●【資料】未成年住民投票条例一覧表
未成年に投票権を保障した住民投票条例を制定した自治体は2006年2月現在で把握できただけで自治基本条例や住民参加条例を含めて144に上っています。投票権の基準が年齢から学年へと徐々に変化したことが特徴です。
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未成年に投票権を保障した住民投票条例を制定した自治体は2006年2月現在で把握できただけで自治基本条例や住民参加条例を含めて144に上っています。投票権の基準が年齢から学年へと徐々に変化したことが特徴です。
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【社説】成人年齢 民法も「18歳以上」が国際標準だ
(読売新聞2008年2月14日)
成年年齢を何歳とするかは、社会の変化と、あるべき姿を見据えて検討すべき課題だ。
鳩山法相が、「民法の定める成年年齢を引き下げるべきか否か」を法制審議会に諮問した。法制審は1年後をめどに答申する。
昨年5月に成立した国民投票法は、選挙権年齢を「満18年以上」とした。付則では、選挙権年齢、成年年齢をいずれも20歳以上と定めている公職選挙法や民法などの法令について、2010年5月の施行までの間に、「必要な法制上の措置を講ずる」としている。
これに伴い、政府は、年齢規定のある200近い法律を見直す。民法の年齢条項は、その主要な柱だ。
世界を見渡すと、米英独仏などの欧米諸国はじめ、ロシア、中国などの主要国も、成年年齢は、18歳以上だ。これが世界の大勢であり、国際標準でもある。投票年齢も成年年齢とほぼ連動し、18歳以上とする国が約160か国にも及ぶ。
国民投票法が投票年齢「満18年以上」に沿った関連法の整備を求めていることや、世界の大勢を見れば、成年年齢も投票年齢に合わせるのが、基本だろう。
選挙権年齢や成年年齢の18歳への引き下げには、社会的に「未熟な世代」だとして、疑問視する声もある。
諮問が、引き下げの方向を明示せず、「引き下げるべきか否か」と中立的な表現とし、論点に「若年者の精神的成熟度」を挙げたのも、こうした意見への配慮からだろう。だが、他国の同じ世代と比べ、日本の若者だけが、とりわけ未成熟というわけではあるまい。
18歳以上、20歳未満の世代は約260万人に上る。人口減社会の重要な構成メンバーだ。その世代に、「成年」として社会的責任を負ってもらうことが、「成熟」を促す面もあるのではないか。
現状では、未成年者の法律行為は、原則として法定代理人の同意が必要だ。だが、例えば、18、19歳でも、民法上の契約が可能になれば、若年世代の経済活動が広がる。責任も負うことになる。
民法の年齢条項の見直しは、少年法や刑法などの規定にもかかわる。国民の権利・義務、保護など、社会の基本ルールに大きな影響を及ぼすだろう。
こうした問題は、国会でも議論すべきだ。国民投票法が憲法改正の手続きを定める法律である以上、衆参両院の憲法審査会は、その重要な場の一つだ。
だが、衆参ねじれと与野党対立の下で、構成、運用を定める審査会規程すら作れず、いまだに始動していない。
日本社会のあり方にかかわる問題に、国会が無為であってはならない。
【主張】18歳成人 もっと論点を洗い出そう
(産経新聞2008年2月15日)
法相の諮問機関である法制審議会に民法で定める成人年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる是非が諮問された。憲法改正手続きのための国民投票法が投票権は18歳以上と定めたことに伴う諮問である。
成人年齢の引き下げは社会通念を大きく変える。関係する法律、政令なども308本になる。それだけにこの問題には国民的な議論が欠かせない。
民法関係などは法制審で論議するが、それ以外は関係法を所管する各省庁がそれぞれ検討する方針という。これでは省庁ごとにばらばらの結論が出かねない。こうした方式で果たしてよいのかどうか。
成人年齢に関する省庁の横断組織を首相官邸につくり、引き下げでどんな得るものと失うものがあるのかを洗い出し、論議を深めることが肝要だ。
昨年5月に成立した国民投票法の18歳以上の規定は民主党が主張していたもので、20歳以上としていた自民党が成立のために歩み寄った経緯がある。政治的な妥協の産物であることは否めず、十分に議論を尽くしたとはとても言えない。
ただ、国民投票法も実際に「18歳成人」に改正されるまでは、投票年齢を20歳以上に据え置くとの経過措置を明記している。成人年齢の問題は国民投票法と切り離すことも可能である。
国民投票法の施行は平成22年5月だ。それまでに公職選挙法、民法などの規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずると付則で規定している。時間はそう残されていない。
大きな論点は成年とはいつからかだ。現行民法は「20歳をもって成年とする」としている。明治29年に制定されてから、112年もそのままだ。
海外では韓国、タイなどは成人年齢を20歳にしているが、英、仏、独、米の多くの州は18歳を成人年齢にしている。選挙権でも国会図書館によると、189カ国・地域のうち、166カ国・地域が18歳から認めている。
一方で20歳未満に喫煙・飲酒を禁じている未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法の取り扱いもある。少年法も少年を20歳未満としている。これらを民法の成人年齢と直接連動させるべきなのかどうか。権利には義務も伴う。成人論議をもっと広げたい。
【社説】成人年齢18歳 対象ごとに幅広い論議が要る
(毎日新聞2008年2月17日)
民法を改正して成年を18歳に引き下げるべきか、現行の20歳に据え置くべきか。鳩山邦夫法相が、社会通念を根底から問い直す一大テーマを法制審議会に諮問した。
昨年5月に成立した国民投票法が、18歳以上に投票権を与えたのがきっかけだ。いわば与野党の駆け引きから浮上した問題ではあるが、社会情勢が大きく変化する中で「おとな」の法的基準を考え直すことは、市民生活にとっても有意義だ。
満20歳を成年とする考え方は1876(明治9)年の太政官布告に由来し、1896(同29)年制定の民法に規定された。教育の普及、体位の向上などを背景に前々から「引き下げ論」が取りざたされていたが、一方で若者の精神的成熟度への懸念や就業率の低下傾向などを理由とする慎重論も幅を利かせている。平均寿命が延びたのに、保護すべき期間を短縮するのは不自然とする意見もある。
しかし、義務教育化している高校を多くの人が卒業する18歳は、画期と言っていい。成年を引き下げれば、若者に自覚を促し、行動に責任を持たせる教育的効果も期待できる。高齢化が進む折、若年層の社会への一層の貢献が望まれることも考慮すべきだ。世界各国を見回しても、「成年18歳」は潮流となっており、日本が20歳にとどめる合理的な理由も見いだしにくい。
とするならば、少なくとも投票権などの民主主義社会に参画する権利と義務に関しては、成年を18歳に引き下げることを妥当としても支障はあるまい。
だからといって、成年を一律にとらえて何もかも18歳に引き下げればよい、というものではない。飲酒、喫煙の解禁年齢の引き下げには、慎重で科学的な分析、検討が欠かせない。
結婚年齢についても、世論の合意が容易に形成されるとは考えにくい。18歳を成年にすると、男は成人するまで結婚できず、女は未成年でも結婚できる代わりに親の許可が必要な時期が残る。その男女差を平等原理の中でどのように位置づけるべきなのか。難問と言わざるを得ない。
成年を引き下げれば、308もの法令が見直しを迫られるという。各方面に及ぶ影響は計り知れない。民法が改正された場合は、各省庁が所管する法律を検討する手はずというが、百有余年の常識を変更しようとする試みだけに、国民的な議論が必要不可欠だ。
民法の見直し論議を法制審議会だけに任せることにも疑問がある。法務省などは世論調査や各方面の専門家らの意見聴取を通じ、社会の実勢と世論の動向の把握に努めなければならない。国家百年の大計となるだけに、幅広い議論が醸成されるのを待つべきは言うまでもなく、間違っても国民投票法の施行が迫ることを理由に結論を急いではならない。
【社説】18歳成人―前向きに論議しよう
(朝日新聞2008年3月23日)
(毎日新聞2008年3月12日)
成人年齢を18歳に引き下げる民法改正の是非を検討する法制審議会・成年年齢部会は11日、初会合を開いた。鳩山邦夫法相が要請していた議事録の見直しについても話し合い、発言者名を明らかにする方針で一致した。近く臨時の法制審総会に諮る見通し。
法務省によると、各部会の議事録は98年の総会決定に基づき、一律に発言者名を伏せた上で、省のホームページなどに公開されてきた。しかし、鳩山法相は「従来の議事録でいいのか検討を」と注文していた。【坂本高志】
鳩山法相が18歳成人の是非を法制審に諮問したことは新聞・テレビなどで大きく報道されました。私たちは若者の社会参加・政治参加の観点での議論を法制審に求めるとともに、並行して国民投票法を受けた公職選挙法の引き下げを議論するよう国会・政党や総務省に求めます。
今後は「永田町」(国会・政党)とともに「霞ヶ関」(官庁)との意見交換が重要になってきます。ついては政治・政策やロビー活動に興味のある皆さんの積極的な参加を呼びかけます。日程などの連絡をご希望の方は件名に「意見交換参加希望」と書いて、氏名(ふりがな)・TEL・E-Mailをご記入のうえ、こちらからお申し込みください。あらためて詳しいご案内をいたします。
あわせてメルマガやニュースで政治教育に関する本の書評執筆もお願いしているのでご協力いただける方は件名「書評執筆協力希望」と書いてご連絡ください。
「18歳成人」自民憲法審も議論開始
(朝日新聞2008年2月14日)
自民党の憲法審議会(中山太郎会長)は14日、公職選挙法の選挙権の年齢や民法の成人年齢を「18歳以上」まで引き下げることの是非について、検討を始めた。昨年5月に成立した国民投票法の投票年齢が「原則18歳以上」と定められたことに伴い、与党として環境整備を進める狙いがある。今後は週1回程度の会合を重ね、必要に応じて提言の取りまとめも検討している。
会合では衆院法制局から、世界で選挙制度がある189カ国のうち、約9割にあたる166カ国の選挙権年齢が「18歳以上」であることが報告され、出席議員から「日本も世界標準に合わせるべきだ」との声が出た。また、「早く国会に憲法審査会を立ち上げ、憲法改正の内容についても議論すべきだ」との意見も出された。
国民投票法は、同法が施行される2010年5月までに、年齢問題について「必要な法制上の措置を講ずる」と定めており、法相の諮問機関である法制審議会も検討を始めた。中山会長は記者団に「法制審の意見も参考にして我々も話を進めていく」と語った。
「18歳成人」議論に着手=国民投票法、2年後施行へ準備-自民憲法審
(時事通信2008年2月14日)
自民党の憲法審議会(中山太郎会長)は14日、党本部で総会を開き、民法の成人年齢や公職選挙法の選挙権年齢などの引き下げの議論に着手した。昨年5月に成立した国民投票法が投票年齢を原則18歳以上としたのを受けた対応。衆参両院に設置された憲法審査会が野党の反対で開催できない状況が続いているため、党内の議論を先行させることにした。
谷垣禎一政調会長はあいさつで「検討しなければならない法令は308本ある。審査会が一日も早く始動して再来年5月の(国民投票法の)施行までに準備が整うよう、多くの課題をこなさないといけない」と述べ、精力的な議論を求めた。これに対し、出席者からは「166カ国が成人も選挙権も18歳以上としており、世界の趨勢(すうせい)だ」と引き下げを支持する意見の一方、「相当な権利と義務が発生するから、18歳以下世代の教育が必要だ」と慎重な検討を求める声も出た。
民主党、選挙権年齢引き下げを検討
(産経新聞2008年2月15日)
民主党の政治改革推進本部は15日の役員会で、選挙権年齢の引き下げや選挙時のインターネット活用、戸別訪問の緩和などを検討する小委員会を設置することを決めた。小委員長には野田佳彦元国対委員長を充てる。
(産経新聞2008年2月14日)
法制審議会に諮問された成人年齢引き下げの是非。民法で定められた「20歳」という成人年齢が引き下げられた場合、その影響は民法だけでなく、ほかの法律にも及ぶ可能性がある。このため、引き下げについては賛否が分かれており、議論が白熱しそうだ。(森本昌彦)
■発端
民法の成人年齢引き下げは、昨年5月の国民投票法の成立に基づいて、議論が始まった。国民投票法は投票権者を「日本国民で満18歳以上のもの」と規程した。
だが、今回の諮問には「若年者の精神的成熟度及び若年者の保護のあり方の観点から、民法の定める成人年齢を引き下げるべきか否か等についてご意見を承りたい」との内容で、国民投票法との言葉は登場しない。
背景には、民法で定めた成人年齢を引き下げることは各方面に大きな影響を与えるため、国民的な議論が必要との考えがある。
法務省幹部は「通常なら方向性を示して意見を聞くが、今回は色々な方面に影響が及ぶので、十分に審議してもらうため白紙の状態で諮問した」としており、法制審の結論はまったく予想できない状況だ。
■海外は
英、仏、独、米の多くの州などが18歳を成人年齢としており、欧米では18歳が主流だ。選挙権についても、国会図書館で調査した189カ国・地域のうち166カ国・地域が18歳から選挙権を認めている。
一方、明治29年に民法が制定されてから成人年齢は20歳のままの日本。実際に成人年齢が引き下げられた場合、どんな変化が出てくるのか。
民法が成人年齢引き下げの方向で改正されると、結婚などに影響が出る。現在は男性が18歳、女性は16歳から結婚ができるが、未成年のため親の同意が必要。成人年齢が18歳以上に引き下げられると、女性は親の同意さえあれば未成年でも結婚できるが、男性は成人になるまで結婚できなくなり、男女平等の観点から論争が起こる可能性もある。
養子縁組も現行は20歳からだが、これが引き下げられる。民法第5条で定められたローンなどの商取引ができる年齢も引き下がることになる。現行法では詐欺まがいの商法の被害に未成年が遭ったとしても、契約を取り消すことができる。年齢引き下げは、未熟な若年層の保護が薄くなる恐れもある。
■賛否両論
今回の諮問は、未成年の飲酒や喫煙、馬券購入などを禁止する法律にも影響する可能性があるため、賛否が分かれている。
早大大学院法務研究科の棚村政行教授(民法)は「成人年齢を18歳とするのは世界全体の流れ。日本だけが20歳にしておかなければいけない合理的な理由はない。法的に大人として扱うことで自覚を持たせる効果もあるのではないか」と指摘する。
一方で、精神科医の斎藤環さんは「成人式での騒動が毎年問題になるなど、本人も世間も20歳を成人として扱わない現実がある。法的な成人年齢という建前部分を下げることにどれだけの意味があるのか」と引き下げに反対の立場だ。
社会的にさまざまな意見があることを踏まえ、法制審で審議するメンバーも従来よりも幅広い層から選ぶ見込みで、議論は紆余(うよ)曲折が予想される。
成人は18歳?20歳?民法改正議論スタート
(朝日新聞2008年2月13日)
成人年齢を18歳に引き下げるのか、それとも20歳のままにするのか――。鳩山法相は13日、法相の諮問機関・法制審議会に成人年齢の引き下げの是非について諮問した。憲法改正の手続きを定める国民投票法(昨年5月成立)で投票年齢が18歳以上とされたのに伴うもの。社会での「一人前」の基準を決める根本的な問題だけに賛否は分かれており、どのような結果が導かれるかは不透明だ。法務省は諮問と並行して、世論調査などで広く国民の意見を聴くことも検討している。
法制審はこれから賛成・反対の均衡に配慮しながら、学者に限らず、高校教師や企業経営者など20人前後を部会の委員に選ぶ予定。
