっていると思います。ただし、国民の心理的反発もあるため18歳が妥当です。しかし、そのことを国会で審議してもらえないのが、今の与党のやり方です。全部そろえて、関連法もあわせて改正した方がわかりやすいし、選挙権も被選挙権も同年齢で与えるべきだと思います。
高木(公明) 明治時代には、民法では20歳で成人とするとされていましたが、天皇だけは18歳で成人になるとなっていました。何をもって一人前とするのか、ひじょうに曖昧です。何をもって権利とするべきなのかという議論を煮詰めるべきです。若い世代も勤労や納税などの社会的責務を果たしているわけですから、選挙権も被選挙権も同年齢で与えるべきだと思います。
武山(自由) 民法とセットで18歳というのが、自由党の政策です。
高橋 それでは選挙権年齢引き下げの実現には何が必要となってくるのでしょうか。それぞれお答えください。
保坂 青少年問題について、若者を国会に呼んでやろうとしたことがあるのですが、官僚が反対しています。国会に若者を呼ばなきゃ始まりません。古い人たちが跋扈している国会を揺さぶってほしい。今まで落選運動などの活動が盛り上がりを見せたことがありました。インターネットなどで知恵と力のある運動を展開してほしいと思います。
下村 引き下げに反対の人が多い世論調査結果があります。30年前に、中曽根さんが奇しくもここの場所で、「18歳にすべき」と発言したことがあります。現在は党内論議がされるべき状況ではありませんが、運動・マスコミなどを通じて、世論として当然でてくると思います。
枝野 インターネットは影響力が強いので、広めていくことは充分可能だと思います。これはおかしいと思ったときは、実は政治家も敏感に感じるものです。一度行動が起きたら、わっと火がつく時もあるといえます。
高木 権利について、自分たちがほしいのかどうか、問い直してほしい。歴史の中で、多くの国民は、権利はお上からもらったものと思っています。そういう流れを変えていかなくてはならないと思います。ただ、その動きの中で気をつけなくてはならないのは、インターネットや落選運動などの点を考えても、事実と真実はイコールではないということです。必ず主観が入ります。1人1人の中で情報をとらえて判断していくべきです。
春名 社会全体の中での18歳以上の位置づけが問われることになると思います。実現のためには、この問題では各政党横並びも可ですので、熱いエールを送ってほしいと思います。以前、自治省の役人に、選挙権の引き下げは世界の趨勢と話したところ、世論が盛り上がっていないから、という答えが返ってきたことがあります。その意見にも一理あります。みんなで世論を盛り上げていくべきだと思います。
今回のシンポジウムを振り返って
今回のシンポジウムを振り返って、評価すべき点として、Rightsの活動が具体的な成果となって現れ始めたこと(主要各政党の出席)、私達とまだまだ距離が遠い政治家と直接意見の交換ができる場が用意されたこと、各政党の政治家の意見が18歳への引き下げに前向きであることが確認できたこと、などが挙げられると思います。今後検討するべき点としては、討論が時間的制約と共に、マクロ的・理念的な内容となってしまい具体的な18歳引き下げへの政策実現のプロセスについての議論が充分ではなかったこと、18歳引き下げの政策の重要性が他の政策との比較の点で各政党において重視されていないこと、必ずしも18歳への引き下げが若者も含めた多数の人々の要望となっていないこと、などがあります。
それらの問題を克服するために、Rights側からの政策実現へ向けての具体的なプロセスの提案と、それを国民・政党に広報していくこと、経済政策の重要性と若者の政治参加の重要性をリンクさせて政党側に説明していくこと、若者の意思集約のために多方面での企画を用意し「18歳引き下げは若者の意志」という幅広い合意をかたちづくっていく必要があると思います。
●【報告】第4回フォーラム「18歳から投票した合併市民意向調査」
11月2日(木)に国立青少年センターで第4回Rightsフォーラムが行われました。今回は、田無市・保谷市合併協議会事務局の斉藤治さんに「18歳から投票した合併市民意向調査」というテーマで報告していただき、それを踏まえてフリーディスカッションを行いました。学園祭シーズンと重なってしまったこと、あいにくの悪天候だったこともあって、参加者は15名と寂しいものでしたが、ひとりひとりが意見を言えるなど、内容は充実したものでした。
投票権を18歳以上に!