法制審は3月にも議論を始め、1年がかりで答申をまとめる予定だという。引き下げの方向になっても、法務省が民法の改正案を国会に提出するのは09年秋以降になる見通しだ。
今回の諮問は一定の方向性を示さず、異例の「白紙」で行われたのが特徴。18歳以上を投票年齢に定めた国民投票法の付則は、2010年の施行時までに民法の成人年齢について「検討し、必要な法制上の措置を講ずる」と定める。成人年齢を18歳に引き下げるか、20歳のままにするか、それぞれの立場で解釈できる余地も残されている。
国民投票法は、与党が民主党など野党の反対を押し切って採決。この過程で「玉虫色」の付則が付けられた経緯がある。付則については、同じ与党の中でも「民法の成人年齢も一緒に引き下げるのが前提」という主張があるのに対し、「過度な自由が与えられ、伝統的な家族観が壊れかねない」などと引き下げに慎重な声も少なくない。一方の民主党は、成人年齢の18歳引き下げが国民投票をめぐる与党との再協議の前提だとの立場で、曲折が予想される。
成人年齢の引き下げが実現すれば、日常生活に幅広く影響を及ぼす。
例えば、未成年には親の許可のない契約なら取り消せるという「保護」がある。国民生活センターに寄せられた、未成年が行った取引の解約に関する相談は06年で3万7858件。成人年齢が引き下げられれば、18歳と19歳はこれまでの保護を受けられなくなる。
現在の民法では、親の許可があれば結婚できる最低年齢は「男性18歳、女性16歳」。成人年齢が引き下げられれば、女性だけに「結婚に親の許可が必要な時期」が残る。
また、政府の検討会によると少年の保護処分を定めた少年法、飲酒・喫煙を禁じる法律など年齢条項がある法令は308もある。民法改正に伴って他の法律も自動的に改正されるとは限らないが、連動する可能性がある法律も少なくない。
「成人18歳」の是非を諮問、結論は1年後の見通し
(読売新聞2008年2月13日)
民法が20歳と定めている成人年齢について、鳩山法相は13日午後、法制審議会(法相の諮問機関)に引き下げの是非について諮問した。
明治時代の民法制定以来、110年以上変わらなかった成人年齢の引き下げについて、本格的な議論を始めるものだ。結論は1年後に出る見通し。
諮問のきっかけとなったのは昨年5月に成立した憲法改正の手続きを定めた国民投票法だ。同法の付則が「2010年の施行までに公職選挙法、民法その他の法令について検討を加える」と規定したことを受け、政府は「年齢条項の見直しに関する検討委員会」を設置。昨年11月に計191本の関連法を関係省庁が検討する方針を決めた。
法制審は民法学者だけでなく、社会学者、大企業・中小企業経営者、消費者団体、家庭裁判所、高校教師などの代表から幅広く委員を選任。委員は他の法律への影響などは考慮せず、「若年者の精神的成熟度と若年者の保護のあり方」の観点から成人年齢を18歳に引き下げることの是非を主に議論する。総務省は「民法の成人年齢が引き下がらない場合、公職選挙法だけが引き下がると、整合性に問題が生じる」としており、各省庁は法制審の議論を見ながら、引き下げの是非を検討する。
成人年齢:18歳成人の是非を法制審に諮問…法相
(毎日新聞2008年2月13日)
鳩山邦夫法相は13日、「成人」の年齢20歳を引き下げる民法改正の是非について、法制審議会に諮問した。原則18歳以上を投票年齢と定めた国民投票法の付則で、民法などの年齢条文引き下げを2010年の施行までに検討すると規定しているため。しかし、法相は引き下げるべきかどうか方向性を示しておらず、異例の「白紙諮問」となった。
満20歳の成人年齢は1898年の民法施行以降、変わっていないが、仮に18歳に引き下げると民法上、ローンなどの契約や親の同意なく結婚できる年齢などに影響し、「成年」の文言が含まれる他の法律条文(約700)も自動的に18歳に下がることになる。一方、飲酒喫煙や少年法、公選法など「20歳」と表記している条文は自動的に下がらないが、法律見直しの論議に発展する可能性はあり、審議会での論議はさまざまな分野に影響しそうだ。【坂本高志】
「18歳成人」難題抱え諮問・法相、民法改正で法制審に
(日本経済新聞2008年2月13日)
鳩山邦夫法相は13日、法制審議会(法相の諮問機関)に、民法の成人年齢を20歳から18歳に引き下げる法改正の是非について諮問した。選挙権、商取引、結婚、飲酒・喫煙……。政治・経済から日常生活にまで影響を与える明治以来の社会通念の変更だけに、世論が割れる可能性もある。法制審は慎重に議論し、2009年をメドに結論を出す方針だ。
成人年齢引き下げの検討は、昨年成立した国民投票法(憲法改正手続き法)が原則18歳以上に投票権を付与したことに伴う措置。20歳以上を成人とした民法の規定は法制定から110年以上も変わっていない。公職選挙法や少年法、未成年者喫煙禁止法など、民法の影響を受ける法律も多く、法体系の抜本見直しにつながる案件だ。
民法では20歳以上の成人にローンなどの契約や養子縁組で親になる行為を認めている。未成年者は財産処分の際、親権者など「法定代理人」の同意がいるほか、男性18歳、女性16歳から可能となる結婚でも親の同意が必要。検討対象はかなり広い。
「18歳成年」を諮問へ民法改正是非で鳩山法相
(産経新聞2008年2月13日)
民法で定める成人年齢を20歳から引き下げる是非について、鳩山邦夫法相は13日午後、法制審議会(法相の諮問機関)に諮問する。約1年をかけて議論し、一定の方向性を打ち出す方針。成人年齢は民法で定めた結婚や取引行為のほか、飲酒や喫煙にも影響する可能性があるだけに、賛否をめぐり白熱した議論が展開されそうだ。
昨年5月に成立した憲法改正手続きのための国民投票法が、投票できる年齢を18歳からと定めたことに伴う諮問。同法の付則には、平成22年5月の施行日までに公職選挙法や民法などの規定について検討を加え、必要な措置を講ずるよう記載されている。
現行の民法では、「年齢20歳をもって、成年とする」と規定。成人年齢の引き下げの是非について法制審で検討が始まるのは、民法で定めた成人年齢が変わった場合、ほかの法律などに与える影響が大きいためだ。
国民投票法の成立を受けて、政府が設置した「年齢条項の見直しに関する検討委員会」が年齢条項がある法律、政令、府省例をリストアップしたところ、計308本が該当。その中には未成年の飲酒や喫煙を禁じた法律など、社会的な論議が巻き起こりそうなものも含まれ、各省庁は民法改正の行方を見守ったうえで、所管する法律などを検討するとみられる。
海外では、韓国、ニュージーランド、タイは成人年齢を20歳としているが、英国、仏、独、米の多くの州は18歳を成人年齢としている。
「18歳で成人」法制審に諮問=是非問う異例の形に
(時事通信2008年2月13日)
鳩山邦夫法相は13日、法制審議会(法相の諮問機関)総会で、民法の成人年齢を20歳から欧米並みの18歳に引き下げることの是非について諮問した。昨年5月に成立した国民投票法で、投票年齢が原則18歳以上と規定されたのを受けた措置。ただ、世論が二分される可能性があるため、方向性を示さない形の異例の諮問となった。法制審は約1年かけて結論を出す。
法務省は審議の参考として、内閣府を通じて世論調査を行うことを検討している。法制審の審議によっては、成人年齢が20歳のままとなる可能性もある。
国民投票法は付則で、2010年の施行までに、公職選挙法や民法など関連法の整備を行うよう求める一方、それまでは投票年齢は20歳以上としている。政府は関連法案の提出時期について、09年秋の臨時国会か10年の通常国会を念頭に検討する。
成人年齢引き下げ具体的議論へ
(NHKニュース2008年2月4日)
自民党の憲法審議会は、憲法改正の手続きを定める国民投票法の付則で、成人年齢などを18歳に引き下げるよう法整備を図るとしているのを受けて、こうした引き下げをした場合に、関連する法令をどれだけ見直すのかなどについて、具体的な議論を始めることになりました。
憲法改正の手続きを定める国民投票法では、投票できる年齢を原則として18歳以上としており、これにあわせて法律の付則で、民法や公職選挙法を改正して、成人年齢や選挙権を与える年齢なども18歳に引き下げるよう法整備を図ることが盛り込まれています。これについて自民党の憲法審議会は、衆参両院への設置が国民投票法で定められている憲法審査会が野党側の反対で発足できないなか、党独自に検討する必要があるとして、今週にも会合を開いて具体的な議論を始めることになりました。この中では、成人年齢などを20歳から18歳に引き下げた場合に、関連する300余りの法令のうち実際にどれだけを見直すのかや、見直し作業の進め方などを検討することにしています。
「18歳で成人」の是非検討、鳩山法相が法制審に諮問へ
(日本経済新聞2008年2月5日)
鳩山邦夫法相は、民法で「20歳以上」となっている成人年齢を「18歳以上」に引き下げるべきかどうかの検討を13日の法制審議会に諮問する方針だ。2009年をめどに結論を出す。結婚、飲酒・喫煙など社会生活のみならず、さまざまな商取引のあり方にも影響する問題だけに賛否が分かれている。
昨年5月に成立した国民投票法(憲法改正手続き法)が投票年齢を「原則18歳以上」と規定。付則で公職選挙法や民法などについて「(2010年5月の法施行までに)検討を加え、必要な措置を講じる」と明記していた。
「18歳は、まだ未熟」?揺れる「成人」引き下げ
(朝日新聞2008年2月7日)
18歳以上に国民投票法の投票権が与えられるのに連動して、成人の年齢も18歳に引き下げる当初の想定が揺れている。鳩山法相は13日の法制審議会に、民法改正の是非を諮問する予定だが、法務省は一定の方向性を示さず「白紙」で臨む。「18歳は、まだ未熟だ」として成人年齢の引き下げを疑問視する声が背景にあり、法制審に中立的に諮問するのは異例だ。大人は「18歳」になるのか、それとも「20歳」のままか。議論が本格化する。
成人年齢を18歳に引き下げる議論のきっかけは、議員立法で昨年成立した国民投票法だ。付則で、投票年齢にあわせて3年をめどに公職選挙法、民法などの関連法について「検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と明記された。
07年4月の衆院特別委員会でも、与党提案者の保岡興治・元法相は「民法上の判断能力と参政権の判断能力とは一であるべきだという前提。成人年齢と選挙年齢を合わせることでこそ、国民にしっかりと受け止められる」と述べた。
「契約や結婚などで責任を持たせれば、若者の独立心を高められる」「経済活動も活発になる」。引き下げを求める意見は以前からあり、欧米など世界の成人年齢の潮流も18歳だ。
一方で引き下げに対し、与党内でも異論が少なくない。「親の同意なく財産を取得する権利」「親の同意なく結婚する権利」など民法の規定について、引き下げによって問題が生じるという意見もある。
こうした事情を背景に、法制審は政府の方向性を示した上での諮問が通例だが、「引き下げの可否を問う」とする中立的な立場で審議することになり、成人年齢が20歳から変わらない可能性も出てきた。
ある法務省幹部は「国民投票の時点では一種のブームで引き下げが叫ばれたが、『若者の成熟度が昔より増したわけでもない』との疑問が出てきたのだろう」とみる。
一方で、議論が多岐にわたるため、法務省は、通常は学識者が中心になる法制審の委員に高校教師や企業経営者など幅広い人材を選び、消費者団体からも話を聞く方針だ。審議の行方は、飲酒・喫煙を禁じる法律など多くの法律に影響するだけに、様々な議論が予想される。
1月23日~2月1日に実施した成人年齢についてのYahoo!意識調査で、18歳成人が38%と最多を占めました。
18歳の理由は国際的な基準や高校卒業などです。低年齢の理由には犯罪の低年齢化や義務教育を基準とするなど、高年齢の理由には精神年齢の低さが挙げられています。
2008年度の関西学院大学商学部AO入試の素材として、小林庸平理事の毎日新聞インタビュー記事が使用されました。選挙権・成人年齢引き下げについて賛否を要約して自らの意見を述べる問題だったようです。受験生は未成年が多いので、どんな答案が集まったか興味深いです。
(毎日新聞2008年1月23日)
◇契約、結婚、飲酒…影響大きく
「成人」の年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正の是非について、法務省は2月に法制審議会へ諮問する方針を固めた。07年の通常国会で成立した、憲法改正手続きのための国民投票法が投票権者を原則18歳としたことに伴うもので、約1年かけて議論し、結論を出す予定。改正されれば契約や結婚のほか、飲酒、喫煙など他官庁が所管するさまざまな分野に影響しそうだ。【坂本高志】
現在の民法は成人を満20歳と規定。そのうえで▽未成年者の契約(ローンなど)には親権者の同意が必要▽結婚の最低年齢は男18歳、女16歳で、未成年者の結婚には父母の同意が必要▽養子縁組で親になれるのは成人--などと定める。
仮に成人を18歳とした場合「取引できる年齢層が広がり、経済活動が促進する」との見方がある一方、若年者の保護に逆行する可能性を懸念する指摘もある。
また、「結婚に対する父母の同意が男だけが不要になる」ことも想定され、結婚最低年齢に男女差があること自体も議論になりそうだ。
このほか、20歳未満の飲酒や喫煙が法律で禁止されているのは民法を前提としている。20歳未満を少年とする少年法の見直し議論に発展する可能性もある。
関係者によると、今回の諮問は方向性を示さず、引き下げの是非は全く白紙という。同省幹部は「現代の18歳が大人と呼べるほど成熟しているか疑問もある。民法も少年法も、それぞれの法の役割を踏まえ、慎重に議論していく」と話している。
政府の「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副長官)が確認したところ、法律191本、政令40本、省令77本の計308本の法令が検討対象。この中でも影響が大きい民法と公選法を巡る議論の行方が注目される。
◇世界でも多数--棚村政行・早稲田大大学院法務研究科教授(民法)の話
成人を18歳とする国は世界の多数で、日本も合わせていいと思う。成熟度と言うが、30歳でも幼い人はいる。むしろ法的に大人と扱うことで責任を自覚させる効果もあるのではないか。
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◆各国の成人年齢◆(06年の国会図書館調査などから)
▽成人年齢を18歳とする主な国 フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ(多くの州)
▽同15歳 イラン
▽同20歳 タイ
▽同21歳 マレーシア
◇結婚最低年齢
イギリス=男女とも16歳▽ドイツ、フランス、アメリカ(大半の州)=男女とも18歳
<成人年齢>引き下げ、09年秋にも法案 国民投票法で政府
(毎日新聞2007年11月2日)
政府の「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副長官)は1日、首相官邸で第2回会合を開き、憲法改正手続きを定めた国民投票法が投票権者を18歳以上と規定したのに伴い、成人年齢を引き下げる民法改正案などの関連法案を09年秋の臨時国会か10年の通常国会に提出する方針を決めた。
会合では、法律191本、政令40本、府省令77本の計308本の法令が検討対象になることを確認。二橋副長官は「法制上の措置について各省で対応方針を決定できるよう、検討態勢を整えてほしい」と指示した。
10年5月に施行される国民投票法には、選挙権や成人などの年齢を18歳に引き下げるよう検討することが盛り込まれており、各府省の事務次官らを委員とする検討委が作業を進めている。【中田卓二】
成人年齢引き下げ、民法改正案など09年秋にも提案へ
(読売新聞2007年11月1日)
政府は1日、「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(委員長・二橋正弘官房副長官)の第2回会合を首相官邸で開き、成人年齢を引き下げる民法改正案など関連法案を、2009年秋の臨時国会か、10年の通常国会に提出する方針を決めた。
憲法改正手続きを定めた国民投票法で投票権者が18歳以上とされたことに伴い、同検討委員会は、成人年齢引き下げに向けた法令改正を検討している。
会合では、関連法令として、法律191件、政令40件、省令77件の計308件で見直しが必要であることが報告された。今後は各省庁ごとに、有識者を交えた審議会や研究会などの検討態勢を整備する。
国民投票法は今年5月に成立し、10年に施行される。
英・労働党、女子高生を擁立 次期総選挙で
(朝日新聞2007年9月27日)
英与党の労働党は、17歳の女子高校生を次の総選挙の候補者に決めた。英国は昨年、若者に政治への関心を持ってもらうため、立候補できる年齢を21歳から18歳に下げたばかり。英史上最年少の国会議員が誕生するのでは、と話題を呼んでいる。
候補となるのはエミリー・ベンさん。10月4日、18歳になる。今月24日の党大会で、党首のブラウン首相に「誕生日が来るまで選挙は待って」と話し、拍手喝采を浴びた。
ただし、彼女は大物政治家の家系で、祖父は約50年間、同党の国会議員だったトニー・ベン氏。叔父はヒラリー・ベン環境相。トニー氏の祖父、父ともに国会議員で、エミリーさんが当選すれば、これも英史上初の5世代にわたる国会議員になるという。エミリーさんは「家柄だけで選ばれたわけではない。家族と政治の話をしてきたし、官邸で政策がどう決まるか見てきた」と話す。
17歳女子高生、候補者に 英労働党が次期総選挙に抜てき
(共同通信2007年9月27日)
【ロンドン27日共同】英与党、労働党は27日までに、17歳の女子高生エミリー・ベンさんを次期総選挙の立候補者に抜てきした。英BBC放送などが報じた。10月4日にようやく下院議員の立候補資格を得る18歳に達するとあって、大きな話題となっている。
英下院の任期は2010年までだが、労働党の支持率が好調であることから、年内解散の憶測が飛び交っている。
エミリーさんは、同党左派の重鎮で、閣僚も務めたトニー・ベン氏の孫。叔父はヒラリー・ベン環境・食糧・農村相で、4代にわたり国会議員を輩出する政治家の家系に生まれた。
ただし日本と違い、地盤の継承はない。エミリーさんも選挙区で候補者が未定の党地方支部に履歴書を送り、選考を受けて候補者の座を勝ち取った。
出馬するウエストサセックス州の選挙区は野党、保守党の強固な地盤。労働党は過去3回の総選挙で、いずれも大差で敗れている。
21世紀臨調と超党派の国会議員有志でつくる国民主役の新しい公職選挙法を考える会は、6月4日(月)に国民主役の新しい公職選挙法を考える第1回シンポジウムを行い、第2回討論で「18歳選挙権の実現に向けて」として国会議員などが議論しました。あわせてシンポジウムで「18歳選挙権の早期実現を求める緊急提言」が公表されました。シンポジウムの模様は「映像で見る21世紀臨調」で動画をご覧になれます。
国民投票法に関する若者向けの調査をしたことがある、特定非営利活動法人(NPO法人)「ドットジェイピー」(東京)。大学生に議員秘書の仕事体験を紹介する団体だ。実際に体験してみたメンバーに「憲法九条の平和主義をどう評価するか」と聞いてみた。
学習院大の鈴木真里奈さん(19)は「唯一の被爆国として九条改正に反対です」ときっぱり。世論調査で改憲が過半数でも「多数派が正しいと思わない」。
一方、自衛隊イラク派遣をめぐる四年前の国会審議のゴタゴタが歯がゆかったという慶応大の野村祐輔さん(21)は「平和維持なら人を送って当然なのに。九条が日本の国際貢献を阻んでいると思う」と言った。
「護憲派の『平和を守る』は甘くてカッコ悪い。北朝鮮が攻めてきたらどうする、と現実的な方が受ける。改憲派の『国を守る』はクールなイメージ」と、立教大の大橋直人さん(22)は言う。「自衛隊にマイナスイメージはない。でも『命かけても』というとちょっと熱すぎる」。自分自身はまだ結論を出せない。
二十代の改憲志向は世論調査にくっきりと表れている。三-四月の全国紙の調査では、憲法改正賛成は五-八割だ。中高年より高い。
そんな傾向を「内向きの保守」と名付けたのは、若者世代の心理に詳しい精神科医斎藤環さん。「消極的改憲であって積極的改憲ではない。自分の生活がこぢんまりまとまればそれでよし。右翼的なものに熱はなく、巻き込まれるのは嫌だから『国を守る』とまでいかない」
◇
「イデオロギーって何ですか?」
国際関係論が専門で全共闘世代の和田純・神田外語大教授(57)は、学生のそんな質問に驚いたことがある。だが、彼らと話してみて無理もないと気付いた。一九九一年のソ連の崩壊は、幼くて記憶にもない。まだ二十年前後の人生なのだ。
和田教授は「護憲か改憲かの二者択一しかない論争は、五五年体制のよう。若者はもっと現実的な別次元にいる。彼らは関心があっても、どう考えればいいのか分からないだけ。結論を押し付けず、頭の中に考える回路をつくらせるようにしている」と話す。
選挙権年齢の引き下げを求めてきたNPO法人「ライツ」の理事小林庸平さん(25)は、投票権者を原則として十八歳以上と定めた国民投票法の成立を歓迎する。「若い世代の憲法への関心も高まるのでは。民主主義や国民主権など抽象的なことを皆が考えるきっかけになってほしい。いろいろな意味で原点に立ち返る好機だ」と意気込む。
憲法改正の影響を最も受けるのは日本の将来を担う若者たちだ。今後、憲法とどう向き合っていくのか。国民全体の覚悟が問われている。
(この企画は、築山英司、今村実、森川清志が担当しました)
18歳選挙権 早期実現を
国民投票法の成立受け関連法整備へ尽力を要請
(公明新聞2007年5月17日)
公明党の遠山清彦青年局長(参院議員、参院選予定候補=比例区)は16日、総務省に菅義偉総務相を訪ね、「18歳選挙権」の早期実現を求める要望書を手渡した。これには、青年局次長の山本かなえ(同)、西田実仁、鰐淵洋子の各参院議員が同席した。
投票年齢を「満18歳以上」とする国民投票法が14日に成立。今回の要望は、同法の付則に3年後の施行までに、選挙権も「満18歳以上」とするため、公職選挙法や民法の改正など必要な措置を取るとされていることから実施した。
席上、遠山局長は、「選挙権の18歳への引き下げは、1970年に公明党の参院議員が国会で取り上げたのが議論の皮切りだ」と指摘し、公明党がマニフェスト(政策綱領)や青年政策などで18歳選挙権実現を掲げ、一貫して推進してきたことを紹介した上で、総務相の積極的な尽力を求めた。
これに対し菅総務相は、「(18歳選挙権実現への)流れができつつあると思っている。対応できるよう、しっかりやりたい」と応じた。
(読売新聞2007年5月15日)
憲法改正の手続きを定める国民投票法の成立を受け、政府は14日、選挙権年齢や、成年(成人)になる年齢を、現行の20歳から18歳に引き下げる関連法整備を検討するため、「年齢条項の見直しに関する検討委員会」(仮称)を内閣官房に設置することを決めた。
的場順三官房副長官を委員長に、各府省の次官らで構成し、2010年の国民投票法施行までに必要な法整備を終えることを目指す。
14日の参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した国民投票法は、投票権者を原則18歳以上としている。ただ、「国は施行までに、公職選挙法、民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」と規定し、公選法などの関連法が改正されるまでは投票年齢を20歳以上にすると定めている。
法改正の議論は、選挙権年齢を定める公職選挙法や、成年年齢を定める民法の改正が軸となる見通し。このほか、少年法や道路交通法などを含めて、100本以上の関連法が検討対象に挙がっている。
法改正が実現すれば、「18歳が法律上の大人」となり、日本の社会のあり方を変える改革になる。
公選法が改正されれば、国政、地方選挙の有権者が増える。最新の国勢調査(2005年10月1日現在)によると、18~19歳の日本国民は、約271万人に上る。民法の成年年齢が18歳に引き下げられれば、18~19歳の若者が親の同意がなくても、財産などの取引行為や結婚が可能になる。
ただ、成年(成人)に関係する法律を、どこまで改正するのかは、今後の議論に委ねられており、政府・与党内には慎重な意見もある。
20歳未満に喫煙・飲酒を禁じている未成年者喫煙禁止法や未成年者飲酒禁止法については、自民党内では「国民投票の投票権とは別次元の話だ」(幹部)として、改正は必要ないとの意見が多い。20歳未満を「少年」と定めた少年法の見直しについても、政府内には「適用年齢を引き下げる理由付けが難しい」との見方が強い。
下村博文官房副長官も14日の記者会見で、「検討委員会では、改正の必要性など総合的に検討する」と述べるにとどめた。
18歳が議員当選 大学目指す高校生
(スポニチ2007年5月5日)
英イングランド南東部エセックス州ブレントウッドの地区議会選で4日、18歳の高校生が当選を決めた。英国の地方議員では史上最年少。
当選したのは保守党から立候補したウィリアム・ロイドさんで現在、大学進学などに必要な国家試験を受験中。昨年、地方議員の最低年齢が21歳から18歳に下げられたことから、立候補が可能になった。ロイドさんは、地方議会に新風を吹き込みたいと話しているという。
選挙権を16歳に引き下げへ=EUで初-オーストリア
(時事通信2007年3月15日)
【ベルリン15日時事】オーストリア政府は15日までに、国民議会(下院)の選挙権を現行の18歳から16歳に引き下げる法案を閣議決定した。現地からの報道によれば、国政レベルで16歳から選挙権を認めるのは、欧州連合(EU)加盟国で初めてという。今後、議会で審議されるが、野党も賛同しており、可決・成立は確実。
(毎日新聞2007年5月1日)
憲法の改正手続きを定める国民投票法が、憲法施行60年で初めて制定されようとしている。国の最高法規の変更に道を開く特別な法律で、公布後3年間は国民的論議を深めることも決められている。主権者として賛否を投じる私たちは、この新しい制度の何をどう考えればいいのだろうか。5月中旬とされる参院採決を控え、とりわけ大事な五つのポイントについて、それぞれの論点に詳しい人たちに、評価と考え方のヒントを聞いた。
◇成人年齢と切り離しを--NPO「ライツ」理事・小林庸平氏
--法案で、国民投票の投票者年齢は18歳以上になりました。
「評価したいと思います。憲法は国を規定し、自分たちがこれから生きるすべを決める大切なものです。だからこそ若い人たちが投票できる意味は大きい。最短で3年後に投票が行われるとすると、今の高校生も参加できます。今は学校で憲法を勉強する機会があまりないので、関心も高くないかもしれませんが、いざ自分たちも投票できるとなれば、学校で政治の議論も行われるだろうし、そうしていかなければならないと思います」
--NPOで選挙権年齢の引き下げを訴えてきましたね。
「私は創立間もない単位制の都立高校に通ったが、周りはほとんど年上で、働きながら通学する人もいた。その影響で社会のつながりや政治に興味を持ち、我々の世代は財政赤字や年金、環境といった大変な時代を迎えると知った。なぜこうなったのか考えると、若い世代が声を上げてこなかったからではないか、若者の政治参加を進めていかないとだめだと感じた。大学1年の時、学生や若者が選挙権年齢の引き下げを訴える『ライツ』を知り、入会しました。
我々が調べたデータでは、186の国と地域のうち162で、18歳以下の年齢から選挙権が保障されています。日本は世界の流れに取り残されているんです」
--法案には引き下げが明記される一方、成人年齢や選挙権年齢が引き下げられるまでは20歳以上とする経過措置が入りました。法が施行される3年後をめどに、公職選挙法や民法など関連法を見直すという規定も盛り込まれています。
「字面だけ読むと、他の関連法が整わなければ投票者年齢も『20歳のままなんですよ』と読める。先日、自民党の法案立案者の一人、保岡興治元法相と話したら『20歳にとどめたいからではなく、成人年齢とセットにした方がいいからこうした』という説明でした。その言葉は信じたいけど、やはりちゃんと監視していかないといけない、これからも選挙権年齢の引き下げを働き掛けていく必要はあると感じます」
--実際に投票年齢引き下げが実現するには関連法の整備が壁になるかもしれませんね。
「法律にはそれぞれ立法目的があり、例えば民法や少年法では、それぞれの目的に必要な年齢を設定しています。『諸法令』というと未成年者飲酒禁止法、喫煙禁止法まで二十数本にもなると言われるけど、それぞれ立法目的は異なり、必ずしも一致させる必要はないはずです。欧州では諸法令の年齢引き下げも一様ではない。ドイツでは先に選挙権年齢を引き下げ、後で成人年齢を引き下げた。選挙権年齢は成人年齢と切り離して議論すべきだと思いますが、実現せず、残念です」
--18歳で区切るのが最良でしょうか。
「我々は16歳以上を主張しています。憲法は特に重いからこそ、国が最小限の教育を保障している義務教育を終えた若者が、しっかり判断する機会を作ることは必要だと思います。よく『若い人たちはどうせ選挙に行かないだろう』『判断もできないんだから下げても仕方ないだろう』と言われますが、選挙権はなるべく多くの人に保障するのが民主主義の価値でしょう」【聞き手・高山祐】
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■ことば
◇投票権者の年齢
18歳以上。法が施行される3年後までに、選挙権年齢を定めた公選法や成人年齢を定めた民法など関連法の整備を検討するが、それらが変わるまでは3年が過ぎても20歳以上のままとなる。自民党には成人年齢引き下げへの異論も強い。
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■人物略歴
こばやし・ようへい
選挙権年齢引き下げと政治教育の充実を目指す特定非営利活動法人(NPO法人)「Rights」(ライツ)に18歳から参加。職業は民間シンクタンク研究員。25歳。
日本テレビ世論調査(4月13~15日実施)によると18歳投票権・成人とも賛成が反対を上回りました。
「国民投票法案では、投票権を20歳以上から、原則18歳以上の日本国民に引き下げることが盛り込まれています。あなたは、国民投票権を18歳以上とすることに賛成ですか、反対ですか??」
賛成 47.5%
反対 40.5%
わからない、答えない 12.0%
「国民投票権を18歳に引き下げることにともない、20歳以上を大人として扱う法律の規定も18歳に引き下げることが検討されています。あなたは、大人として扱う成人年齢を、18歳に引き下げることに賛成ですか、反対ですか?」
賛成 49.1%
反対 43.5%
わからない、答えない 7.5%
4月14日(土)の楽集会では、衆議院憲法調査特別委員会公聴会での小林庸平理事の意見陳述のビデオ上映と小林理事の報告の後、田中治彦さんに講演いただき質疑応答・意見交換しました。
田中さんは、2001年の荒れる成人式を契機に18歳成人を訴えていること、権利と責任は裏腹なので民法・少年法だけでなく喫煙・飲酒も揃えること、18歳は成人の入口と考えて子どもを大人にする通過期間を置くこと、市民教育が重要になること、などを述べました。
取材の高校生を交えた意見交換では、今の学校現場では民主主義を教えながら学校生活で生徒の意見が無視されるなど生徒に無力感を抱かせる「裏カリキュラム」があるなど今後の政治教育の課題などが示されました。

18歳成人を考える
国民投票法案の投票権年齢をめぐる議論を契機に、国会で選挙権年齢をはじめ民法や少年法の成人年齢の18歳への引き下げについて議論が始まろうとしています。