今年7月30日に田無・保谷両市の合併の是非を問う市民意向調査が行われました。これは特に条例に基づいたものではなく、住民の意向を聞くいわばアンケートの形式でしたが、両市長はどちらかの市で反対票が賛成票を上回れば合併は行わないと明言し、実質的には住民投票と同じ意味を持っていました。結果は賛成多数で、合併に大きく前進したのですが、今回の意向調査で注目されるべき点は投票権の年齢を20歳ではなく、18歳以上にしたことでした。両市の合併協議会による「選挙と違い、まちの将来の問題なので、少しでも多くの人に参加してもらいたい」という判断のもとでの実施でした。協議会内では「16歳以上にすべきだ」という意見も出たそうです。
全体44%、18歳37%、19歳32%
市民意向調査の投票率は44.17%、うち18歳は36.97%、19歳は32.20%でした。全体の投票率は高いものとはいえませんが、18歳・19歳の投票率は他の世代と比べて決して低すぎるものではありませんでした。末木田無市長は「若い人はよく参加してくれた」と話しています。第3回フォーラムでも議論になりましたが、19歳よりも18歳のほうが投票率が高いということは、18歳は学校において政治的センスを学んでいるからなのでしょうか。19歳は学んでからの時間がたち過ぎて冷めてしまっているからなのでしょうか。この結果だけでは判断がつきませんが、いずれにしろ、今回の住民意向調査は選挙権年齢引き下げへに向けた試運転という意味で、大きなきっかけになったのではないでしょうか。
●18歳への引き下げに93%が賛成
衆議院選挙候補者アンケート結果
結成直後の6月に衆議院選挙の候補者に選挙権年齢の引き下げに関するアンケートをFAXで実施しました。2週間の短期間にもかかわらず送付できた1,124名のうち464名(41.3%)から回答が寄せられました。政党別には自民33名(11.4%)、民主85名(34.4%)、公明11名(28.9%)、自由14名(23.7%)、共産248名(74.7%)、社民45名(68.2%)などとなっており、共産、社民両党の回答率が際だって高くなっています。
まず、選挙権年齢の18歳への引き下げは賛成430名(92.7%)、反対12名(2.6%)となっています。公約している民主、公明、共産、社民などに反対はありませんでしたが、自民は賛成33.3%と半数に達していません。
賛成の理由は「政治問題を判断する能力がある」196名(45.6%)、「若い人の意見を政治に反映させた方がよい」115名(26.7%)「政治に参加させる機会を与えた方がよい」83名(19.3%)が多く、共産は判断能力が、公明、自由、社民などは意見反映がそれぞれ理由の過半数を占めています。
民法3条の成人年齢(20歳)と少年法2条1項の少年年齢(20歳未満)の引き下げは、必要がそれぞれ376名(81.0%)、368名(79.5%)と8割前後になっています。共産は各9割、公明、自由が各7割、自民、社民が各6割なのに対し、民主は少年法が56.5%と低くなっています。
被選挙権年齢の引き下げは、衆議院(25歳)が賛成111名(23.9%)、反対109名(23.5%)、どちらともいえない226名(48.7%)、参議院(30歳)が賛成170名(36.6%)、反対58名(12.5%)、どちらともいえない220名(47.4%)と多くが態度を決めかねています。衆参とも自民、自由は反対が、社民は賛成が共産はどちらともいえないが過半数になっており、政党によるバラツキが最も見られました。賛成の場合、年齢は衆議院20歳、参議院25歳がそれぞれ5割近くになっています。
高校生の政治活動を禁じる文部省通知の撤廃は賛成376名(81.2%)、反対39名(8.4%)です。共産、社民の9割強、民主の8割弱が賛成なのに対し、自民の4割弱、公明の6割強が反対で、自由は賛否がほぼ半々となっています。
●【報告】第1回フォーラム「若者の政治参加と選挙権年齢」
6月16日(金)に渋谷区立千駄ヶ谷区民会館で第1回Rightsフォーラムが行われました。今回は、朝日新聞論説委員の伊中義明さんに「若者の政治参加と選挙権年齢」というテーマで講演していただき、それを踏まえてフリーディスカッションを行いました。講演内容、フリーディスカッションの内容とも充実したものとなり、とても有意義な企画でした。
高齢化社会の歪みをどう正すか
日本の平均寿命は、この40年間で男が13.9歳、女が16.2歳延びました。今後10年間に15~24歳人口は600万人減り、65歳以上は600万人増えると予測されます。 人口構成の偏りは、政治が高齢者の意志で動きがちになることを意味します。選挙では「数」がものを言うからです。投票率も年齢が上がるほど高くなる傾向があります。人口の少ない若年層は投票率が低く、人口の多い高齢層の投票率は高い。政党も政治家も誰のために政策を展開するかといえば、自分達に投票してくれる人のために政策を展開したくなります。政党はますます高齢者向けの政策に力をいれるでしょう。そうなれば、さまざまな分野で世代間の不平等等が拡大し、若者が政治から遠ざかる悪循環に陥りかねません。民主主義を脅かすジレンマといえます。
年金をめぐる世代対立は、その典型です。厚生年金の給付額を物価や給与水準に沿って増やすと、18歳の若者が44歳になる2025年には現在のほぼ倍の保険料になります。そこに老人医療や介護保険が加わる。それを現役世代が負担できるでしょうか。それだけではありません。企業の年金負担が増えれば国際競争力が落ち、賃金の低下や雇用不安につながり、さらには貯蓄率が低下し投資が縮小して、経済成長も落ち込むのではないかと思われます。それにもかかわらず高齢者の政治力ばかりが強まれば、年金給付額の伸びは抑えられないと思います。高齢者人口の多い地域への公共事業を削減するのも難しくなるでしょう。
高齢世代を若い世代が支えるのは、社会の安定化にとって重要なことです。いたずらに対立をあおるのは良くないと思います。ならばなおのこと、世代間の均衡を保ち、各世代が納得できる社会システムをつくる必要があります。若い世代の意志が政治に、よりいっそう反映される仕組みを整えなければならないと思います。
若者の意志を反映させる選挙権年齢引き下げ
その一歩として選挙権を18歳に引き下げるべきだと思います。参政権には年齢の上限がありませんから、平均寿命が延びていることで、高齢層の声は常に大きくなっているといえます。それならば選挙権年齢の引き下げを行い、若年層の声も大きくしなければバランスが悪いと思います。あわせて被選挙権年齢も大幅に引き下げてはどうでしょうか。1945年、日本では選挙権は20歳以上と定められました。そのころ世界の大勢は21歳でした。ところが69年の英国を先頭に、70年代半ばにかけて欧米諸国で18歳への引き下げが相次ぎました。当時、欧州は大学紛争、米国はベトナム戦争に直面していました。18歳を自立した大人と認める報告が各国で出され、兵役義務のある若者には選挙権を与えるべきだという意見が大勢を占めました。欧米から後れること30年となってしまいましたが、日本でも若者の政治参加の問題に真剣に取り組むべき時を迎えたのではないでしょうか。その際、20歳を成年と定めている民法の規定との整合性が問題になります。20歳未満を保護の対象としている少年法の改正問題とも連関します。実際の社会では高卒者の2割以上は働いていますし、自衛隊員募集も18歳からです。各国が成年年齢を18歳に引き下げたことを見ても、20歳からを大人と定める根拠は薄れてきているのではないでしょうか。18歳以上に選挙権を与えれば、約350万人が新たに有権者になります。「若者に選挙権を与えても、どうせ投票率が低く、実効性はない」との意見もあるかもしれません。だが、まずは日本がどんな社会をめざすべきかを若い世代が自ら考え選択する機会を与えることが大切だと思います。選挙権や被選挙権年齢の引き下げを契機に、若者の政治への関心が高まることも予想されます。大学生でも選挙に挑戦できるなら、政治がぐっと身近になるでしょう。
若者が政治に参加し、彼らの意志が高齢者と均衡を保つ形で反映されてこそ、社会の活力は維持されます。そのことを若者たち自身にもぜひ自覚していただければと思います。