今回は、自らの体験から青少年の社会教育活動をライフ・テーマとして研究し、朝日新聞「論壇」やテレビで18歳成人について発言している田中治彦さんを迎えて、みんなで18歳成人について考えたいと思います。ぜひご参加ください。
ゲスト:田中治彦さん(立教大学文学部教授)
1953年東京生まれ。中学生で郵便友の会、大学生でYMCAに参加するなど自ら社会教育活動を体験。大学院に進み、(財)日本国際交流センターや岡山大学などをへて、1997年から立教大学文学部教授。2002年から開発教育協会代表理事。著書には『子ども・若者の居場所の構想』編著(2001年・学陽書房)、訳書にはロジャー・ハート著、木下勇・田中治彦・南博文監修、IPA日本支部訳『子どもの参画-コミュニティづくりと身近な環境ケアへの参画のための理論と実際』(2000年・萌文社)などがある。
日時:4月14日(土)15:00~17:00(受付開始14:30)
※衆議院憲法調査特別委員会公聴会について簡単に報告します。
※終了後に懇親会を予定しています。
場所:Rights事務所(みなとNPOハウス4F)
地下鉄日比谷・大江戸線六本木駅徒歩2分
参加費:500円(会員無料)
<次回のお知らせ> 5月26日(土)に統一地方選を受けたテーマで予定しています。
※氏名(ふりがな)・TEL・E-Mailをご記入のうえ、こちらからお申し込みください。
小林庸平理事が衆院憲法特委公聴会で意見陳述
衆議院憲法調査特別委員会の国民投票法案に関する公聴会が4月5日(木)に行われ、小林庸平理事が公述人として意見陳述しました。公聴会には応募した124名(うち10代1名・20代10名)から選ばれた7名が出席しました。小林理事は3番手として登場。若者の政治参加の重要性、選挙権年齢引き下げの必要性、民法など他の法令との関係などについて意見を述べ(レジュメ参照)、自民・民主・公明・共産・社民・国民新各党議員からの質疑に答えました(会議録参照)。
質問した自民党議員が「もっともっとこれからの時代を長く担う若い人に意見を言ってもらう機会を持たなきゃいけない」と発言したのをはじめ、公明・共産・社民各党議員からも主張や活動を評価されるなど非常に有意義でした。あわせてNHK全国ニュースや毎日新聞でも紹介(下記参照)され、世論喚起のよい機会ともなりました。
公聴会の模様は衆議院TVで、4月5日の「日本国憲法調査特別委員会公聴会」を選択すると放映しているのでぜひご覧ください。
国民投票法案で公述人が意見
(NHKニュース2007年4月5日)
衆議院の憲法調査特別委員会は、より幅広い国民の意見を聞くため、公募に応じた124人から公述人を選ぶ形で2回目の中央公聴会を開き、午前中は4人が意見を述べました。このうち、日本大学教授の百地章氏は「公務員が憲法改正について意見を表明することは確保されるべきだが、全体の奉仕者という立場を考えると運動に一定の制約を設けることはやむをえない」と述べました。弁護士の庭山正一郎氏は「憲法を改正する以上は、簡単に再び改正されないよう政治的な重みを与えるために、有効投票の過半数を改正の条件にするのではなく、有権者全体の一定以上の賛成を条件にすべきだ」と述べました。NPO法人理事の小林庸平氏は「より多くの国民の意思を反映させるためにも、義務教育を終えた16歳以上が投票できるようにすべきだ」と述べました。主婦の田辺初枝氏は与党案、民主党案ともに、投票は、内容が関連する事項ごとに区分してそれぞれ行うとしているが、何をもって関連する事項とするのか基準がよくわからない」と述べました。委員会は午後も公聴会を開き、
3人が意見を述べることになっています。
国民投票法案:中央公聴会を開催
(毎日新聞2007年4月5日)
衆院憲法調査特別委員会は5日午前、与党と民主党がそれぞれ提出している憲法改正手続きを定める国民投票法案に関する中央公聴会を開き、公募に応じた公述人から意見を聞いた。
百地章日本大法学部教授は、対象を国政の重要問題に広げる民主案の規定を「憲法の基本原理に抵触し、国会の権限を事実上侵害する」と批判。自由人権協会の庭山正一郎代表理事は、一定の投票率を下回ると無効になる最低投票率の導入を求めた。
若者の政治参加を進めるNPO「Rights」の小林庸平理事は「投票権者は16歳以上にすべきだ」と訴えた。主婦の田辺初枝氏は「有効投票の過半数では多数意見が反映されない。有権者の過半数とすべきだ」と主張した。【須藤孝】

小林庸平理事が衆院憲法特委で公述人に選ばれる~傍聴の呼びかけ~
衆議院憲法調査特別委員会の国民投票法案に関する公聴会に応募していた小林庸平理事が公述人に選ばれました。公聴会は下記のように行われるので傍聴を呼びかけます。急ですが貴重な機会なので奮ってご参加ください。
日時:4月5日(木)9:00~12:00
※公述人の意見陳述(各15分×4名)と各党議員の質疑(各20分×6名)の計3時間で、小林理事は9:30~9:45に意見陳述します。
※終了後に議員会館で小林理事とともに若干の意見交換会を予定しています。
場所:衆議院第18委員室
※8:45に衆議院議員面会所(地図の衆議院第一別館)に集合してください。
地下鉄丸ノ内・千代田線国会議事堂前駅徒歩5分
地下鉄有楽町・半蔵門・南北線永田町駅徒歩10分
4月4日(水)午後5時までに氏名(ふりがな)・職業・TEL・E-Mailをご記入のうえ、こちらからお申し込みください。あらためて4日(水)中に詳しいご案内をいたします。
(読売新聞2007年3月28日)
自民、公明両党は27日、憲法改正の手続きを定める国民投票法案について、投票権年齢を原則18歳以上とするなど、民主党の主張を一部反映した修正案を衆院憲法調査特別委員会に提出した。
与党は4月13日に衆院を通過させ、今国会で成立させる方針だ。民主党は修正案に反対する方向で調整を始めた。
与党は昨年5月、国民投票法案を国会に提出している。今回の修正案では、20歳以上としていた投票権者の年齢を、「原則18歳以上」に改めた。ただ、付則で、国が3年後の法施行までに選挙権年齢の18歳以上への引き下げなど関連法の年齢規定を整備すると定め、それまでは20歳以上とすることにした。憲法改正に限定していた国民投票の対象についても、付則で、拡大を検討課題にするとした。
修正案作成に当たった自民党の保岡興治・元法相は27日の党総務会で、「投票権年齢を18歳以上とするためには、少なくとも公職選挙法と民法の関連規定の改正が前提となる」とする見解を示した。
衆院憲法調査特別委員会は、29日に与党修正案の提案理由説明と質疑を行う。与党は民主党の賛成が得られなくても、4月12日に委員会、13日に本会議で採決し、参院に送る方針だ。
民主党の小沢代表は27日、佐賀市で記者会見し、「何が何でもこの国会中に通さなければならない理由はない。自民党が自分たちの主張を数で通そうとすれば、我々は(昨年提出した)民主党案に賛成、与党案に反対となる」と述べた。
日本青年団協議会の岡下進一会長ら全国各地の青年団員22名が3月2日(金)に、「18歳選挙権制度の早期実現」を求める約4,500名の国会請願および議員との意見交換を行いました。
(読売新聞2007年2月8日)
自民、民主、公明の3党の国会議員でつくる「国民主役の新しい公職選挙法を考える会」は7日、都内で会合を開き、公選法の選挙権年齢を現行の20歳以上から18歳以上に引き下げる方向で、同法改正を検討する方針を決めた。
憲法改正の手続きを定める国民投票法案について、3党が投票権年齢を原則18歳以上とし、「18歳選挙権」実現を検討することで合意したことを踏まえたものだ。
自民党の保岡興治・元法相は「18歳選挙権は国際標準だ。この会で成果を得てもらいたい」と提案した。同研究会を共同運営する「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)共同代表の佐々木毅・前東大学長も「18歳選挙権は重大な問題であり、この会で議論していきたい」と語った。
自民党の逢沢一郎衆院議院運営委員長や民主党の玄葉光一郎衆院議員ら3党の国会議員16人が出席した。
(朝日新聞2007年1月22日)
「選挙権や成人の年齢を18歳に引き下げる」。それが現実味を帯びてきた。憲法改正の手続きを定める国民投票法案で、投票年齢を18歳以上とする方向で与党と民主党が一致。法成立に併せて公職選挙法や民法など関連する法律も3年をめどに見直すことを確認しようと検討しているためだ。「多くの人が参加できるのが民主主義」という意見の一方、「成人の年齢は法律ごとに違ってもいい」との意見もある。投票から酒やたばこ、運転免許まで、議論の行方は様々な分野に影響する。さて、「18歳は大人か」。(坂尻顕吾)
■狙いはなに? 「当事者」の声を反映
若い世代の声を政治に反映させる、というのが直接の狙いだ。また、年金や財政赤字など世代間の不公平や将来の負担増について、当事者となる世代の声を広く採り入れることにもつながる。
18~19歳は約270万人(05年10月現在)。この分新たな有権者が生まれて社会的な関心が高まれば、若年層の政治離れを食い止めるきっかけになる。若者の成長や自己決定能力の向上を促す側面もある。成人年齢でみると、親の同意なしに財産の取得や処分ができる年齢が引き下げられることになり、経済活動も広がる。引き下げ論にはこうした意味がある。
引き下げ論は以前からあった。欧米諸国が相次いで選挙権や成人年齢を18歳まで引き下げた60年代末から70年代にかけて、日本でも政治家らが「18歳選挙権」を唱えた。
この流れを受ける形で旧自治省が71年に世論調査したところ、成人では賛成22%に対し、反対は60%。反対理由では「18歳ではまだ政治問題を判断する能力がない」が最も多く、その後、議論は尻すぼみになった。
00年1月にも、小渕首相の私的諮問機関「21世紀日本の構想」懇談会が「18歳は社会的成人と見なして十分と考える」と指摘し、選挙権や成人年齢の見直しを促した。同年6月の総選挙でも、自民党を除く各党が選挙権年齢の見直しを訴えたが、やはり論議が広がることはなかった。
今回の議論は、国民投票で投票年齢引き下げを先行させ、より影響の大きな選挙権年齢や成人年齢もそれに合わせようという流れで、これまでにはなかった展開だ。
■酒・たばこも18歳で? 法律ごとの検討も
国民投票法の投票年齢が18歳以上になったからといって、公選法や民法まで一致させる必要は必ずしもない。憲法は選挙権や成人などの具体的な年齢は記しておらず、目的や性質を踏まえ、各法律で定めている。
その中で、一つの基準になっているのが20歳を成年と定めた民法だ。刑法や商法、医師法、公認会計士法などは年齢を明示せず、「成年」「未成年」という表現で区切っていて、民法の成人年齢が変更されれば、それに合わせて適用年齢も変わることになる。
一方、年齢を明記している法律も多い。少年法や国籍法、相続税法などのほか、酒やたばこの年齢制限は20歳だ。この場合、引き下げは個別に検討することになる。例えば、少年法の適用年齢を20歳から18歳に引き下げる議論はこれまで何度もあった。刑事罰の対象年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げる改正は先行実施されている。
■ほかの国はどう? 20歳選挙権は少数
世界の先例をみると、パターンは二つある。
英国は69年、学生運動の高揚を背景に、21歳だった選挙権年齢と成人年齢をそろって18歳に引き下げることを決めた。
一方、旧西ドイツは70年に成人年齢(21歳)を据え置いたまま選挙権だけ18歳に引き下げ、その4年後に成人年齢を18歳にした。
国立国会図書館に資料がある185の国や地域の選挙権年齢をみると、18歳を基準にしているのが154(83%)だ。20歳を基準にしているのは、日本や台湾、モロッコ、カメルーンなど7(4%)しかない。世界的な潮流は「18歳選挙権」だ。
日本では、地方自治体で条例などで投票年齢引き下げを先取りしている例がある。
旧秋田県岩城町が02年9月に実施した住民投票では、18歳以上が参加した。ほかにも03年の住民投票で、長野県平谷村が中学生以上に、北海道奈井江町が小学5年生以上に投票権を認めている。
◆「自分なら何歳」考えて
選挙権年齢や成人年齢について調べてみると、法解釈上の論点を指摘する論文や文献は多いのに、「何歳から大人とみるべきか」を正面から論じているものは意外に少ない。
それだけに、この問題は国会議員や法曹関係者だけに議論を委ねないほうがいい。「18歳は大人」か。一人でも多くの人が考え、国会での意見集約につなげていく道筋が求められる。そのために、「自分なら何歳だろう」と考えるところから始めてみてはどうだろう。(坂尻)
○政治参加の門戸広げよ 近藤孝弘・名古屋大助教授(比較教育学)
投票年齢の引き下げには基本的に賛成だ。「できるだけ多くの人が政治的な意思決定に参加する」。ここに価値を置くのが民主主義の理念だ。それを否定すれば「政治は優秀で道徳的な一握りの政治家に任せておけばいい」となりかねない。
投票年齢の設定は、民主主義の理念と社会が負うかもしれない政治的なリスクとのバランスの問題だ。引き下げていくと、政治的な判断能力に欠けた人が意思決定に加わる可能性が高まる。しかし、それが社会にとって非常に危険だということでもない限り、参加への門戸は広げるべきだ。
ただ、リスクを下げる努力も求められる。ドイツは州ごとに、中等教育段階から「政治教育」の教科を設けている。(1)政治問題への関心を高める(2)政治の世界で語られる言葉の理解能力(3)それに基づく合理的な判断能力(4)政治に参加する能力、を身につけることが目標だ。連邦と州には政府直轄の「政治教育センター」があり、民間団体を支援して、中高生を「有権者」とした選挙を模したジュニア選挙を実施している。
日本では、そもそも政治的に見解が分かれる問題を授業で扱わず、生徒が政治的な行動をすることにも社会の理解は低い。授業内容も制度の理解にとどまりがちで、政治的な判断能力や参加能力がほとんど養えていないと思う。こうした点から改めないと、実際の選挙でも何が争点かを一人ひとりが考えて投票することに結びつかない。
○成人の定義、統一は不要 辻村みよ子・東北大大学院教授(憲法学)
国民投票の資格年齢が問題となっているが、憲法には何も定められていない。15条3項で「成年者」の普通選挙が保障されているだけで、公職選挙法で20歳以上としているにすぎない。
国民投票も普通選挙も、ともに主権者の主権行使の機会と考えれば、担い手が違うのは望ましいことではない。ただ、国民投票や住民投票と、普通選挙は性質が異なると考えれば一致させる必要はないともいえる。住民投票条例で18歳以上などに投票を認めている例もあるが、違憲かどうかを問う声はほとんどない。
一方、憲法の「成年」と民法の「成年」が、必ずしも同じである必要はない。社会にはいろいろな年齢制限があり、たばこやお酒、運転免許など議論すべき法律は多い。まず国民投票法を定め、3年をめどに全体の整合性を考えるのは一見リーズナブルにみえる。
ただ、国民投票法の論点は他にもある。改憲原案の発議の仕方やメディア規制に問題はないのか。投票年齢に焦点を当てるのは、主権者の関心をそらす世論誘導的な面がある。
成人年齢の引き下げを一緒に議論することで国民投票法が世論の後押しを受けたら、次に来るのは憲法改正だ。平和志向の強い中高年層より、若者なら改憲に賛同を得やすい。そんな背景もあり、今回は保守派も投票年齢の引き下げに同意したのだろうが、重要な点を隠してしまう形で投票年齢が争点化されることには危惧(きぐ)を持っている。
(朝日新聞2006年12月30日)
「成人」の年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が年明けから検討されることになった。来年の通常国会で国民投票法案が成立した場合、そこから3年以内をめどに改正をめざすという。改正されれば、18歳が法律上の大人となり、結婚や財産権、飲酒・喫煙など幅広い分野で社会を変えることになる。しかし、同法を所管する法務省内部でさえ改正に慎重な意見があるうえ、他の官庁が扱う法律にも影響が及ぶため、政府部内で方向が決まるまでには時間がかかりそうだ。
「年齢20歳をもって、成年とする」――。民法は1896(明治29)年以来、社会の一人前のメンバーを決める基本になっている。
成人年齢引き下げの検討はそもそも、国民投票法案を巡る与野党の議論の中で、投票年齢とあわせて「3年を目途に公職選挙法、民法などの関連法について措置を講ずる」と付則で示す修正案が持ち上がったことから始まった。
法務省内には「日本の基礎にかかわる問題を、ほかの法案の議論に引きずられるかたちで考えるべき話なのか」といった疑問の声は根強い。一方で「こういう外的要因でもなければ、変えられなかった。いい機会だ」と歓迎する声もある。
いまの民法では、結婚できる最低年齢は「男性18歳、女性16歳」だ。ただ、未成年の場合は親の同意が必要だ。結婚すれば未成年でも「成人に達したと見なす」とされ、財産の処分などの法律行為が成人並みにできる。
成人年齢が18歳になれば、結婚の際、女性だけに父母の同意が必要な場合が残るという、いびつな構図になる。このため、男女の婚姻最低年齢を統一すべきだという議論につながることは間違いなさそうだ。
親の同意なく財産を取得・処分する権利を得るのも、成年になってからだ。未成年が親の同意なく結んだ契約は取り消すことができる。18歳でも自由に財産を処分できるようになれば、「若者の経済活動が促進される」という意見の一方で、「若者の保護の観点からは不十分だ」との議論も出てきそうだ。
養子縁組で養親となれる年齢も18歳に引き下げられることになる。
また、民法だけではなく、ほかの法律に関する分野にも議論は広がりそうだ。
満20歳未満に飲酒・喫煙を禁じているのも、民法上の「成年」の考え方を前提にしたものだ。年齢にあわせて引き下げるなら大きな問題になりそうだが、引き下げないのであれば、どういう理屈がありうるのか、改めて議論を呼ぶことになる。
また、選挙権を20歳以上と定めている公職選挙法の改正も議論されそうだ。あわせて裁判員の対象年齢も引き下げられる可能性が出てくる。裁判員は、選挙人名簿から無作為に選ばれるからだ。
さらには、20歳未満を「少年」と定めた少年法にも影響しそうだが、政府部内では「立法当時と比べて18歳、19歳の少年の精神的成熟度が変化したとは言いがたい。適用年齢引き下げの必要性を説明するのは難しい」との見方も強い。
~ブックレット『16歳選挙権の実現を!』を読みながら~
2002年に刊行したブックレット『16歳選挙権の実現を!』(現代人文社)を読みながら選挙権・被選挙権年齢引き下げの論点を再び整理するためのサロンを12月23日(土・祝)に行いました。ブックレット執筆メンバーを講師に、選挙権・被選挙権の法的性格、引き下げが必要な理由、海外の動向、Rightsの考え方、最新の情勢について学習と意見交換をしました。今回のサロンでロビー活動に役立つ理論構築ができたと思います。

~ブックレット『16歳選挙権の実現を!』を読みながら~
NPO法人Rights(ライツ)は、選挙権年齢引き下げと政治教育充実をつうじた子ども・若者の政治参加をすすめるため2000年に結成しました。
そして2002年の超党派国会議員と市民200名による国会集会にあわせ、選挙権・被選挙権年齢引き下げに関する論点と資料をブックレット『16歳選挙権の実現を!』(現代人文社)として刊行しました。それから5年近く、選挙権年齢についてコンパクトにまとめた唯一の出版物として活用されています。
いま憲法改正国民投票法案の投票権年齢をめぐる議論を契機に、ようやく選挙権年齢についても民法や少年法の成人年齢とともに引き下げを検討する状況になってきました。
そこで、ブックレットを読みながら選挙権年齢引き下げの論点を学習したいと思います。年末の慌しいときですが、ぜひご参加ください。
スピーカー:ブックレット『16歳選挙権の実現を!』執筆メンバー
日時:12月23日(土・祝)15:00~17:00(受付開始14:45)
場所:NPO法人Rights六本木事務所(みなとNPOハウス4階)=地図参照
地下鉄日比谷・大江戸線「六本木」駅徒歩2分
参加費:無料(ブックレットを持参してください)
※ブックレットのない方は受付で購入できます。1冊798円(2割引)です。
※お問い合わせは事務所までお願いいたします。
(朝日新聞2006年12月6日)
日本の法律が定める成人年齢が20歳から18歳になるかもしれない。国民投票法案を巡って、自民党が投票年齢を民主党案の18歳以上に修正するのに合わせ、選挙権年齢を同様に引き下げる検討作業に6日着手する。20歳を成年とする民法や、20歳で少年と成人とを区切る少年法、飲酒や喫煙を規制する法律まで検討対象は広がる。決着がどうなるかは別にして、社会のありようを問い直す論議に発展しそうだ。
自民党は6日の特命委員会で、衆院憲法調査特別委員会の理事を中心に進めた民主党との修正協議の内容を報告、党内手続きを始める。
憲法改正の手続きを定める国民投票法案の修正案は、投票年齢について与党案の本則を「年齢満二十年以上」から「年齢満十八年以上」に変更。付則で「3年を目途に公職選挙法、民法等の関連法令について所要の措置を講ずる」とする。仮に法案が成立しても、公布後3年程度は国民投票の投票年齢を「20歳以上」に据え置き、それまでに公選法などの改正を促す考えとなっている。
与党案をまとめるにあたり、自民党は公明党と国民投票の投票年齢を選挙権年齢に合わせることを確認していた。このため、国民投票の年齢引き下げに合わせ、選挙権年齢そのものの引き下げが必要となった。自民党内には異論もあるが、この論議で同法案への関心を高めてもらおうとの狙いもある。
同時に同法案の関係議員は、修正案で年齢引き下げ実施までに3年とした期限内に選挙権年齢などについても論議をまとめ、公選法や民法などの関連法を改正することをめざす。
だが、自民党内では「野党に有利だ」とみる声や、多くの法律の改正作業が煩雑になることなどから反対論もある。衆院特別委でも、保岡興治元法相が「現在、成人年齢に関する法令は24~25あると言われており、引き下げは日本の基礎を大きく左右するテーマだ」と指摘している。
修正案取りまとめの中心となった同特別委の船田元自民党理事でさえ「成人年齢を定めた民法などその他の法律にどのような影響をもたらすかを真摯(しんし)に検討する必要がある」と指摘。参院自民党の片山虎之助幹事長も「他の法制とのバランスの議論がある」とクギを刺す。
「18歳選挙権」をめぐっては、民主、共産、社民など野党各党のほか、公明党もマニフェストなどに掲げて実現を訴えている。世界各国でも、国立国会図書館にデータのある186カ国・地域のうち、米国やイギリス、フランス、インドなど162カ国で選挙権は「18歳以上」となっている。
「18歳以上」「改憲に限定」 国民投票法案で歩み寄り
(朝日新聞2006年12月1日)
憲法改正の具体的な手続きを定める国民投票法案をめぐり、与党は30日、民主党との最大の対立点だった投票年齢について、「20歳以上」としている与党案を「18歳以上」まで引き下げることを正式に表明した。一方、民主党は国民投票の対象を憲法改正に限定する与党案に歩み寄る姿勢を見せており、お互いが譲り合った形だ。
これで双方の対立点はほぼ解消され、与党、民主党は共同修正案の作成に向けて動き出す。ただ、今国会の残り会期は少なく、それぞれ党内論議も必要なことから、共同修正案の提出まで進んでも、成立は困難な情勢に変わりはない。
30日の衆院憲法調査特別委員会小委員会で、自民党理事の船田元氏は「本則を18歳以上とし、付則に経過措置3年程度を置いて民法や公選法など関連法制の改正措置を明記する」と述べた。法案が成立しても3年間は実施を凍結し、民主党案の「原則18歳以上」とするために成人年齢や選挙権年齢などの見直し作業を進める考えだ。
一方、投票テーマについて、与党は憲法改正に限る姿勢を崩していない。民主党案は「国政の重要課題でも実施する」としているが、同党理事の枝野幸男氏は16日の小委員会で「憲法にかかわることに限定して諮問的国民投票制度を入れるという風にした方がいいのか、党内的にも議論しなければならない」と修正を示唆。30日も、枝野氏は法案成立後に改憲以外のことを問う国民投票についても国会で議論することを条件に、与党案に歩み寄る姿勢を示した。
三つ目の対立点である過半数の定義について、船田氏は与党案の「有効投票総数の過半数」は維持するものの、投票用紙への記載方法で「(投票用紙に)賛成、反対という欄を設けて、そこに何らかの印をつける」と提案した。
当初は投票用紙に賛成は「○」、反対は「×」と記入し、白票や他事記載をすべて無効としていた。だが、船田氏の提案は、より無効が少なくなるとして、民主党も受け入れる構えだ。
ただ、衆院の憲法担当者間で進む修正協議に、自民党内では「民主党案に引っ張られている」(政調幹部)との異論もある。このため、党内手続きが難航する可能性もある。
国民投票法案:「18歳以上」で自民・民主が合意
(毎日新聞2006年12月1日)
憲法改正の手続きを定める国民投票法案をめぐり自民、民主両党は30日の衆院憲法調査特別委員会の小委員会で、投票権者の年齢を民主党の主張する「18歳以上」として法案に記すことで合意した。ただ、公職選挙法改正により選挙権も同様に改めることが前提で、それまでは経過措置として「20歳以上」と付則で定める。今国会での成立は依然として困難だが、与党と民主党の最大の対立点が解消し、今後の協議が進展する可能性が出てきた。
投票権者の年齢は、与党案が20歳以上なのに対し、民主党案は18歳以上(国会議決で16歳まで引き下げ可能)としている。修正協議を担当する自民党の船田元氏は30日の同小委で投票年齢は原則として18歳以上との考えを示したうえで「(成人年齢は)18歳が世界の流れ」と述べ、公選法改正までの経過措置期間を3年程度設ける考えを表明。民主党側もこれを評価した。現実には選挙権を「18歳以上」とすることには自民党内の反発が強いため、仮に投票法案が成立しても当面は投票権は「20歳以上」となる公算が大きい。【須藤孝】
国民投票法案、投票権「18歳以上」与党と民主が合意
(読売新聞2006年12月1日)
与党と民主党は30日の衆院憲法調査特別委員会小委員会で、憲法改正の手続きを定める国民投票法案では、投票権を持つ年齢を「原則18歳以上」とすることで基本的に合意した。
与党はこれまで「20歳以上」を主張してきたが、この日の会合では、「本則は18歳以上とするが、付則に3年程度の経過措置を置き、民法や公職選挙法など関連法案が改正されるまでは20歳でいくのが順当なやり方だ」と、「18歳以上」を主張する民主党に歩み寄り、民主党も評価した。
ただ、会期末まで時間がないため、同法案の今国会での成立は難しいという見方が強い。
葛飾区立中学校の1年生5名が、総合的な学習の時間の一環で9月19日(火)午後にRights事務所を訪問されました。
学年全体で12グループに分かれ、今回訪問されたグループのテーマは「政治」。午前は永田町ツアーでお馴染みの「参議院法案体験プログラム」に参加し、 午後はRights事務所で意見交換という流れだったようです。
選挙権年齢を引き下げるべき理由や背景、政治がいかに身近なものか説明をしました。模擬選挙の結果や感想も使って説明した際に「模擬選挙をやってみたいか」と聞いてみると興味はあったようで、来年の参院選における模擬選挙の際は学校に対して呼びかけたいと思います。
ちなみに中学生からは事前に下記の質問が寄せられました。
1:なぜ18歳に引き下げをしなくてはならないのか。
2:引き下げをするとどういうことが起きるのか。
3:なぜ引き下げをしようと思ったのか。
4:もし、僕たち(中学生)が18歳になったときに心構えはどうしたらいいのか。
5:まだ政治を知らない若者が選挙に参加して平気なのか。
6:今の中学生に望むことはなにか。
Rightsでは今回のような訪問を歓迎しています。興味のある方はぜひともご連絡ください。

憲法改正国民投票法案の投票権年齢について衆参両院に議席をもつ政党に申し入れを行いました。(1)本則の投票権を「18歳」と規定すること、(2)即時施行が困難な場合は附則で「5年以内」と規定すること、(3)公職選挙法などの関係法令を整備する旨の付帯決議を行うことの3点で、5月30日に枝野幸男議員(民主)、笠井亮議員(共産)、辻元清美議員(社民)、田村秀昭議員(国民)、滝実議員(日本)、6月19日に船田元議員(自民)、斉藤鉄夫議員(公明)の事務所で、堀雄介代表理事が議員または秘書に手渡しました。
枝野議員は本則に18歳と規定する可能性に言及しましたが、斉藤議員は附則に3年以内の議論を規定するのが現実的との考えで、与党の議論では成人年齢の変更が全体の法体系に影響するとの慎重論が強いことを紹介されました。18歳選挙権の世論喚起も要望されており、今後ともロビー活動と世論喚起をつづけていく必要を感じました。

構造改革特区第7次提案で「選挙権・被選挙権年齢引き下げ特区」を6月に提案しましたが、総務省から回答を受け取りました(ウェブおよび下記参照)。Rights以外にも三次市(広島県)と「若者のための公開討論会を実現する市民の会 市民シンクタンク・ミッションボンド」が同様の提案をしましたが回答は同一でした。
選挙権年齢の問題は、民法上の成人年齢や刑事法での取扱いなど法律体系全般との関連も十分に考慮しながら検討すべき事柄であり、被選挙権年齢の問題は、その公職の内容や選挙権年齢とのバランスを考慮しながら検討されるべき問題である。
いずれにせよ、選挙権及び被選挙権年齢のあり方については、選挙の基本に関わる問題であるので、まずは国会の各党各会派で十分に議論がなされる必要がある(なお、国会において議員立法による法案が提出されたこともあるところ)。
(OhmyNews2004年9月21日)
18日午後3時、青少年と国会議員が集まって青少年問題を論議するフォーラムが高麗大学校で開かれた。「18歳選挙権共同連帯」と「文化連帯青少年文化委員会」が主催した今回のフォーラムには高校生を含む多くの青少年と、ウリ党のキム・ヒョンズ議員、民主労働党のチェ・スンヨン議員が参加した。
フォーラムは青少年の政治参加について論議する第1部と青少年が直接国会議員に質問・論議する第2部で構成された。第1部にはチェ・ユンジン中央大青少年学科教授とキム・ヨンジ韓国青少年開発院副研究員も参加した。
チェ・ユンジン教授は「青少年も主権を持つ市民であり、自分の利益と権利の保護のため他の社会構成員たちと平等に影響力を行使することで、独立した人格体として尊重されながら生きていく権利がある」「特別な理由なしに18歳の青少年に選挙権を与えないことは正しくない」と主張した。
高校時代から様々な青少年活動をしたとういうキム・カンテさん(20歳、大学生)は「青少年は4・19革命の時、独裁と不正腐敗に反旗をあげ最初に街に飛び出たし、80年代半ばの民主化運動にも参加した。また最近ではキャンドルデモなどを通じて政治に参加したこともある。青少年を保護の対象であるとばかり思うのは問題」と指摘した。
第2部のフォーラムにはキム・ヒョンズ、チェ・スンヨン議員とイ・ユンソク(大統領青少年特別会議推進団)、イ・ゲトク(進歩的青少年連合)、チョ・ユンソル(大邱青少年文化アーケード宇宙人)君らが参加し、▲18歳からの選挙権、▲私立学校法の改正案、▲高校等級制に関する論議が行われた。
最初にイ・ゲトク君は「ウリ党は18歳選挙権を党論として決めたが、最近は19歳選挙権に変えようとする様子を見せている」「このことに対してキム・ヒョンズ議員はどのように考えていますか」と質問した。
この質問に対してキム・ヒョンズ議員は「一部のマスコミはウリ党が19歳選挙権を主張しているように報道したが、ウリ党は18歳選挙権を党論として決めており、マスコミの間違った報道に対しても記者会見を通じて18歳選挙権に対する党論を再び述べた」と答えた。
続いてイ・ユンソク君は「現在大多数の高校は在学生が政治関連団体に加入するまたは政治行為(学校長の許可なしに署名運動または選挙運動をすることなど)をする場合、罰点を受け、ひどい場合は退学になることもある」「民主労働党のチェ・スンヨン議員はこの問題に対してどのように考えていますか」と質問した。
チェ・スンヨン議員は「この問題を解決するため民主労働党は18歳選挙権、学生会の法制化、私立学校法の改正案などを準備している。この法案が実施されるとこのような問題は自然に解決されると思う」と答えた。
またイ君は「最近、高校等級制などに対する論議が行われています。ハンナラ党は高校等級制問題を解決するため高校標準化制度を廃止すべきであると主張し、教育部は高校等級制などありえないことであるという言葉だけ繰り返しています。議員さんたちはこの問題をどのように考えていますか」と聞いた。
チェ・スンヨン議員はこれに対して「現実的に高校等級制は存在している。しかし、この問題を高校平準化と関連させることに問題がある」「今は高校平準化の廃止を論議する場合ではなく、高校等級制問題をどのように解決するかを論議すべきである」と話した。
イ君は「韓国は高校平準化制度を施行しているが、誰でも知っているように高校間には序列が存在しているのも事実。つまり、平準化政策を実施しているが、実質的な平準化には達していない。フランスの場合、毎年学校別のバカロレア(大学進学前の中等教育過程)の合格率を発表して、学歴が劣る地域を優先教育地区に指定して政府の追加財政支援、優秀な教師の配置などを通じて実質的な平準化のため努力している」「韓国も高校平準化問題を静かに乗り越えようと思わないで公開するものは公開し、これから解決すべきことは解決しようとする姿を見せて欲しい」と提案した。
イ・ユンソク 9月19日
9月26日付の朝日新聞朝刊の社説に、「■18歳選挙権―若者を参加させよう―」というタイトルの社説が掲載されました。
「高校生を含む18歳以上の未成年者が29日、全国で初めて1票を投じる。」として、今回1面で取り上げた秋田県岩城町や愛知県高浜市の動きとともに、「若者の非営利組織『Rights(ライツ)』は選挙権年齢の学習会や全国キャラバンなどの活動を重ね、今年2月には国会議員が参加する集会を開いた。これがきっかけになり、自民、民主などの超党派議員が『選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会』を結成。議員連盟への衣替えも検討中だ。」と、Rightsや国会議員懇談会の活動が取り上げられました。
1999年8月2日、朝日新聞朝刊に「高齢化のゆがみを正す-18歳投票制-」というタイトルの社説が載り、18歳選挙権について論じられました。この頃は、選挙権年齢の引き下げを求める者はいなかったといいます。約3年のときを経て、Rightsや選挙権年齢の引き下げを取り巻く状況は、徐々にですが変わりつつあります。
6月14日に松田隆夫さん(東京都立武蔵高校教諭)を迎え、学校での模擬投票の取り組みについてヒアリングしました。松田さんからは、日本では低投票率など若者の選挙離れが深刻であり、高校の授業で政治経済を担当しているため、民主主義の土台である選挙制度をどうしたらリアルに生徒に伝えられるかを長い間悩んだすえ、1989年から模擬選挙を始めた。特定の政治党派を応援しないなど最低限の注意点をおさえれば、実際の公職選挙は政治を学ぶ最大のチャンス。教科書だけでは抽象的な選挙制度が、模擬選挙への参加で具体的に実感できたり、親が『子どもから選挙のことを聞かれ棄権するわけにはいかず投票した』など家族の話題になる身近なテーマだと実感した。選管が当初心配した保護者からの苦情はこれまでない。結果は本物と同じ傾向で、高校生はマスコミに惑わされず冷静に判断し、時代の空気の流れを見事に感じている。18歳は充分政治的な判断力を持っている。
参加議員との意見交換で、公選法の「人気投票」禁止規定や「教育でリアルな政治を扱ってはいけない」という思い込みが強く、“公正中立な政治教育”という視点が、今までの教育から抜けているとの課題も示されました。
5月8日に総務省選挙課長らを迎え、公職選挙法や海外の状況をヒアリングしました。総務省からは憲法と公職選挙法の関係について、憲法15条でさだめた「成年者」の年齢を法律に委ねているので、18歳への引き下げは公職選挙法改正で実現する。G7(米・英・独・仏・伊・加)はいずれも選挙権・成人とも18歳で1970年前後に学生運動や兵役年齢の理由に引き下げられた。成人年齢と選挙権年齢はほぼ同時期に引き下げられたがドイツでは選挙権の4年後に成人が下がった。国政選挙での20代の投票率が低いことに対して、①政治参加が必要で政治意識を高めるために選挙権年齢を引き下げるべき、②選挙権年齢引き下げがさらに投票率を下げる、と両方の見解がある。選挙権年齢だけでなく法律関係全般を考えるべきであるとの説明がありました。
参加議員との意見交換では、少年法で20歳未満に刑罰が科せられないため選挙違反の取り扱いを検討する必要があること、韓国では19歳への引き下げ法案が国会に提出されたが審議未了となったこと、世論調査は現状では考えていないことが分かりました。
4月10日に法務省民事局と刑事局を迎え、民法や少年法の成人年齢と選挙権年齢の関係についてヒアリングしました。法務省からは少年法の規定、適用年齢引き下げの影響などが説明され、参加議員からは未成年者の判断力、未成年者と成人の犯罪率、戦前の民法の成人年齢(20歳)と選挙権年齢(25歳)の違いから民法の成人年齢が選挙権年齢を規定していないことの確認、主要政党の入党要件(18歳)との関係、成人年齢と年齢規定が異なる法律の有無、などが質問・意見として示されました。
3月20日の参議院総務委員会で宮本岳志議員(共産)が質問を行いました。
宮本議員は超党派の国会集会や国会議員懇談会にも触れながら、民法の成人年齢が一貫して20歳なのに対し、選挙権年齢は戦前は25歳で戦後は20歳と、必ずしも一致していないと指摘。各国の状況や主要政党の入党資格を紹介して、18歳への引き下げを求めました。
これに対して片山虎之助総務相は、各党会派の議論を求めるとともに、個人的には今の18歳に思慮分別があるかいろいろな意見があるので、総合的に検討すべき課題だと答えました。
国会集会の呼びかけ人となった超党派の議員が世話人となって、「選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会」が3月13日に結成されました。第1回懇談会は、朝日新聞論説委員の伊中義明さんを講師に迎え、「選挙権年齢の引き下げと若者の政治参加」というテーマで講演と意見交換を行いました。
伊中さんは、「なぜ今20歳なのか」と問いかけ、成人年齢を規定する民法は1896年に制定されていることを紹介。世代間の対立による社会の活力の減少を考えれば、早期に若者の意見を反映させる必要があると訴えました。若者の政治的判断能力への疑問に対しては不十分な教育を指摘。高校卒業から成人までの2年間のブランクによる関心の低下もあるとして、模擬投票など現実政治に触れる政治教育が重要だと述べました。そして、国会は20年後の社会を見据えることができなければならず、若者の意見を反映できる政党でなければ時代遅れとなり衰えていくと、国会議員の奮起を求めました。
参加議員も超党派から50名(代理を含む)を超え、質疑応答・意見交換で時間が超過するなど活発な議論で、順調に活動を始めました。今後は月1回のペースで会を重ね、選挙権年齢引き下げの立法を模索します。
2月13日(水)11:00~12:00の、たった1時間。限られた時間の中での集会したが、国会議員71名(代理を含む)など200名の参加者をえました。多数の国会議員を前に、「選挙権年齢の引き下げ」が確実に盛り上がっていることを見せることができたと思います。
はじめに、総務省、法務省から、それぞれの立場で選挙権年齢の引き下げについての見解を述べてもらいました。
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野田聖子議員(自民) 私としては、意識や関心がある人には広く認めてしかるべきであり、特に18歳である必要も無いように思う。その理由のひとつに、児童買春・ポルノ禁止法案が国会で承認されたということがある。そこで問題になったのは、この「児童」というものが何歳までの事をさすのかということについてであり、世界的には18歳以下が「児童」として認定されている。これは、「18歳以下=子ども⇔おとな」ということになり、この際年齢はわかりやすく18歳以上に統一的にすべきではないのかということである。もうひとつの理由は、将来にリアリティを感じられる世代にはその未来を決定する意思決定段階にどんどん参加すべきであると考えるからである。
小宮山洋子議員(民主) 最近では若者の投票率の低さが著しいが、若者の投票率の低さの影には「他人事のような政治」というものがある。教育の一環としても、何も選挙や政治のことについて実態をもって教えてはくれないし、民主主義についても教えてくれない。選挙権を引き下げることによって、若い人たちが関心を持ってもらえるようにすべきである。国会での審議の優先順位が上がっていくように頑張っていきたい。
石井啓一議員(公明) 若者が意見を言う場を提供するということは、重要である。わが国はこのまま変化も無いまま未来に進んでいくと、少子高齢化が激しくなってゆき、若者の意見はますます反映されにくくなる。少子高齢化の問題は、若者の負担が多くなっていくということであるため、若者にとっての問題なのであり、彼らの意見を汲み取っていかなければいけないのである。また、若い人の投票率に関しては、選挙権年齢の引き下げと同時に政治や社会が若者に対して積極性を促すような働きかけをすることが必要である。
石井郁子議員(共産) 選挙権年齢ひきさげに関しては相当気運が盛り上がってきている。このような各党から集まっている集会は大変うれしく思うし、我々としても、この問題には全力を挙げて取り組んでいきたいと思う。高卒で職について納税まですれば社会的義務も果たすもので、世間からは「成人」とみなされているような人に選挙権がないのはおかしいことである。最近では就職難などをよく聞くが、それらは政治の問題である。政治の扉を閉め義務は課されていても、権利もあたえられず「近頃の若者は…」と言うのはおかしいことで、早期に解決されるように全力を挙げたい。
西岡武夫議員(自由) 若者が選挙に参画する、具体的に参加することが必要である。具体的にはどのような方法論があるかということだが、まずは速やかに具体性をもつために法整備をしなければならない。別々の法律同士ではそれぞれの解釈が違うためうまくいかないが、選挙権年齢を引き下げることという議論に成人年齢の引き下げも盛り込むことによって、成人年齢をも一気に改正することができる。幸いなことに、成人年齢は憲法には規定されておらず、それぞれの法に委任されているため改正することは簡単とは言わないまでも可能である。
原陽子議員(社民) 最近ではよく「若者は政治に無関心だ」といわれているが、今の政治も、若者に対して無関心なのではないかと、このごろよく思うのである。若者に対して「政治に興味を持て」と訴えるのと同時に、政治は、なぜ若者が政治に興味を持たないのかを考えなければならない。その点でひとついえることは、投票する1票の意味がわからないということが挙げられる。これは、教育にも問題がある証拠である。もっと若者に対して開かれたものになり、若者が日本を作るようになっていけるようにしたい。
鶴保庸介議員(保守) 子どもの意見を親が聞いて、候補者を選ぶということが多くなってきている。親たちは、子どもたちの頑張る姿を見て、「子どもたちの未来」を預けられる候補者を選ぶのである。したがって、子どもたちに着眼して政策を提案する候補者は自然と人気が高くなるのである。選挙や政治活動についても、考えていかなければならない問題である。最近では若い世代だからといって特におとなと比べ劣っているというわけでもなく、インターネットなども普及しているのであって、もっと若者が参加できるようにしてもいいだろう。
アピール採択
今年1月に発表された厚生労働省の予測によると、2050年には65歳以上の高齢者が全人口の35.7%を占めるとされています。このことは、20歳から64歳までの現役世代にとって、3人で2人の高齢者を支えることを意味します。
子ども・若者は、こうした少子高齢化をはじめ、地球環境の悪化や経済の低成長、財政逼迫による税や社会保障の重い負担、そしてテロ事件を契機とした安全保障のあり方など、未来の責任から逃れることができません。子ども・若者の意見を政治に反映させ、世代間の均衡を保ち、各世代が連帯できる社会をつくる必要があります。
また、阪神淡路大震災や薬害エイズ事件などを契機に、多くの子ども・若者が、環境保全や国際協力に関わるNPO・市民活動やベンチャービジネスに携わるなど、主体的で積極的な社会参加が増えています。
いまこそ、子ども・若者の社会的意思決定過程への参加としての政治参加をすすめるため、選挙権年齢の引き下げを求めます。すでに、18歳以上に選挙権を保障している国は世界173ヶ国中149ヶ国にのぼっており、18歳選挙権は世界の潮流になっています。
今日、国会議員と子ども・若者が、これまでの距離を越えて一堂に会し、意見を交わすことができました。この成果をふまえ、賛同する議員と子ども・若者が協力して、世代を超えた多くの人々に理解の輪を広げ、選挙権年齢の引き下げを実現します。
2002年2月13日
選挙権年齢の引き下げを考える国会集会参加者一同
下村博文議員のおわりの言葉 今回の会合はとても画期的なものになるだろう。選挙権の引き下げは世界的潮流でもあるし、すぐにでも必要である。
しかし、超党派で皆が賛成ならすぐに法律を作って引き下げを実現すればいいと思うかもしれないが、実際はプロセスが大事であり、わが国の場合は自立した個人、自分が政治に参加してゆくことをきちんと理解できる個人の確立が大事である。また、選挙権年齢の引き下げだけでなく、成人年齢の議論もやはりしなければならないため、賛成だからといってすぐにとは行かない。
この国のあり方を考え、世論を形成することが必要である。みなさんも、政治家たちだけに頼る「他力本願」ではなく、自らも主張してゆく「自力本願」になるようになって欲しい。市民団体からも法改正の原動力となる動きをして欲しいし、若者の意識を高める働きかけも積極的に行なって欲しい。今日の日が、わが国のターニングポイントとなるように、我々も努力していきたいので、皆さんも是非協力してもらいたい。
6月6日水曜日、ちょうどこの日は小雨が続いていた。私は期待に胸を膨らませながら国会へ向かった。阿久津幸彦衆議院議員(民主党)から彼の所属する委員会で選挙権年齢の引き下げに関して質問をするということであった。これまで党派を超え、国会議員に選挙権年齢引き下げの重要性を訴えるため、日々国会に足を運びつづけることで少しずつ理解を得てきた実感が一気に心に湧いてきた。
彼の所属する委員会は「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(略称:倫選特)」で、主に選挙制度について議論するところである。16時6分、「本日は、現在の選挙権制度が抱えるさまざまな問題点について質問をさせていただきます。」厳粛とした中で阿久津議員の質問が始まった。阿久津議員の質問に答弁するのは片山虎之助総務大臣と遠藤和良副大臣であった。
質問の要旨は①20歳とする選挙権年齢の根拠はなにか、選挙権年齢と成人年齢を一致する必要があるか、②総務省として世論調査をする意思があるか、③被選挙権年齢を25歳と30歳と定める根拠はなにかである。
①について遠藤副大臣は「それ(20歳)は公職選挙法で定められていて、民法上の年齢と必ずしも一致しなければならないということではない。ただ司法上、判断能力を前提とする民法上の成年と政治に参加して選挙権を行使できるだけの判断力を前提とする選挙権年齢とを異にするだけの理由がない。また成人年齢や選挙犯罪の観点からの刑事上など法律体系全般との整合性も考慮しなければならない。」と答弁した。それに対して阿久津議員は「刑法、少年法とかいろいろ関係法令はあるが、それとともに成人年齢は非常に重きを置いているのではないか、それを前提にした上で選挙権年齢を決めていると考えていいのか」と問いつめた。それに対して片山大臣は「…一人前は20歳以上とする昔ながらの、観念的にもそういう社会通念があり、そこに合わせたのだろうと思うし、それはそれでいいんではないか」と答弁した。続いて阿久津議員は「民法、少年法、関係法令等が18歳を成人とするなら、選挙権も引き下げる事は可能か」と迫ったが、片山大臣は「別に民法、刑法等と連動させようというわけではなく、また結果として両方の考えが一致して20歳になった。また政治に参加するには思慮分別があり、社会的な責任を果たせる人でなければいけない。一種のポピュリズムになる可能性もあるから慎重に検討すべきである」と述べ、引き下げに関して消極的な意見に留まった。それに対して阿久津議員は「50年前の内務事務官が述べたことと一緒だ」と指摘した。
②については18歳の若者たちは一種のポピュリズムに陥りやすいという大臣の見解に納得のいかない阿久津議員が「今、本当に10代、20代に熱心な若者がたくさんいる。ですから1971年から1978年にかけて行なわれた青年の政治意識調査をもう一度、総務省として行なってほしい」と要望した。それに対して遠藤副大臣は「調査の結果は16歳から19歳までの層も、20歳以上の層も選挙権年齢の引き下げには反対の人が多く、またそのころの意識とあまり変わってないので、それ以来、調査はしていない。」と答えたが、阿久津議員は「しかしその後、大きな国民意識の変化があったと考えている。政治参加を目指して出来たRightsが昨年の衆議院議員選挙の直前に全候補者1,124名を対象にアンケートを行なった。回答率は41.3%、464名だったと聞いているがこの中で18歳への引き下げに賛成だったのは93%です。こういったことも踏まえて、是非調査をやって頂きたい。」と食い下がった。これに対して片山大臣は「検討だけはしてみたい。またこの問題は各党会派で党として御議論いただくことが前提だ。」とようやく調査を行なう意思を見せた。
③については現在の被選挙権は25歳、30歳であるが、その根拠はなにか、成人に被選挙権を保障しなくてもよいのかという質問に対し遠藤副大臣は「選挙権と被選挙権の年齢に区別を設けているのは、社会的経験に基づく思慮と分別を期待しているもので、この年齢がそれぞれ適当であるとされている」と答弁した。
今回、総務大臣、副大臣の答弁でよく分かったが、今の時代の若者は、選挙権を与えるのにふさわしい判断力や社会で責任のとれる判断力を備えていないという見方が相当強く感じられた。このことは重く受け止めなければならないが、そういった状況だからこそ、世代を超えて理解を求め合う場が必要なのではないか。Rightsとしては9月から始まる臨時国会で、選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会を設けて、そういった認識の違いを理解し合いながら選挙権年齢の引き下げの是非を真摯に訴えて行きたい。
今こそ立ち上がる時がきた。意気揚揚と歩きながら小雨がやんで晴々とした夕暮れ時の空の下で後ろから背中をぽんと押してくれる風を感じた。
私たちの選挙権・被選挙権および民法(成年)・少年法(少年)の引き下げについての考え方をまとめたものです。
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5月9日(水)に代々木の国立青少年センターで第5回Rightsフォーラムが行なわれました。今回は第1回Rightsフォーラムにお越しいただいた、朝日新聞論説委員の伊中義明さんをお呼びして「若者の政治参加が未来を変える!!」というテーマの下、Rightsの原点である選挙権年齢引き下げと若者の政治参加についての講演とディスカッションを行ないました。
現在の選挙権年齢は18歳というのが世界の潮流で、その数、実に140ヶ国以上です。選挙権年齢が20歳という国は日本や韓国等といった少数派です。ただ世界各国が昔から18歳選挙権なのかというとそうではなく、1960年代以降に引き下げられていきました。その理由は主に2点あります。ひとつは学生運動です。欧州などでは活発な学生運動を展開していた世代を政治に取り込んでしまおうという意図で、選挙権年齢が引き下げられました。もうひとつは、徴兵制です。徴兵年齢は18歳ですがその世代には選挙権がありませんでした。その為、選挙権のない世代、つまり政治に対して何の意思表明も出来ない世代を戦争にかり出して良いのかという議論が巻き起こりました。その結果、選挙権年齢が引き下げられたのです。
では何故、日本で選挙権年齢の引き下げが必要なのでしょうか。まず、平均寿命が延びている事が挙げられます。寿命が延びるという事は選挙権年齢の上昇を意味します。政治家は自分に票を入れてくれる人の為に政策をつくる傾向にありますので、高齢者世代の有権者が増加すると、高齢者の政治的影響力が増大する事になります。今の日本は高齢者世代になるほど投票率が上昇するという状況も、それに拍車をかけています。高齢者世代の政治的影響力が増えすぎると様々なところで世代間の不均衡が出てきます。例えば今の日本経済は政府による多額の財政出動により支えられているため、将来的に生活水準が低下するという懸念があります。また年金も今の賦課方式では、若者が減り、高齢者が増加するにつれて1人当たりの負担が増えていきます。
このように今の日本には、世代間の負担を調和するシステム作りを急ぐ必要があります。しかし、若年世代の政治的影響力が少ない現状では、若者の意 見が反映されない制度が作られてしまう恐れがあります。
そこで考えられるのが18歳選挙権なのです。選挙権年齢を18歳に下げると有権者が約300万人ふえます。300万人というのは絶対数としては少ないかもしれませんが、若者が意見を言えない事は不公平ではないでしょうか。また、20歳で選挙権を与えると高校卒業から2年間のブランクがあるため、その間に政治に対する関心が低くなってしまいますが、18歳選挙権では、高校3年生でも選挙に行けるようになり、学校教育にも影響を与えます。同時に被選挙権も18歳に下げるべきです。18歳で被選挙権を得るということは、大学生でも選挙に立てるので、政治を身近に感じられるようになり、若い世代への影響は大きいものになるでしょう。
それと共に政治教育を充実させる必要もあります。日本の政治教育は政治システムには触れるが、実際の政党や政策に触れる事はタブー視されています。それは政治に関心を持ち自分なりの判断を下せるような教育にしていく必要があります。
今回のフォーラムは、多くの初参加者を含め約40人の方に参加していただけました。結成して1年というこの時期に、Rightsの根本理念である「選挙権年齢の引き下げと若者の政治参加」がテーマのフォーラムにこれだけの方が参加していただけた事は、Rightsの活動が確実に浸透してきている証左ではないでしょうか。このフォーラムをRightsがより一層エンパワメントするきっかけにしなければなりません。
クレッツァー来日
さる3月28日、渋谷の東京ウィメンズプラザにて、RightsとNPO法人子ども劇場全国センターの主催により「ここがおかしい選挙権年齢!!」が開かれた。これは、ドイツの若者による団体、クレッツァーの16歳女性ふたり――メタ・ステファン、ポーラ・セルの来日を記念した、若者の政治参加のあり方を考えようというイベントだ。
92年、子どもはどのような差別を受けているのか、それを考えようとした数人が動き始めた。クレッツァーの誕生である。ドイツ内外の様々なイベントに顔を出し、彼らのテーマ「子どもの権利を勝ち取ろう」を広めようと訴えている。
肌の色などによる差別は改善されてきても、子ども、人口の2割を占める子どもの権利は依然として少ないままだ。子どもは教育などの「対象」としてしか見られていない。ポーラは憤る。「みんな、かつては子どもでした。自由やデモクラシーを子ども時代に味わえなければ大人になっても子どもに与えられないでしょう」。
子どもにも、大人と対等の権利を――それが、クレッツァーの主張である。
クレッツァーと選挙権年齢
「選挙権は基本的人権のひとつ。基本的人権はすべての人に保障されなければなりません。選挙をしたければ子どもも大人も参加できなければいけないでしょう」、ポーラは言う。
民主主義はすべての人の権利を保障する。子どもも民主主義の対象である。それなのに、なぜ、子どもには基本的人権なる選挙権が与えられないのか?ドイツでは子どもに関心がもたれないという。子どももまた、選挙権のないがゆえに政治家に対して意見を言えない。
改善されぬ現実に対し、クレッツァーは95年、行動を起こした。選挙権の保有に年齢制限があるのは違憲であると、裁判所に訴えたのである。この裁判を通じてクレッツァーが訴えたかったのは何か。「子どもが選挙に行きたいのだと訴えている、それが明らかになるというのも目的のひとつではありました。しかしやはり、本当にしたいことは、“生まれたときから権利を保有している”という状態なんです」。
だが結局、決定は芳しくなかった。「訴えは発布後1年間のみ認められる」――ドイツの憲法は、1950年に発布されていた。
ドイツの中には選挙権の年齢制限を16歳に引き下げる動きもある。実際、いくつかの州ではすでに選挙権年齢は16歳である。
しかし、これはまったく根本的解決ではあり得ない。「制限を下げたって、“投票可能な人”のみ選挙を認められるということに変わりはなく、結局青少年は疎外されています」、メタの発言だ。ポーラはさらに、「私たちはあくまでも、制限をなくすことを訴えたい。“投票可能な人”と言うけれど、大人だってテストされているわけじゃないでしょう。16歳から選挙できます、なんて引き下げられたって、ナンセンスよ」と、実に堂々と宣言した。
選挙権年齢を引き下げることに留まらず、制限そのものに疑問を抱き、クレッツァーは選挙権の年齢制限撤廃を訴え続けているのだ。
政治に無関心な若者
政治には関心がもたれないと言われる。20代の投票率は20%台を低迷したままだ。
ドイツにも、政治に無関心な若者は多くいる。しかし、日本との違いは、学校の授業などで政治が語られ、また授業外においても社会の動きがよく話されるというところだ。
「ただひとつ、言えることがあります。子どもが社会についてあまり関心をもつことができないのは、選挙権をもっていないためであり、そのために、自分自身は政治に、社会にあまり関わることができないのだろうと考えてしまうということです」。メタは断言する。
ともにパネリストを務めるRights幹事林孝一はこう言う。「まず日本の若い人たちはあまり政治一般に対する関心がない。政治は生活と密着しているものなのに」。「関心をもたないことのひとつの理由は、自分が参加できないから、ということ。政治に無関心―年齢制限がある、政治参加できない―より無関心となる―こうした悪循環があるのではないでしょうか」、これはメタの発言だ。
また、政治教育についてのディスカッションでは、日独の違いが明らかに示された。
コーディネーターを務めるRights幹事小林庸平の発言はこうだ。「日本では政治システムは教えるが、現実政治は教えません。何も触れないことが“政治的中立だ”とされています。ドイツではどうか。現実政治を語ることに悪影響は果たしてあるんでしょうか」。これに答えてメタは言う。「きちんと話し合われることが必要ですよね。ドイツでは、先生が考える素材として最低限の事実を教え、生徒は自由に意見交換を行います」。
しかしもちろん、ドイツにおいても、政治について話すこと自体に違和感をもつ者は多い。これまで選挙権年齢の制限撤廃など考えたこともなかったという者、クレッツァーの主張を聞いて驚く者も多い。少しでも共感を得たい、少しでも政治参加に興味をもってもらいたい、そうした気持ちでクレッツァーは様々な場で訴えることを続けている。
「権利とは弱者を守るためにあるものである」
クレッツァーは、被選挙権年齢についても制限を撤廃すべきだと主張している。これは過激な主張のようにも思えるが、少し考えてみればそれが妥当であることがわかるだろう。たとえば、弱冠5歳の少年が選挙に立候補したとしよう。彼は他の候補者と同様、有権者による投票によって厳密に審査される。民主主義において、多数の有権者が認めたことは正当なことである。したがって、彼が当選したとするならば、彼は正当に有権者に認められた――議員としての能力、また資格のある者であるということになる。たとえ彼の雇う年長者が彼に指示されることに不満を抱いたとしても、責務は全うしなければならない。
何歳であっても正当に選ばれることがなければ、立候補しただけで議員になることはできない。そうであってみれば、被選挙権の年齢制限を撤廃することに何の問題もない。
これに対し小林は率直な疑問を述べた。すなわち、「クレッツァーというのはすべての面において差をなくそうと考えているのか」。ポーラは言う。「大人と子どもがまったく同じというわけではない。けれど、権利は同等に与えられるべきです。権利というものは、強者から身を守るために使うことができます。子どもは大人よりも弱い立場にあり、子どもは大人と同等に、もしくはそれ以上に権利をもつべきなんです」。
Rightsは被選挙権年齢について、難しい問題ではあるがせめて成人年齢までは引き下げよう、という意見が大勢を占めている。
「いきなりゼロにするのは難しい。小さいところから始めるのが賢明でしょう。小さな一歩も改善ではあるのだから」、ポーラの力強い発言に一同は力づけられたのではなかろうか。
質疑応答
会場からの発言も盛んであった。
「今はNPO・NGOの活動も盛ん。政治は何も“永田町”に任せる必要はないはず。“年齢制限撤廃”よりも、若い者がいかに社会に働きかけ、異議申し立てしていけるか、を考えることが大切では?」という発言に対しては、「権利はあくまでも可能性としてあることが大切。子どもが意見を言えることが保障されることが必要なんです。生じ得る様々なデメリットとメリット、どちらが重いか考えてみてください」とポーラが必死に訴えた。
参加者のひとりは、権利と義務について疑義を表した。権利を与えるならば義務をも同等に与えるのか?と。それに対しては、「権利は“ある”ものであって、行動するものではない。しかし義務は遂行されるものであり、それなりの能力を必要とされるはずです。子どもは大人と比べて弱い。経験も少ない。子どもに大人と同等の義務を遂行されることは不可能でしょう」と答え、権利と義務との違いを明らかにした。
日独交流を通して
クレッツァーの主張は一見過激なようにもとれるが、しかし来日したメタとポーラの整然とした理論的な説明を聞けばその妥当性を納得させられてしまう。
「許可された者のみ投票する」現状から「したい者が投票できる」制度へ。クレッツァーの主張はこの一点に終始するといってもよいだろう。
風土の違いを超えここに一つの交流が生まれたことを、決して単なる「イベント」に留まらせてはならない。
11月15日(水)に代々木の国立青少年センターで、Rights主催による、国会議員シンポジウム「若者の政治参加をめざして-選挙権年齢引き下げを考える-」というイベントが開催されました。主要6政党から下村博文さん(自民)、枝野幸男さん(民主)、高木陽介さん(公明)、春名直章さん(共産)、保坂展人さん(社民)、武山百合子さん(自由)の6人の国会議員が集い、Rightsが目的として掲げる若者の政治参加や選挙権年齢の引き下げについて、活発な議論が交わされました。
このシンポジウムは、企画から当日の運営まで、すべてRightsのスタッフが手掛けました。私たち1人1人の願いが今を変える大きな動きになっていくことを信じて。シンポジウムには多数の聴衆のご参加もいただき、私たちの願いが少しずつ何かを呼び寄せつつあると感じました。そのシンポジウムの様子を皆さんに報告したいと思います。
「皆さん、楽しんでください」
「皆さん、楽しんでください」。11月15日午後4時半、Rights代表の大友新君は、最終打ち合わせでスタッフが集まった部屋で、みんなにそう言葉をかけました。スタッフは総勢30名以上。それぞれが大学も学年も専門もバラバラですが、若者の政治参加へ向けての情熱だけは誰にも負けないという人々がそろっています。大友君の挨拶が終わると、スタッフは5つの役割(受付、記録、パネリスト接待、設営・場内整理、場外誘導)に分かれて、それぞれに担当の仕事を開始しました。その光景はバンドや演劇の設営準備にも近いですが、スタッフには、今までにない新しい主旨のイベントを開催するという創造の喜びもあります。パネリストの国会議員が次々と会場に到着しているとの連絡も入り、スタッフの志気もあがりました。
会場はほぼ満席
午後6時から、会場で受付が開始されました。天気はあいにくの雨でしたが、受付開始から開会までとまることなくお客さんが入り、150人を超えるお客さんが入りました。Rightsのイベントへの2回目の参加になる大学生は、「民主主義の向上のためには、ハード面とソフト面が必要だと思います。ハード面は選挙制度の改正で、ソフト面は学校教育の改革。今回の企画を通じて少しずつその考えが世の中に広まっていくことに期待しています」と語っていました。
また今回が初めてという大学生は「個人的には、選挙権年齢の引き下げは、政治的無関心を改善する政策ではないように思います。きちんと判断できずに変な議員が当選する可能性もあるし。でも、その若者の政治的無関心を何とかしていけるものがあるのかどうか、聞いてみたいと思っています」と話してくれました。
多様な意見を持つ人々が、共通の関心のもとに集ってくる。その関心の高さと、そういう「場」が創造されたことの意味がひしひしと伝わってくる。会場には、その雰囲気がありました。
シンポジウム開始
午後6時30分、シンポジウムが始まりました。パネリストの議員が次々に入場し、大友君がRightsの活動内容を紹介。その後、Rights副代表の高橋亮平君のコーディネートのもと、討論が開始されました。以下に討論の一部を掲載しましたので、ぜひ白熱した討論に触れてみてください。
高橋 選挙権、被選挙権年齢の引き下げについての賛否と、その理由をお聞かせください。また、民法や少年法の改正もふまえた考えについても、お願いします。
春名(共産) 私は、選挙権年齢の引き下げは実現すべきであると思います。世界の趨勢でもありますし、日本はこれほど遅れていていいのだろうか、と思っています。日本社会には青年をどう位置づけるかという問題がありますが、私は18歳を社会を構成する成人として位置づけていいと思います。被選挙権については、国によって様々であり、現在研究中です。
保坂(社民) 賛成です。あえて言いたいこととして、戦いとるのが権利です。もぎとってやろうという熱い声が必要です。少年法を引き下げるから選挙権というのは、おかしな議論です。被選挙権は、20歳以上でやってみたらどうかと思っています。
下村(自民) 選挙権も被選挙権も18歳以上にするべきだと思います。数字にはそれほど根拠がないわけですから、若い人たちが広範な議論をして、その中で決めていくべきことだと思います。
枝野(民主) 15歳で選挙権、が理論的にはあっていると思います。ただし、国民の心理的反発もあるため18歳が妥当です。しかし、そのことを国会で審議してもらえないのが、今の与党のやり方です。全部そろえて、関連法もあわせて改正した方がわかりやすいし、選挙権も被選挙権も同年齢で与えるべきだと思います。
高木(公明) 明治時代には、民法では20歳で成人とするとされていましたが、天皇だけは18歳で成人になるとなっていました。何をもって一人前とするのか、ひじょうに曖昧です。何をもって権利とするべきなのかという議論を煮詰めるべきです。若い世代も勤労や納税などの社会的責務を果たしているわけですから、選挙権も被選挙権も同年齢で与えるべきだと思います。
武山(自由) 民法とセットで18歳というのが、自由党の政策です。
高橋 それでは選挙権年齢引き下げの実現には何が必要となってくるのでしょうか。それぞれお答えください。
保坂 青少年問題について、若者を国会に呼んでやろうとしたことがあるのですが、官僚が反対しています。国会に若者を呼ばなきゃ始まりません。古い人たちが跋扈している国会を揺さぶってほしい。今まで落選運動などの活動が盛り上がりを見せたことがありました。インターネットなどで知恵と力のある運動を展開してほしいと思います。
下村 引き下げに反対の人が多い世論調査結果があります。30年前に、中曽根さんが奇しくもここの場所で、「18歳にすべき」と発言したことがあります。現在は党内論議がされるべき状況ではありませんが、運動・マスコミなどを通じて、世論として当然でてくると思います。
枝野 インターネットは影響力が強いので、広めていくことは充分可能だと思います。これはおかしいと思ったときは、実は政治家も敏感に感じるものです。一度行動が起きたら、わっと火がつく時もあるといえます。
高木 権利について、自分たちがほしいのかどうか、問い直してほしい。歴史の中で、多くの国民は、権利はお上からもらったものと思っています。そういう流れを変えていかなくてはならないと思います。ただ、その動きの中で気をつけなくてはならないのは、インターネットや落選運動などの点を考えても、事実と真実はイコールではないということです。必ず主観が入ります。1人1人の中で情報をとらえて判断していくべきです。
春名 社会全体の中での18歳以上の位置づけが問われることになると思います。実現のためには、この問題では各政党横並びも可ですので、熱いエールを送ってほしいと思います。以前、自治省の役人に、選挙権の引き下げは世界の趨勢と話したところ、世論が盛り上がっていないから、という答えが返ってきたことがあります。その意見にも一理あります。みんなで世論を盛り上げていくべきだと思います。
今回のシンポジウムを振り返って
今回のシンポジウムを振り返って、評価すべき点として、Rightsの活動が具体的な成果となって現れ始めたこと(主要各政党の出席)、私達とまだまだ距離が遠い政治家と直接意見の交換ができる場が用意されたこと、各政党の政治家の意見が18歳への引き下げに前向きであることが確認できたこと、などが挙げられると思います。今後検討するべき点としては、討論が時間的制約と共に、マクロ的・理念的な内容となってしまい具体的な18歳引き下げへの政策実現のプロセスについての議論が充分ではなかったこと、18歳引き下げの政策の重要性が他の政策との比較の点で各政党において重視されていないこと、必ずしも18歳への引き下げが若者も含めた多数の人々の要望となっていないこと、などがあります。
それらの問題を克服するために、Rights側からの政策実現へ向けての具体的なプロセスの提案と、それを国民・政党に広報していくこと、経済政策の重要性と若者の政治参加の重要性をリンクさせて政党側に説明していくこと、若者の意思集約のために多方面での企画を用意し「18歳引き下げは若者の意志」という幅広い合意をかたちづくっていく必要があると思います。
11月2日(木)に国立青少年センターで第4回Rightsフォーラムが行われました。今回は、田無市・保谷市合併協議会事務局の斉藤治さんに「18歳から投票した合併市民意向調査」というテーマで報告していただき、それを踏まえてフリーディスカッションを行いました。学園祭シーズンと重なってしまったこと、あいにくの悪天候だったこともあって、参加者は15名と寂しいものでしたが、ひとりひとりが意見を言えるなど、内容は充実したものでした。
投票権を18歳以上に!
今年7月30日に田無・保谷両市の合併の是非を問う市民意向調査が行われました。これは特に条例に基づいたものではなく、住民の意向を聞くいわばアンケートの形式でしたが、両市長はどちらかの市で反対票が賛成票を上回れば合併は行わないと明言し、実質的には住民投票と同じ意味を持っていました。結果は賛成多数で、合併に大きく前進したのですが、今回の意向調査で注目されるべき点は投票権の年齢を20歳ではなく、18歳以上にしたことでした。両市の合併協議会による「選挙と違い、まちの将来の問題なので、少しでも多くの人に参加してもらいたい」という判断のもとでの実施でした。協議会内では「16歳以上にすべきだ」という意見も出たそうです。
全体44%、18歳37%、19歳32%
市民意向調査の投票率は44.17%、うち18歳は36.97%、19歳は32.20%でした。全体の投票率は高いものとはいえませんが、18歳・19歳の投票率は他の世代と比べて決して低すぎるものではありませんでした。末木田無市長は「若い人はよく参加してくれた」と話しています。第3回フォーラムでも議論になりましたが、19歳よりも18歳のほうが投票率が高いということは、18歳は学校において政治的センスを学んでいるからなのでしょうか。19歳は学んでからの時間がたち過ぎて冷めてしまっているからなのでしょうか。この結果だけでは判断がつきませんが、いずれにしろ、今回の住民意向調査は選挙権年齢引き下げへに向けた試運転という意味で、大きなきっかけになったのではないでしょうか。
衆議院選挙候補者アンケート結果
結成直後の6月に衆議院選挙の候補者に選挙権年齢の引き下げに関するアンケートをFAXで実施しました。2週間の短期間にもかかわらず送付できた1,124名のうち464名(41.3%)から回答が寄せられました。政党別には自民33名(11.4%)、民主85名(34.4%)、公明11名(28.9%)、自由14名(23.7%)、共産248名(74.7%)、社民45名(68.2%)などとなっており、共産、社民両党の回答率が際だって高くなっています。
まず、選挙権年齢の18歳への引き下げは賛成430名(92.7%)、反対12名(2.6%)となっています。公約している民主、公明、共産、社民などに反対はありませんでしたが、自民は賛成33.3%と半数に達していません。
賛成の理由は「政治問題を判断する能力がある」196名(45.6%)、「若い人の意見を政治に反映させた方がよい」115名(26.7%)「政治に参加させる機会を与えた方がよい」83名(19.3%)が多く、共産は判断能力が、公明、自由、社民などは意見反映がそれぞれ理由の過半数を占めています。
民法3条の成人年齢(20歳)と少年法2条1項の少年年齢(20歳未満)の引き下げは、必要がそれぞれ376名(81.0%)、368名(79.5%)と8割前後になっています。共産は各9割、公明、自由が各7割、自民、社民が各6割なのに対し、民主は少年法が56.5%と低くなっています。
被選挙権年齢の引き下げは、衆議院(25歳)が賛成111名(23.9%)、反対109名(23.5%)、どちらともいえない226名(48.7%)、参議院(30歳)が賛成170名(36.6%)、反対58名(12.5%)、どちらともいえない220名(47.4%)と多くが態度を決めかねています。衆参とも自民、自由は反対が、社民は賛成が共産はどちらともいえないが過半数になっており、政党によるバラツキが最も見られました。賛成の場合、年齢は衆議院20歳、参議院25歳がそれぞれ5割近くになっています。
高校生の政治活動を禁じる文部省通知の撤廃は賛成376名(81.2%)、反対39名(8.4%)です。共産、社民の9割強、民主の8割弱が賛成なのに対し、自民の4割弱、公明の6割強が反対で、自由は賛否がほぼ半々となっています。
6月16日(金)に渋谷区立千駄ヶ谷区民会館で第1回Rightsフォーラムが行われました。今回は、朝日新聞論説委員の伊中義明さんに「若者の政治参加と選挙権年齢」というテーマで講演していただき、それを踏まえてフリーディスカッションを行いました。講演内容、フリーディスカッションの内容とも充実したものとなり、とても有意義な企画でした。
高齢化社会の歪みをどう正すか
日本の平均寿命は、この40年間で男が13.9歳、女が16.2歳延びました。今後10年間に15~24歳人口は600万人減り、65歳以上は600万人増えると予測されます。 人口構成の偏りは、政治が高齢者の意志で動きがちになることを意味します。選挙では「数」がものを言うからです。投票率も年齢が上がるほど高くなる傾向があります。人口の少ない若年層は投票率が低く、人口の多い高齢層の投票率は高い。政党も政治家も誰のために政策を展開するかといえば、自分達に投票してくれる人のために政策を展開したくなります。政党はますます高齢者向けの政策に力をいれるでしょう。そうなれば、さまざまな分野で世代間の不平等等が拡大し、若者が政治から遠ざかる悪循環に陥りかねません。民主主義を脅かすジレンマといえます。
年金をめぐる世代対立は、その典型です。厚生年金の給付額を物価や給与水準に沿って増やすと、18歳の若者が44歳になる2025年には現在のほぼ倍の保険料になります。そこに老人医療や介護保険が加わる。それを現役世代が負担できるでしょうか。それだけではありません。企業の年金負担が増えれば国際競争力が落ち、賃金の低下や雇用不安につながり、さらには貯蓄率が低下し投資が縮小して、経済成長も落ち込むのではないかと思われます。それにもかかわらず高齢者の政治力ばかりが強まれば、年金給付額の伸びは抑えられないと思います。高齢者人口の多い地域への公共事業を削減するのも難しくなるでしょう。
高齢世代を若い世代が支えるのは、社会の安定化にとって重要なことです。いたずらに対立をあおるのは良くないと思います。ならばなおのこと、世代間の均衡を保ち、各世代が納得できる社会システムをつくる必要があります。若い世代の意志が政治に、よりいっそう反映される仕組みを整えなければならないと思います。
若者の意志を反映させる選挙権年齢引き下げ
その一歩として選挙権を18歳に引き下げるべきだと思います。参政権には年齢の上限がありませんから、平均寿命が延びていることで、高齢層の声は常に大きくなっているといえます。それならば選挙権年齢の引き下げを行い、若年層の声も大きくしなければバランスが悪いと思います。あわせて被選挙権年齢も大幅に引き下げてはどうでしょうか。1945年、日本では選挙権は20歳以上と定められました。そのころ世界の大勢は21歳でした。ところが69年の英国を先頭に、70年代半ばにかけて欧米諸国で18歳への引き下げが相次ぎました。当時、欧州は大学紛争、米国はベトナム戦争に直面していました。18歳を自立した大人と認める報告が各国で出され、兵役義務のある若者には選挙権を与えるべきだという意見が大勢を占めました。欧米から後れること30年となってしまいましたが、日本でも若者の政治参加の問題に真剣に取り組むべき時を迎えたのではないでしょうか。その際、20歳を成年と定めている民法の規定との整合性が問題になります。20歳未満を保護の対象としている少年法の改正問題とも連関します。実際の社会では高卒者の2割以上は働いていますし、自衛隊員募集も18歳からです。各国が成年年齢を18歳に引き下げたことを見ても、20歳からを大人と定める根拠は薄れてきているのではないでしょうか。18歳以上に選挙権を与えれば、約350万人が新たに有権者になります。「若者に選挙権を与えても、どうせ投票率が低く、実効性はない」との意見もあるかもしれません。だが、まずは日本がどんな社会をめざすべきかを若い世代が自ら考え選択する機会を与えることが大切だと思います。選挙権や被選挙権年齢の引き下げを契機に、若者の政治への関心が高まることも予想されます。大学生でも選挙に挑戦できるなら、政治がぐっと身近になるでしょう。
若者が政治に参加し、彼らの意志が高齢者と均衡を保つ形で反映されてこそ、社会の活力は維持されます。そのことを若者たち自身にもぜひ自覚していただければと思います。